独身と偽って交際をしていた相手が、自身の既婚者であることが発覚した途端、保身のためにLINEのメッセージをすべて送信取り消しにして証拠隠滅を図るケースが後を絶ちません。
「メッセージが消されてしまったから、独身だと信じ込まされていた証拠がなくなってしまったのではないか」と不安に思われる方も多いでしょう。
1. LINEの送信取り消しをされても証拠が残る理由
相手が「送信取り消し」機能を使っても、メッセージの痕跡や内容が完全に消え去るわけではありません。以下のような方法や状況証拠から、やりとりの内容を立証することが可能です。
- スマホの「通知履歴」機能の活用
- パソコン版やタブレット版など「他端末」での画面保存
- 送信取り消しされなかった「前後の会話の文脈」
送信取り消しが行われると、トーク画面には「[相手の名前]さんがメッセージの送信取り消しをしました」という表示だけが残ります。しかし、これによってすべての証拠が失われるわけではありません。
2. 具体的な復元・立証のテクニック
メッセージが消されてしまった場合、以下の手順や状況を確認することが重要です。
スマートフォン側の通知履歴を確認する
Android端末や一部のiOS機能、または通知履歴を保存するアプリを利用している場合、メッセージが届いた時点でスマホの通知領域にテキストが残っているケースがあります。送信取り消しをされる前に受信した通知ログが残っていれば、そこに「独身である旨」の記載がないか確認できます。
他端末(PC版LINEなど)の確認
スマートフォン以外の端末(パソコンやiPadなど)でLINEにログインしている場合、スマホ側で送信取り消しが行われる前に同期されていたり、タイムラグによってメッセージがそのまま残っていたりします。消去に気づいたら、まず他のデバイスの画面を確認し、速やかにスクリーンショットを撮影してください。
前後の会話の文脈から推認する
仮に特定のメッセージが消されたとしても、その前後のやりとり(「一人暮らしなの?」「休日は何をしているの?」といった質問に対する相手の返答など)から、独身を偽っていた事実を十分に推認させることができます。裁判実務においても、単体のメッセージだけでなく、全体の文脈から総合的に立証していくことが一般的です。
3. 証拠隠滅を図る相手への対応と注意点
相手が慌てて送信取り消しやアカウントの削除を行った場合、ご自身だけで対応しようとすると、さらなる証拠隠滅を許してしまうリスクがあります。
- 画面のスクリーンショットを日時が分かる形で早めに保存する
- 相手との通話録音や、写真、プレゼント、旅行の予約控えなど、LINE以外の客観的証拠も集める
- 感情的な連絡を控え、法的なアプローチの準備を進める
独身偽装交際や貞操権侵害において、相手が嘘をついていたこと、そしてそれを信じ込まざるを得ない状況であったことを示す立証活動は、非常に対処の正確性が問われます。LINEのメッセージが消されたからといって諦めず、残されたわずかな手がかりと多角的な証拠収集を組み合わせることで、相手の責任を追及していくことが可能です。