男女関係のトラブルにおいて、交際相手から「実はバツイチで、今は元妻と便宜上同居しているだけだ」といった説明を受けるケースがあります。しかし、こうした弁明の多くは、既婚者が不倫を正当化するために用いる典型的な言い逃れです。
「元妻と同居」という弁明の法的意味
相手が「離婚している」と口頭で主張していても、戸籍上の婚姻関係が継続していれば、法的には「既婚者」です。この状況で交際を続ければ、相手の配偶者から見れば「不貞行為」とみなされ、慰謝料請求の対象となります。
相手が「元妻と同居しているだけ」と説明した場合、以下の点に注意が必要です。
- 戸籍上の離婚が成立していない以上、法的には夫婦である。
- 「同居している」という事実は、婚姻関係が破綻していない可能性を強く示唆する。
- 相手の言葉を鵜呑みにしたとしても、客観的な証拠がない限り、過失を否定するのは困難である。
被害者の無過失を立証するために必要なこと
相手に騙されていた場合、自分は「貞操権を侵害された被害者」であると同時に、相手の配偶者からは「不貞行為の加害者」として慰謝料を請求されるという二重の苦しみに直面します。このとき、最も重要なのは「自分には過失がなかった(騙されて交際していた)」ことを法的に立証することです。
具体的には、以下の行動や証拠の保全が重要となります。
- 交際開始時に、相手が独身であると信じるに足りる合理的な理由があったか。
- 相手が独身であると偽った際のLINEやメール、音声などの履歴。
- 相手が「すでに離婚している」「元妻とは同居しているだけだ」と語っていた具体的な説明内容の記録。
- 第三者を交えた会話や、身分証明書の提示状況に関する証拠。
相手の配偶者から請求を受けた際の対応
もし、相手の嘘が発覚し、配偶者から高額な慰謝料を請求された場合、決して一人で抱え込んで示談に応じてはいけません。相手の言葉を信じざるを得ない合理的な理由や客観的な証拠を提示できれば、不貞の故意・過失が否定され、慰謝料の減額や支払い義務の回避につながる可能性があります。
「元妻と同居している」という曖昧な弁明を信じてトラブルに巻き込まれた場合は、相手の嘘の証明とご自身の身を守るため、早期に専門家である弁護士へご相談ください。