独身を装った既婚男性との交際が発覚し、相手方と示談書を作成したものの、期日になっても示談金が支払われないというケースは決して珍しくありません。今回は、公正証書を活用して相手方の銀行口座を差し押さえ、示談金の満額回収に成功した事例を解説します。
示談金不払いへの対処法:強制執行という選択肢
示談書を交わした際、その書面を「公正証書」にしておくことは極めて重要です。単なる私文書の示談書とは異なり、公正証書には「強制執行認諾文言」を付与することができます。これにより、裁判で勝訴判決を得るという長いプロセスを省略し、即座に相手の財産を差し押さえる法的権利が得られます。
今回のケースでは、ご相談者様が事前に私どもと連携し、相手方と「支払いが滞った場合には直ちに強制執行を受けても異議を申し立てない」旨の公正証書を作成していました。期日を過ぎても入金が確認されなかったため、直ちに以下の対応を行いました。
- 相手方の勤務先や利用している主要な銀行口座の特定
- 債務名義(公正証書)に基づいた債権差押命令の申し立て
- 裁判所を介した銀行口座の凍結および取立て手続き
これらの手続きを迅速に進めた結果、相手方は支払いを拒否し続けることができなくなり、結果として示談金の満額回収を完了しました。
専門家のアドバイス:泣き寝入りを避けるために
独身偽装交際や不貞問題に直面した際、感情的になってしまい、口約束や曖昧な示談書で済ませてしまう方が多く見受けられます。しかし、相手が経済的に追い詰められたり、支払いを渋ったりした場合、法的な裏付けのない約束は無力です。
「示談金が支払われないトラブルにおいて、最も重要なのは『事前の準備』です。特に相手が既婚者であることを隠していた場合、誠実な対応を期待するのは難しいケースが多々あります。公正証書の作成は、将来の不払いリスクに対する最大の防衛策となります。」
まとめ:泣き寝入りせず法的手段で確実な回収を
独身を装った既婚者による示談金の不払いは、泣き寝入りする必要はありません。公正証書を用いた強制執行の手続きを適切に踏むことで、相手の銀行口座を凍結し、未払い金を回収することは十分に可能です。
もし現在、示談の交渉中である、あるいは既に示談書があるものの支払いが滞っているという状況であれば、早急に専門家へ相談することをお勧めします。強制執行手続きには専門的な知識が必要であり、財産特定を含めた迅速な対応が回収の成否を分ける鍵となります。