SNSで「過去の交際相手」から復讐目的で動画・画像をバラ撒かれた時

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、ネット上の誹謗中傷削除・発信者情報開示命令(IPアドレス特定)・仮処分裁判実務に基づき、プロバイダ責任制限法および最新の判例に沿ってわかりやすく解説しています。

Q 元恋人からSNSにプライベートな写真や動画をバラ撒かれた場合、どのような法的措置で一刻も早く削除し、加害者を特定して処罰できますか?
A 【法的根拠と該当する罪】元交際相手が私的な画像や動画を無断でネット上に拡散する行為は「リベンジポルノ防止法違反(私事性画像記録提供罪)」や「名誉毀損罪」「著作権法違反」に該当する明白な刑事犯罪であり、プライバシー権や肖像権を侵害する違法な行為です。
【弁護士による対応と解決策】被害を最小限に抑えるためには、警察への被害届・刑事告訴の準備を進めると同時に、弁護士を通じて裁判所への「削除の仮処分」を申し立て、プラットフォームから一刻も早く画像を消去することが最優先です。さらに、発信者情報開示請求によって加害者のIPアドレスや氏名を特定し、刑事告訴や損害賠償請求(慰謝料請求)を行うことで、法的責任を厳しく追及することが可能です。

許されない卑劣な加害行為「リベンジポルノ」の現実

交際していた相手からの別れ話のこじれや、一方的な恨み・復讐心から、かつての恋人同士のプライベートな写真や動画をインターネット上に公開する悪質な被害が後を絶ちません。

X(旧Twitter)やInstagram、TikTok、あるいは特定の暴露系サイトや掲示板などに、本人の同意なく画像や動画がさらされると、被害者は計り知れない精神的苦痛を受けるだけでなく、勤務先や学校、日常生活にまで深刻な悪影響が及びます。

こうした被害に直面したとき、恥ずかしさや恐怖から一人で抱え込んでしまう方が少なくありません。しかし、インターネット上に拡散された情報は、放置すればするほど魚拓や保存機能によってコピーが作られ、完全に回収することが困難になっていきます。

夕陽ヶ丘法律事務所には、「元交際相手が自分の裸の画像をネットにアップした」「個人情報と結びつけて拡散されているので今すぐ消してほしい」という切実なご相談が数多く寄せられています。

本記事では、過去の交際相手から私的な画像や動画をバラ撒かれた際、被害者が取るべき法的手段と、一刻も早い解決に向けた実務的な手順を詳しく解説します。

該当する法律上の罪と違法性

元交際相手による画像の拡散行為は、単なるマナー違反やプライベートのトラブルではなく、明白な犯罪行為であり、同時に不法行為(民事上の責任)を構成します。

1. リベンジポルノ防止法違反(私事性画像記録の提供等被害防止法)

正式名称を「私事性画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」といいます。 復讐やその他の目的で、交際関係にあった相手の性的画像や動画を、本人の同意を得ずに不特定多数に閲覧可能な状態に置く行為を明確に処罰対象としています。違反した場合は、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という重い刑罰が科されます。

2. 名誉毀損罪(刑法第230条)

社会的評価を低下させるような事実を不特定多数の人が知る状態に置いた場合、名誉毀損罪が成立します。「過去にこういう不品行があった」などの虚偽、あるいは真実であってもプライバシーを暴く形で社会的信用を失墜させた場合、3年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金に処される可能性があります。

3. プライバシー権・肖像権の侵害(民事上の不法行為)

他人に知られたくないプライベートな情報(私生活の事実や画像)を勝手に公開されない権利(プライバシー権)や、自身の姿をみだりに撮影・公表されない権利(肖像権)に対する重大な侵害にあたります。民事裁判において、加害者に対して損害賠償(慰謝料)請求を行う法的根拠となります。


被害発覚直後に取るべき「2つのアプローチ」

ネット上に画像や動画が拡散された場合、「警察への通報・刑事手続き(加害者の処罰・証拠保全)」と、「プラットフォームや裁判所への削除要請(被害の拡大防止)」の2つを同時に、かつ迅速に進める必要があります。

