一問一答・よくある質問Q&A

不倫相手が「自分は病気で入院するから示談協議を半年中断して」と言ったら?

大阪弁護士会所属 弁護士 井上正人 監修

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、民法第709条(不法行為)、第719条(共同不法行為)、第770条(離婚原因)の規定および多数の不倫・浮気慰謝料請求・減額交渉の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 不倫相手から「病気で入院するから示談協議を半年中断して」と言われた場合、そのまま待っても大丈夫ですか?
A 【法的な結論】安易に協議を中断してはならず、時効完成の引き延ばしや証拠隠滅、踏み倒しを狙った時間稼ぎである可能性が高いため、予定通りの回答と着金を毅然と求めるべきです。病気療養中であっても弁護士を通じた書面やメールによる交渉は十分に可能です。
【弁護士介入のメリット】相手に主導権を握らせず、消滅時効の進行を防ぐための内容証明郵便の送付や、財産隠し対策を含めた迅速な示談書締結を強行できます。減額や支払い逃れを防ぎ、適正な慰謝料(一般相場100万〜300万円)を確実に回収するために今すぐ弁護士へご相談ください。

不倫相手からの「入院による協議中断の申し出」に潜むリスク

不倫の慰謝料を請求された相手から、「現在、体調を崩して入院することになった。精神的にも肉体的にも余裕がないため、示談協議を半年ほど中断してほしい」と言われるケースがあります。

一見すると、相手が病気であるならば「少し待ってあげた方がよいのだろうか」と情けをかけてしまうかもしれません。しかし、法律実務の現場において、この「半年の中断」という要求には非常に大きなリスクが潜んでいます。

相手の言葉をそのまま信じて連絡を絶ってしまうと、以下のような不利益を被る恐れがあります。

  • 慰謝料請求権の時効(消滅時効)が進行し、最悪の場合は請求できなくなる
  • 連絡が途絶えた隙に財産を隠されたり、引っ越しをされて行方不明になる
  • 「話し合いが中断していた=請求を猶予されていた」と主張され、その後の交渉が難航する
  • 単なる時間稼ぎに使われ、結局は支払いを踏み倒される

このように、相手の「病気」「入院」というプライベートな事情を理由にした無期限・長期の協議中断の申し出は、そのまま鵜呑みにしてはいけない危険なサインであると認識する必要があります。

病気や入院を理由にした引き延ばしが多発する理由

なぜ、不倫相手は「入院」などを口実にして示談協議を先延ばしにしようとするのでしょうか。そこには、慰謝料請求から逃れたいという心理が働いています。

主な理由は以下の3点に集約されます。

  • 現実逃避とプレッシャーからの解放: 慰謝料を支払うという現実に向き合うストレスから一時的に逃れたいという心理があります。
  • お金の工面からの逃走: 実際にまとまったお金を用意できておらず、時間稼ぎをしてその場しのぎをしようとしています。
  • 配偶者への発覚や周囲への体面を気にする時間稼ぎ: 家族や職場に不倫がバレないように水面下でごまかすための時間を作ろうとします。

特に、口頭や個人的なメッセージアプリだけでやり取りをしている場合、相手がこのような都合の良い口実を使うのは容易です。「入院している」「手術を控えている」と言われてしまうと、請求する側としては「今は連絡を控えた方がいいのでは」と遠慮してしまう心理的隙を、相手は巧みに突いてくるのです。

入院中でも弁護士を通じた交渉ならスムーズに進められる

不倫相手が「入院するから」と主張した際、最も効果的な反論は「入院と示談協議の進行は両立できる」という点を毅然と伝えることです。

仮に、相手が本当に重い病気や怪我で入院しているとしましょう。しかし、現代の示談交渉の大部分は、書面、メール、あるいは代理人弁護士を通じた連絡によって行われます。

本人自身がベッドの上で直接出歩く必要はなく、スマートフォンやパソコン、あるいは病院からの郵送物を通じて、弁護士と連絡を取り合うことは十分に可能です。

もし相手がすでに弁護士を代理人に立てているのであれば、なおさら本人の体調不良は交渉中断の理由になり得ません。なぜなら、交渉の窓口は相手本人ではなく代理人弁護士だからです。本人が入院していようとも、代理人弁護士が実務的な手続きを進めることは何ら問題なくできるからです。

「入院中であっても、弁護士同士(または書面)での協議であれば負担なく進められるはずです。したがって、予定通りの期日までに回答書の提出および慰謝料の支払いを求めます」と伝えることが、正当かつ強力な対応となります。

協議中断を要求されたときの具体的な対処法

実際に不倫相手から「半年間の中断」を求められた場合、どのように対応すべきか、具体的なステップを解説します。

1. 安易な「了承」の返事をしない

メッセージアプリなどで「分かりました、では体調が良くなるまで半年待ちます」と返信してしまうと、それが「合意」とみなされ、のちの法的手続きにおいて不利に働く可能性があります。まずは既読スルーをするか、「検討します」とだけ伝えて即答を避けましょう。

2. 診断書などの客観的な証拠を求める

もし本当に治療が必要なほどの重病であると主張するのであれば、それを証明する医師の診断書や入院証明書の提示を求めることが有効です。正当な理由であれば提示できるはずですが、嘘や時間稼ぎであれば、このような証明書を出せないまま連絡が途絶えることが少なくありません。

3. 時効中断(更新)の措置を講じる

慰謝料請求権には時効があります(不倫を知った日から原則3年など)。もし協議の長期化が予想される、あるいは相手に待たされるリスクがある場合は、時効の完成を猶予・更新するための法的手続き(催告や裁判上の請求など)を早急に行う必要があります。

4. 弁護士に交渉を委任する

ご自身だけで相手と直接やり取りをしていると、「入院していると言われたら強く出られない」「丸め込まれてしまいそうになる」といった心理的な負担が大きくなります。夕陽ヶ丘法律事務所のような男女トラブル・慰謝料請求に強い弁護士に代理人を依頼することで、相手の言い訳を一切許さず、法的な根拠に基づいたスピーディーな交渉を進めることが可能です。

まとめ:相手のペースに乗らず、毅然とした態度で早期解決を

不倫相手が口にする「病気での入院」「協議の半年中断」という言葉は、多くの場合、支払いを免れたい、あるいは引き延ばしたいがための口実にすぎません。

ここで相手のペースに合わせてしまうと、気づいたときには時効が迫っていたり、連絡が取れなくなったりと、泣き寝入りせざるを得ない状況に追い込まれかねません。

入院中であっても交渉を進める手段は十分に存在します。相手の甘い言葉や同情を誘う言い訳に惑わされず、予定通りの回答と着金を毅然と要求しましょう。もし相手とのやり取りに不安がある場合は、一人で抱え込まず、早めに弁護士までご相談ください。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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