【弁護士に依頼するメリット】相手が資力がないと主張して支払いを逃れようとする場合、個人間での交渉は難航しがちです。弁護士が代理人として介入することで、相手の本当の経済状況を法的に精査し、強制執行を見据えた実効性の高い示談書の作成や損害賠償請求の手続きを確実に行うことができ、被害回復の可能性を最大限に高められます。
ネット上の誹謗中傷や悪質な風評被害について、長い時間と費用をかけて発信者情報開示請求を行い、ようやく相手を特定して損害賠償を請求する段階に至ったとします。
しかし、いざ連絡を取ったところ、相手から「現在無職で収入がない」「生活保護受給中なので支払うお金は一銭もない」と言われてしまい、途方に暮れてしまう相談者は少なくありません。
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所には、このような「加害者に資力(支払い能力)がないと言われた」ケースに関するご相談が数多く寄せられます。
結論からお伝えすると、相手が現在無職であっても、直ちにお金を回収できる見込みがないからといって請求を諦める必要はありません。法律上の仕組みや将来を見据えたアプローチを活用することで、実効性のある解決を図ることが可能です。
この記事では、相手が無職や生活保護であると主張してきた場合に、被害者が取るべき具体的な対応策や法的手段について詳しく解説します。
相手の「お金がない」という主張は本当かを見極める
ネット上で誹謗中傷を行う加害者は、法的責任を逃れたい一心で、自分にいかに支払い能力がないかを誇張して伝える傾向があります。
「無職である」「生活保護を受けている」という言葉を鵜呑みにせず、客観的な事実や相手の属性を見極めることが第一歩となります。
- 本当の無職・生活保護かどうかの確認:開示請求の過程で判明した相手の属性や、裁判手続きの中で開示される情報をもとに、実際の生活状況を推測します。
- 親族の援助の可能性:本人は無職であっても、実家の親に経済力がある場合、訴訟や厳しい法的追及を恐れた親が肩代わりして支払うケースは珍しくありません。
- 隠し資産の有無:銀行口座や、場合によっては cryptocurrency(暗号資産)などのデジタル資産を保有している可能性もゼロではありません。
仮に本当に現在の収入や預貯金が乏しかったとしても、法的手段を講じる意味は十分に存在します。
生活保護受給者に対する損害賠償請求の法律上の注意点
相手が生活保護を受給している場合、実務上知っておくべき重要な法律上のルールがあります。
それは、「生活保護費そのものを差し押さえることは法律で禁止されている」という点です。生活保護法により、受給者が国や自治体から受け取る保護金品を差し押さえることは、最低限の生活を保障する観点から固く禁じられています。
そのため、現在口座にあるお金が「完全に生活保護費のみ」である場合、強制執行によってその口座から直接お金を回収することは困難です。
しかし、ここで重要なのは、「生活保護受給者であっても、損害賠償義務(借金のようなもの)自体が消えるわけではない」という点です。損害賠償の判決や和解が成立すれば、相手に対して「お金を支払う法的義務」は残り続けます。
将来を見据えた回収戦略:就職後の差し押さえ
今現在はお金がない無職であっても、相手がこの先一生無職である保証はありません。若い世代であれば、将来就職して安定した収入を得る可能性は十分にあります。
裁判所を通じて確定判決を得たり、法的効力のある和解調書を作成したりしておけば、その有効期限は10年間となります。
- 10年の時効中断のメリット:判決や和解によって時効が更新されるため、相手が働き始めるまでの間、じっくりと待つことができます。
- 就職時の給与差し押さえ:将来、相手が企業に就職して給与を得るようになった段階で、勤務先を特定して給与の差し押さえ(債権差押命令)を実行することが可能です。
- 心理的プレッシャーの効果:借金や損害賠償の法的義務が一生涯つきまとうという事実は、加害者にとって大きな心理的プレッシャーとなり、社会生活を送る上での抑止力になります。
このように、今すぐの回収が難しくても、「将来の回収権を確実に確保しておく」ために法的手続きを進める価値は大いにあります。
分割払いの和解と「不払い時即時差し押さえ」の合意
相手にまとまった貯金がなくても、月々数千円から数万円程度であれば、分割でなら支払えると言ってくるケースがあります。
このような場合、単に口約束で分割払いに応じるのは極めて危険です。「最初は払っていたが途中から連絡が取れなくなった」というトラブルが多発するためです。
弁護士を代理人として交渉する場合、以下のような強力な条件を盛り込んだ和解契約を締結します。
- 公正証書の作成:執行力のある公正証書を作成するか、裁判上の和解を行います。
- 期限の利益喪失条項の設定:「分割金を一度でも怠ったときは、残金全額を一括して直ちに支払う」という条項を必ず入れます。
- 即時強制執行の受諾:この条項を入れておくことで、万が一相手が支払いを滞らせた際、裁判を起こし直すことなく、即座に相手の預貯金や財産に対する強制執行の手続きに移ることができます。
相手が「少しずつなら払う」と言ってきたときこそ、法的に確実な裏付けを持った和解契約を結ぶチャンスと言えます。
弁護士に依頼するメリット:冷静かつ効果的な交渉力
個人で誹謗中傷の加害者と直接連絡を取り、「お金がない」と言われると、感情的になってしまったり、相手の言葉に丸め込まれて泣き寝入りしてしまったりすることが少なくありません。
弁護士が代理人として前に出ることで、以下のような圧倒的なメリットがあります。
- 客観的な資力調査と法的圧力:弁護士が正式な法的手段(訴訟や財産開示手続の予告など)をちらつかせることで、相手やその家族が本気度を理解し、親族間での工面を検討し始めるケースが多々あります。
- 実行可能な和解スキームの構築:相手の生活状況に合わせた現実的な分割案を作成しつつ、不払い時のリスクを完全に担保した法文書を作成します。
- 精神的負担の軽減:加害者との直接のやり取りをすべて弁護士が代行するため、被害者本人がストレスを受けることがありません。
相手が無職や生活保護であることを理由に、泣き寝入りする必要は一切ありません。諦める前に、まずはネット誹謗中傷の実績が豊富な弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所までご相談ください。状況に応じた最適な回収戦略をご提案いたします。