結婚を前提とした真剣な出会いを求めて結婚相談所に登録したにもかかわらず、お見合い相手が実は既婚者だったというトラブルは、決して許されない重大な背信行為です。相談者の心身の苦痛は計り知れません。
本記事では、結婚相談所で既婚者が発覚した直後に行うべき「相談所への申し入れ手順」と、加害者男性に対する「法的(弁護士を通じた)慰謝料請求のステップ」について詳しく解説します。
1. 結婚相談所で既婚者が発覚した直後にすべきこと
お見合いの場や交際初期に、相手が独身証明書を偽造していたり、既婚者であることを隠していたことが発覚した場合、感情的になって個人間で連絡を取り合うのは危険です。まずは冷静に証拠を確保し、相談所へ正式に申し入れを行いましょう。
証拠の確保
相手が既婚者である動かぬ証拠(戸籍謄本、家族構成が記載された書類、自白の録音やLINE・メールのやり取りなど)をできる限り集めて保存してください。相談所への申し入れや、のちの慰謝料請求において不可欠な武器となります。
相談所本部への厳正な通報
担当カウンセラー経由、あるいは相談所の運営本部に対して、相手が既婚者であることを直ちに報告します。多くの結婚相談所では、独身であることが利用規約上の絶対条件となっており、違反者に対しては厳重なペナルティが用意されています。
2. 結婚相談所への申し入れ内容と期待できる対応
相談所に対しては、単なる愚痴としてではなく、規約違反に基づく具体的な措置を要請することが重要です。
- 相談所の利用規約違反に基づく強制退会処分
- 規約に定められた違約金(ペナルティ)の請求適用
- 被害者であるあなたへの謝罪や、安全確保のための接触禁止措置
結婚相談所は、会員の身元保証(独身証明書の提出等)を行う義務を負っています。相談所側の管理体制に過失が認められる場合には、相談所に対する責任追及を視野に入れるケースもあります。
3. 加害者男性に対する「貞操権侵害」の慰謝料請求
独身と偽って結婚を匂わせながら交際し、性交渉や肉体関係を持つ行為は、個人の性的自由や結婚生活を送る法的な利益を侵害する「貞操権侵害(民法709条)」にあたります。
慰謝料請求の法理
最高裁判例の一般的な法理においても、相手を欺いて婚姻関係に類似した関係を持たせた場合、不法行為が成立すると認められています。結婚相談所という「結婚を強く意識した場」を利用していたという事実自体が、被害の悪質性を裏付ける重要な要素となります。
弁護士を通じたアプローチの重要性
加害者男性に対して個人で慰謝料を請求しても、無視されたり、「独身だと言い張った」「知らなかった」などと責任逃れをされるおそれがあります。弁護士名義で内容証明郵便を送付することで、相手にプレッシャーを与え、法的に有効な交渉を有利に進めることができます。
4. 悪質な「ダブルトラブル」への警戒
独身偽装交際をめぐるトラブルの中には、実は相手の妻(配偶者)が背後に存在しており、逆にあなたに対して「夫と不貞行為をした」として高額な慰謝料を請求してくるというダブルトラブルに発展するケースがあります。
- 加害者男性が「独身である」と巧みに嘘をついていたこと
- あなた自身は既婚者であることを一切知らず、欺かれていたこと(善意無過失)
このような状況下で配偶者から請求を受けた場合、あなたは不法行為の故意・過失を欠くため、原則として配偶者からの慰謝料支払義務を負いません。泣き寝入りや不当な請求に応じる前に、必ず専門の弁護士へご相談ください。
5. まとめ
結婚相談所での既婚者発覚は、あなたのこれまでの時間や精神的エネルギーを踏みにじる許しがたき事態です。独身を偽るマッチングトラブルにおいては、個人間での話し合いに固執すると証拠隠滅やさらなる二次被害を招くリスクが高まります。相談所への適切な規約違反の申し入れと、加害男性に対する法的根拠に基づいた慰謝料請求を迅速かつ確実に進めるためにも、早期に専門の弁護士へ相談し、法的手段による正当な権利回復を図ることを強く推奨します。