Q:相手の妻へ支払った和解金を不倫夫へ請求する「求償権の裁判」の期間

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、貞操権侵害(独身偽装被害)における不法行為責任(民法709条)、裁判例の慰謝料算定基準、および相手の妻からの不貞請求防御実務に基づきわかりやすく解説しています。

Q 独身と偽られた挙句に不倫相手の妻から慰謝料を全額支払わされました。支払ったお金をその嘘をついた不倫男性(既婚者)に請求する求償権の裁判はどれくらいの期間で終わりますか?
A 【求償裁判の期間と法的根拠】銀行振込などの明確な送金証拠がある場合、地方裁判所への提訴から判決または和解成立までの期間は概ね約2ヶ月〜4ヶ月程度と非常に迅速です。不倫は双方に責任がある共同不法行為(民法709条)であり、相手の妻へ支払った慰謝料(一般相場100万〜300万円)のうち自身の責任割合を超える分について、不倫相手へ求償権を行使して回収することは正当な権利です。
【早期解決のポイントと弁護士相談のメリット】送金証拠や不倫の客観的資料が揃っていれば争点が絞られるため早期解決しやすくなります。ただし、独身偽装による貞操権侵害の被害者が相手の妻から理不尽な請求を受けた場合や、求償権を円滑に実行して相手男性から確実に回収するためには、不貞請求防衛や慰謝料請求に精通した弁護士へ早期に相談し、証拠保全と法的手続きを任せるのが最も確実な解決策です。

不倫関係にあった相手の妻から慰謝料を請求され、支払いを終えた後に「自分だけが全額負担するのは納得がいかない」と考える方は少なくありません。不倫は双方に責任がある行為であるため、支払った金額の一部を相手男性に請求する「求償権」を行使することは法的に認められた権利です。

求償裁判にかかる期間の目安

不倫相手の男性に対して求償権を行使する場合、まずは当事者間での交渉を行いますが、相手が応じない場合は地方裁判所へ提訴することになります。

提訴から解決までの期間は、概ね以下の通りです。

  • 提訴から判決・和解成立まで:約2ヶ月〜4ヶ月程度

不倫の慰謝料を相手の妻へ支払った際、銀行振込などの明確な送金証拠(エビデンス)が残っている場合、法的な争点は「不倫関係の有無」や「責任の割合」に絞られます。証拠が明確であれば、裁判所も事実認定を迅速に行うことができるため、比較的短期間で解決に至るケースが多いのが特徴です。

なぜ期間が短縮されるのか

求償裁判が他の複雑な訴訟に比べて早期解決しやすい理由は、以下の要素が大きいためです。

  • 送金証拠が客観的に存在するため、支払いの事実が争点になりにくい
  • 不倫の事実が既に認定されているケースが多く、立証の負担が軽減される
  • 裁判所が和解を勧告するケースが多く、当事者双方が現実的な着地点を見出しやすい

特に、支払った慰謝料の領収書や振込明細書を精緻に整理し、裁判所へ提出することで、手続きの遅延を防ぐ工夫が重要となります。

早期解決のために注意すべき点

求償権の裁判を検討するにあたっては、いくつか注意しておくべきポイントがあります。

  • 時効の確認:求償権には時効があります。支払いが完了した時点から起算して期間が経過していないか確認が必要です。
  • 責任割合の算定:不倫の主導権がどちらにあったかなど、責任の配分によって請求できる金額が変動します。
  • 相手の資力:裁判に勝訴しても、相手に支払い能力がなければ回収が困難になる場合があります。

求償権の行使は、単に金銭を取り戻すだけではなく、自分自身が被った不当な不利益を清算するという意味でも重要なプロセスです。相手の妻から理不尽な請求を受けた末に、独身だと偽られていた等の事情がある場合は、貞操権侵害の観点も含めて多角的に検討する必要があります。裁判の期間や具体的な見通しについて不安がある方は、事前に法的根拠に基づいた正確な状況整理を行うことが解決への近道となります。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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