Q:相手が「自分はパイロットだからフライトで土日会えない」と制服写真を見せてきた

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、貞操権侵害(独身偽装被害)における不法行為責任(民法709条)、裁判例の慰謝料算定基準、および相手の妻からの不貞請求防御実務に基づきわかりやすく解説しています。

Q 相手が「自分はパイロットで土日は会えない」と制服写真を見せて独身と偽っていた場合、法的責任を問えますか?
A はい。制服写真を使って職業や独身を積極的に偽る行為は、単なる嘘を超えて悪質な「貞操権侵害」に該当する可能性が高いため、精神的苦痛に対する慰謝料請求などの法的責任を追及できる場合があります。

職業や独身の偽装はどこまで法的責任を問えるか

「仕事が忙しい」「フライトで週末は会えない」といった言い訳は、相手が既婚者であることを隠蔽するための常套手段です。もし相手がパイロットの制服を着た写真を提示し、職業や独身であることを積極的に偽っていた場合、これは単なる嘘の範疇を超え、法的な「貞操権侵害」に該当する可能性が高いといえます。

独身だと信じて交際していた側が受けた精神的苦痛は計り知れません。法的には、相手の不貞行為に対する責任だけでなく、相手の積極的な欺罔(ぎもう:相手をだますこと)行為に対する慰謝料請求を検討することになります。

なぜ高度な偽装が行われるのか

このようなケースでは、相手は以下のような手段を講じていることが一般的です。

  • インターネットで購入した制服や小道具を用いたコスプレ撮影
  • 架空のフライトスケジュールを提示し、連絡が取れない時間を正当化する
  • SNSやマッチングアプリで偽の経歴をプロフィールに設定する

こうした手の込んだ偽装は、被害者が「自分は特別な相手だ」と思い込むように心理的に誘導する悪質な手法です。相手が既婚者であると知らず、かつ「知らなかったことに過失がない」と認められる場合、被害者側が相手の配偶者から慰謝料を請求されるリスクは極めて低くなります。

相手の配偶者から不当な請求を受けた場合

もし、既婚者であることを隠していた相手の配偶者から「夫(妻)を誘惑した」として高額な慰謝料を請求された場合、決して一人で抱え込まないでください。

被害者側が「独身であると信じ込まされていた」という事実は、不法行為の成立を左右する重要な要素です。そのような状況でお困りの場合は、以下の対応を迅速に行うことが求められます。

  • 相手が独身であると偽っていた証拠(LINEのやり取り、制服写真、偽の経歴が書かれたメールなど)をすべて保存する
  • 相手の配偶者に対して、自身もまた被害者であることを主張する書面を準備する
  • 不当な請求に対しては、法的な根拠を持って冷静に反論を行う

パイロットや医師などの職業を偽るケースは、計画的かつ悪質な騙し手口の典型です。もし同様のトラブルに巻き込まれ、精神的・金銭的な被害でお悩みであれば、泣き寝入りせずに早い段階で法的リスクや証拠の保全方法について弁護士等の専門家に相談することをご検討ください。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

TOP