  • ステップ1:決定的な証拠の保全(スクショやURLの保存)
  • ステップ2:警察への相談・刑事告訴の検討
  • ステップ3:プラットフォームに対する緊急削除要請
  • ステップ4:裁判所を通じた「削除の仮処分」の申し立て

1. 決定的な証拠の保全

パニックになって画面をすぐに閉じたり、アカウントをブロックしたりする前に、拡散されているページを必ず記録してください。

  • 投稿のURL(パーマリンク)がコピーできる状態にしておく
  • 投稿画面全体、アカウント名、ID、掲載された画像・動画(可能な範囲)のスクリーンショットを撮影する
  • 投稿日時やフォロワー数、閲覧数などが分かる情報を残す

加害者がアカウントを削除したり、投稿を非公開にしたりして証拠隠滅を図るケースが多いため、弁護士に相談する前の段階でも、URLとスクリーンショットの確保が何よりも重要になります。

2. 警察への相談と被害届・告訴

リベンジポルノは警察が積極的に捜査を行うべき重大犯罪です。最寄りの警察署(生活安全課など)に相談し、被害届の提出や刑事告訴を行います。 ただし、警察が動くためには確たる証拠が必要となるため、ご自身で動くのが不安な場合は、弁護士が代理人として警察に同行・交渉し、スムーズな捜査を促すサポートが可能です。

3. 即時削除に向けた法的措置

警察の捜査と並行して、インターネット上のデータ一日も早く消去しなければなりません。

  • 運営会社への削除要請: 各SNSやサイトの規約違反(セクシャルコンテンツの禁止、プライバシー侵害)に基づき、削除申請フォーム等から削除を求めます。
  • 弁護士を通じた削除請求(送信防止措置請求など): プロバイダ責任制限法等に基づき、弁護士名義で法的な根拠を示した削除要請を行います。任意の要請に応じない場合は、裁判所の「仮処分命令」を利用します。

仮処分とは、通常の裁判(本訴)を待たずに、裁判所がスピーディーにプラットフォームやプロバイダに対して「該当データを今すぐ削除せよ」と命じる法的手続きです。通常、申し立てから数週間程度で決定が出るため、一刻も早く画像を消したい場合の決定的な切り札となります。


加害者の特定と損害賠償・再発防止請求

画像や動画を拡散した人物が元交際相手だと分かっている場合(アカウント名や連絡先、共通の知り合い等ですでに特定できている場合)、警察の捜査や民事裁判を有利に進めることができます。

一方で、匿名のアカウントや捨てアカウントを使って嫌がらせを行っている場合は、発信者情報開示請求を行い、加害者のIPアドレスや氏名・住所を特定する作業が必要となります。

加害者が特定でき次第、以下の民事上の請求を行います。

  • 慰謝料請求: プライバシー侵害や精神的苦痛に対する損害賠償金(数百万円規模になるケースもあります)の請求
  • 示談書(誓約書)の締結: 今後一切の接触禁止、データの完全破棄、第三者への再譲渡禁止、違反時の違約金設定などを盛り込んだ厳格な合意書の作成

特に、加害者が手元に持っている画像・動画のデータやクラウド上のバックアップをすべて強制的に削除・消去させることが、今後の安全を確保する上で極めて重要です。


一人で悩まず、夕陽ヶ丘法律事務所にご相談ください

過去の交際相手によるリベンジポルノや画像・動画のネット拡散は、被害者の尊厳を踏みにじる許しがたい行為です。「警察に相談して大ごとになるのが怖い」「知人に知られたくない」というお気持ちも痛いほど分かります。

しかし、ネット上の被害は時間の経過とともに拡散され、デジタルタトゥーとして残り続けてしまいます。被害を最小限に抑え、あなたの平穏な日常を取り戻すためには、一刻も早い法律の専門家への相談が確実な解決への近道です。

夕陽ヶ丘法律事務所では、ネット誹謗中傷・風評被害対策に精通した弁護士が、秘密厳守で親身にお話を伺います。証拠の集め方から、警察との連携、裁判所を通じた迅速な削除仮処分、そして加害者への法的責任追及まで、トータルであなたのプライバシーと尊厳を守り抜きます。

精神的負担が大きいこの状況から抜け出すために、まずは一度、当事務所の無料相談までご連絡ください。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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