交際相手から「自分は離婚しており、子供の親権も自分が持っている」と告げられていたにもかかわらず、実際には配偶者が存在し、子供もその配偶者と同居していたというケースがあります。これは単なる嘘の範囲を超え、法的に非常に深刻な問題です。
家族関係を偽る行為の法的性質
相手が既婚者であることを隠して交際することは、法的には「貞操権侵害」にあたります。特に、親権や離婚歴について虚偽の事実を述べ、信じ込ませる行為は、相手の結婚に対する期待権を著しく侵害するものです。
このようなケースでは、以下のような不法行為が成立する可能性が高いといえます。
・故意による貞操権の侵害(性的関係の強要や同意の瑕疵) ・婚姻関係の維持を目的とした欺罔(ぎもう)行為 ・精神的苦痛に対する慰謝料請求の対象
相手の配偶者から不当な請求を受けた場合
最も注意すべきなのは、相手の配偶者から「不貞行為を働いた」として、多額の慰謝料を請求されるケースです。しかし、あなたが「相手が独身であり、親権を持つシングルファザーである」と信じ込まされていた場合、あなたには「過失(不注意)」がない、あるいは極めて低いと評価される可能性があります。
不貞行為による慰謝料請求が認められるためには、原則として「相手が既婚者であると知っていた」または「知ることができた(注意を怠った)」という事情が必要です。相手が巧妙に家族関係を捏造していた場合、その責任はむしろ、嘘をついていた相手本人に帰結します。
独身偽装トラブルにおける具体的な対処法
もし現在、相手の嘘に気づき、トラブルに巻き込まれているのであれば、以下の手順で冷静に対処してください。
・相手とのやり取り(LINEやメール、通話記録)をすべて保存する。 ・相手が独身であると偽った証拠を確保する。 ・相手の配偶者からの連絡に対しては、安易に回答せず、弁護士等の専門家に相談する。
相手の配偶者から攻撃的な連絡を受けている場合、ご自身で対応することは精神的にも大きな負担となります。また、誤った回答をしてしまうと、後々不利な状況に追い込まれるリスクもあります。状況を正確に整理し、法的観点から適切な防御策を講じることが重要です。