交際相手が独身であると偽っていただけでなく、学歴や職歴といった経歴まで詐称していたというケースでは、被害者の方が受ける精神的苦痛は計り知れません。本日は、こうした「すべてが虚偽であった場合」の法的対応について解説いたします。
経歴詐称は「貞操権侵害」を補強する要素となる
独身偽装による交際・性交渉は、判例上、被害者の「貞操権(性的自己決定権)」を侵害する不法行為として認められるケースが多くあります。
もし相手が学歴や職歴を偽っていた場合、それは単なる嘘の範疇を超え、被害者が「その相手と将来を築くかどうか」を判断するための重要な情報を奪ったことになります。つまり、被害者が本来持っていた「結婚を選択する権利」を、偽りの情報で妨害したとみなされる可能性があるのです。
相手の妻から不当な請求を受けた場合
こうした経歴偽装を行う人物は、往々にして家庭内でもトラブルを抱えているか、あるいは自己顕示欲が極めて強い傾向にあります。もし、相手の妻から「夫を誘惑した」などとして慰謝料を請求されるような事態になった場合、冷静に対処しなければなりません。
以下の点を確認しておくことが重要です。
- 相手が独身であると信じ込ませるために、どのような工作(独身証明書の偽造や偽の生活環境の提示など)を行っていたか。
- 相手が経歴を偽ることで、あなたをどのように支配・誘導していたか。
- 相手とのやり取り(LINE、メール、録音など)の証拠は揃っているか。
これらの証拠を整理することで、あなたが「相手の配偶者の存在を知り得なかったこと」および「相手の積極的な欺罔行為(騙す行為)によって被害を受けたこと」を立証します。
まとめ:虚偽に満ちた交際関係における法的対応
経歴や婚姻状況など、すべてが虚偽であった場合、それは「結婚を餌にした悪質な詐欺的行為」として、慰謝料請求の額にも影響を与える重要な要素となり得ます。
真実を知った時のショックは非常に大きなものですが、客観的な証拠を揃えて法的に戦うことで、相手の責任を追及することは十分に可能です。一人で抱え込まず、まずは相手とのやり取りや事実関係を時系列で整理することから始めましょう。