Q:相手が「示談金を振り込んだ後に振り込み明細を送ってきた」時の確認

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、貞操権侵害(独身偽装被害)における不法行為責任(民法709条)、裁判例の慰謝料算定基準、および相手の妻からの不貞請求防御実務に基づきわかりやすく解説しています。

Q 相手から示談金の振込明細が送られてきましたが、これだけで示談成立・清算完了として大丈夫ですか?
A 振込明細の送付だけでは清算完了とみなしてはなりません。必ず弁護士名義の預金口座へ実際に入金が反映された(着金した)ことをオンラインバンキング等で確認してから、示談書の効力発生および清算完了と判断する必要があります。

不貞行為や独身偽装による交際トラブルにおいて、示談交渉が成立した際、相手方から「振り込みを完了した」との連絡とともに、振込明細の画像が送られてくるケースは非常に一般的です。

相手から明細が届いた後の対応

相手方から振込明細の画像やPDFが送られてきた場合、私たちは直ちに以下の手順で確認を行います。

  • 1. 弁護士名義の預金口座への着金状況をオンラインバンキングで確認します。
  • 2. 相手方から提示された金額と、実際の入金額に齟齬がないかを照合します。
  • 3. 着金が確認できた段階で、初めて示談書の効力が完全に発生し、双方の債務が清算されたものとみなします。

なぜこのように慎重に行うのかというと、たとえ振込明細であっても、画像の加工や偽造、あるいは振込予約の取り消しといったリスクを完全に排除できないからです。あくまで「口座に実際に入金が反映された事実」をもって、法的な清算完了と定義しています。

なぜ着金確認が重要なのか

示談書には「本件に関する債権債務は、本示談金の支払いをもって全て消滅する(清算条項)」といった趣旨の条項が含まれることがほとんどです。

もし明細だけで清算したと誤認してしまい、実際には入金がされていなかったり、組み戻しや振込エラーが発生していたりした場合、依頼者様が不利益を被る取り返しのつかないリスクが生じます。

安全な金銭授受と確実な解決を実現するため、以下の対応を徹底しております。

  • 着金を確認したその日のうちに、速やかに依頼者様へ示談金をお支払いします。
  • 送金完了後、すべての手続きが適正に終了したことを証明するため、速やかに完了の報告を行います。

まとめ

相手方から「振り込んだ」と連絡があり明細が提示された場合でも、画面上の情報だけで安心せず、必ず実際の口座への着金事実をもって確認することが重要です。示談金や慰謝料の金銭トラブルを含むデリケートな交渉においては、確実な実務プロセスを踏むことが自身の権利を守ることに直結します。適正かつ安全な解決を望まれる方は、専門的な知見を活用した慎重な対応をおすすめします。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

TOP