独身偽装交際や不貞行為のトラブルにおいて、相手方から「示談金を支払う代わりに、SNSのアカウントを削除し、二度とこの件について投稿しないように」と要求されるケースが増えています。
示談条件としてのSNS削除要求
結論から申し上げますと、示談の条件として「SNSのアカウント削除」や「口外禁止条項(守秘義務)」を盛り込むことは、実務上非常によくあるケースです。
相手方がこうした条件を提示する主な目的は、以下の通りです。
- 自身のプライバシーや社会的信用を守るため
- SNSによる拡散を防ぎ、トラブルを早期に終息させるため
- 将来的な名誉毀損やプライバシー侵害のリスクを排除するため
示談に応じる際の注意点
相手方からこのような要求があった場合、安易に同意してアカウントを消せば良いというわけではありません。以下のポイントを慎重に検討する必要があります。
- 示談金の支払時期と条件の連動
SNSの削除や投稿の取り消しは、示談金の入金確認と同時に行うのが原則です。先にアカウントを消してしまうと、相手方が示談金の支払いを拒否したり、連絡を絶ったりするリスクがあるためです。 - 清算条項の確認
示談書には「本件に関し、今後一切の請求を行わない」といった清算条項が含まれることが一般的です。SNSの削除が、この清算条項の一部として適切に機能するかを確認しましょう。 - 守秘義務の範囲
単に「SNSを消す」だけでなく、今後一切の事実を第三者に口外しないという「守秘義務」についても合意書に明記することが重要です。これにより、双方のプライバシー保護をより強固なものにできます。
まとめ:安全に示談を成立させるために
示談書の内容は、一度締結してしまうと後から条件を変更・修正することが極めて困難になります。相手方が提示する「SNS削除」という条件が法的に妥当な範囲内か、また示談金の金額や支払方法とバランスが取れているかを客観的に判断することが不可欠です。
特に独身偽装交際や不貞行為に伴う慰謝料トラブルでは、感情的な対立から思わぬ不利な条件で合意させられてしまうリスクも潜んでいます。ご自身だけで判断して安易にアカウントを削除・合意する前に、まずは示談書のドラフトや相手方の要求内容に法的な問題がないかを確認し、安全かつ確実なトラブル解決を目指しましょう。