【適正な財産分与の実現と弁護士相談のメリット】特定した金融資産は婚姻期間中の共有財産として適正な評価額を算出し、適正な財産分与額を請求できます。財産隠しにお悩みの方は、早期に弁護士へご相談ください。
配偶者の不倫が発覚し、離婚と同時に適正な慰謝料および財産分与を求めようとした際、大きな壁となるのが配偶者による財産の隠蔽です。 特に、現金のように通帳を見るだけでは把握しにくい株式や投資信託、仮想通貨などの金融資産は、意図的に隠されてしまうケースが後を絶ちません。
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所には、「夫(妻)が勝手に口座を作り、株取引で利益を出しているようだが、証券会社すら教えてくれない」といったご相談が数多く寄せられています。
本記事では、弁護士の職権を活用して隠し財産を暴き、財産分与額を適正に引き上げた具体的な実例をベースに、法的解決のステップを詳しく解説します。
1. 不倫・離婚時に多い財産隠しの手口とは
夫婦が婚姻期間中に築き上げた財産は、原則として「共有財産」となり、離婚時には2分の1の割合で財産分与の対象となります。しかし、有責配偶者(不倫をした側)心理として、「不倫相手との新しい生活資金を残したい」「浮気相手への慰謝料や貢いだ金を正当化したい」という動機から、以下のような巧妙な財産隠しを行うことがあります。
- 証券口座・NISA口座の秘匿:配偶者名義であっても、結婚後に開設された証券口座の存在自体を隠す。
- 勤務先を通じた財形貯蓄や持ち株会の隠蔽:社内積立や持株会制度を利用し、給与明細の細かい項目から気づかれにくいようにする。
- 親族名義への資金移動(名義預金・名義株):実父や兄弟の名義で口座を開設し、実質的な資産を移転させる。
- 生命保険の解約返戻金の隠し持分:高額な積立型保険を秘密裏に契約し、その存在を告げない。
特に株式や投資信託は、株価の変動があるため正確な価値が分かりにくく、配偶者が「大した価値はない」「自分の小遣いでやったものだ」と嘘をつき通そうとするケースが目立ちます。
2. 泣き寝入り厳禁!弁護士会照会(23条照会)の強力な効力
「配偶者が通帳や証券会社のログインIDを見せてくれない」「財産目録の提出を求めても無視される」という場合でも、個人で調査できる範囲には限界があります。ここで極めて有効な武器となるのが、弁護士法第23条に基づく照会制度(弁護士会照会)です。
弁護士会照会とは、事件を受任した弁護士が所属する弁護士会を通じて、官公庁や企業、金融機関などに対して必要な情報の開示を求める制度です。
証券会社や信託銀行に対する照会の仕組み
夫(または妻)の怪しい言動や、過去の郵便物、クレジットカードの明細などから「特定の証券会社やネット銀行に口座を持っている可能性が高い」という手がかりが得られた場合、弁護士会を通じてその金融機関へ照会をかけます。
金融機関は、正当な理由なく回答を拒むことはできず、以下のような重要情報が明らかになります。
- 過去および現在の口座保有の有無
- 照会時点における株式、債券、投資信託の残高と評価額
- 過去の取引履歴(財産隠し目的での直前の出金や他口座への移転がないか)
この照会手続きを経ることで、配偶者がどれほど巧妙に資産を隠蔽していても、客観的な証拠として裁判所に提出できる資料を確保することが可能になります。
3. 【解決事例】証券会社の照会で隠し投資信託を暴き、分与額を倍増させたケース
当事務所で実際に取り扱った、株式・投資信託の隠蔽を暴いて適正な財産分与を勝ち取った事例をご紹介します。
相談者の状況と課題
- 依頼者:専業主婦のAさん(40代)
- 相手方:会社員の夫(40代)
- 経緯:夫の不倫が発覚し、離婚を切り出したところ、夫は「貯金などほとんどない。退職金も見込めない」と主張し、わずか数十万円の財産分与と低額な慰謝料を提示して早期解決を迫ってきた。
- 不審点:Aさんは夫の書斎の引き出しから、大手ネット証券会社からの「取引報告書」の古い控え(数年前のもの)を発見。夫は「とっくに解約した」と言い張っていたが、Aさんは納得がいかず当事務所に来所。
弁護士の対応プロセス
ステップ1:財産開示の催告と証拠固め 受任後、弁護士名義で夫側に対し、全金融資産の開示を正式に要求しました。しかし、夫側は「開示する資産はない」と回答を拒絶し続けたため、直ちに裁判所を通じた手続きおよび弁護士会照会の準備に移行しました。
ステップ2:複数の金融機関への弁護士会照会を実施 Aさんが発見した古い取引報告書の証券会社に加え、主要なメガバンク、ネット証券、地方銀行など数社に対し、弁護士会照会を発送しました。
ステップ3:隠し投資信託の全貌が判明 照会の結果、夫はAさんが存在すら知らなかった約1,500万円相当の外国株およびインデックスファンド(投資信託)をネット証券の別口座で保有していることが判明しました。しかも、その口座は不倫が発覚した直後に一部が売却され、別の個人口座へ資金移動が試みられていた形跡(財産隠しの意図)も明確に記録されていました。
最終的な結果
判明した隠し投資信託および株式の評価額を夫婦の共有財産に組み込み、さらに不倫に対する慰謝料請求も併せて交渉を行いました。 結果として、当初夫側が主張していた金額の約3倍近い財産分与(約750万円)を獲得することに成功し、無事に離婚が成立しました。夫側は弁護士会照会によって動かぬ証拠を突きつけられたことで、最終的に裁判を回避せざるを得なくなり、和解による早期解決となりました。
4. 財産分与を有利に進めるために、今すぐ準備すべきこと
配偶者の不倫に直面し、離婚や財産分与を検討している方は、相手が財産を処分・隠蔽する前に、できる限りの証拠を確保しておくことが極めて重要です。以下の行動を意識してください。
- 証拠資料の確保・保全:通帳のコピー、証券会社や銀行からの郵送物(お知らせ、ログインID通知、取引残高報告書など)、生命保険の証券などは、写真に撮るなどして控えを残しておく。
- 財産リストの作成:婚姻期間中に取得したマイホーム、自動車、預貯金、保険、株や投資信託について、分かる範囲でリストアップする。
- 安易な口頭での合意をしない:相手が「財産はない」「これで全部だ」と言ってきても、それを真に受けてサインしない。
株式や投資信託などの金融資産は、専門的な知識と法的な調査権がなければ一般の方が見つけ出すことは極めて困難です。「もしかしたら他にも隠している資産があるのではないか」と少しでも不審に感じた場合は、泣き寝入りする前に、離婚・財産分与の実績が豊富な弁護士へご相談ください。
弁護士法人公的な相談窓口や弁護士会等では、依頼者様の正当な権利を守るため、徹底した財産調査と粘り強い交渉で最善の解決をサポートいたします。初回相談はお気軽にお問い合わせください。