属性・シチュエーション別解決

不倫相手が「配偶者のSNSアカウントをブロックして隠れていた」時

大阪弁護士会所属 弁護士 井上正人 監修

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、民法第709条(不法行為)、第719条(共同不法行為)、第770条(離婚原因)の規定および多数の不倫・浮気慰謝料請求・減額交渉の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 不倫相手にSNSをブロックされ、連絡先や本名が分からない場合でも慰謝料請求はできますか?
A 【弁護士会照会や発信者情報開示請求を活用した特定と請求】SNSをブロックされても慰謝料請求の権利が消えることはありません。ブロック前に残されたトーク画面のスクリーンショットや相手のID、URLなどの証拠を保全した上で、弁護士会照会(183条照会)やプロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求を利用すれば、相手の本名や現住所を特定し、法的責任を追及することが可能です。
【弁護士の介入による証拠保全と確実な示談交渉】相手が逃げ隠れしている状況で自力探偵のような調査を行うのは困難かつリスクが伴います。早い段階で弁護士に依頼することで、適切な証拠保全や法的手続きを用いた相手の特定、さらには精神的苦痛に見合った慰謝料の獲得(相場100万〜300万円)をスムーズに進め、示談書締結まで安全に解決に導くことができます。

配偶者の不倫が発覚し、いざ相手に慰謝料を請求しようと連絡を取ろうとしたところ、すでにSNSのアカウントをブロックされ、連絡手段を断たれてしまうケースが後を絶ちません。

「アカウントを消して逃げられてしまった」「ブロックされたせいで相手の本名や連絡先が分からない」と、途方に暮れてしまう方も少なくありません。

しかし、SNSでブロックされたからといって、不倫の事実や慰謝料請求の権利が消えるわけではありません

本記事では、不倫相手がSNSでブロックして逃げ隠れした際のとるべき初期対応、証拠の保全方法、そして弁護士を活用した相手の特定と慰謝料請求の手法について詳しく解説します。


1. SNSをブロックされたときに最初に確認すべきこと

不倫相手が自身の保身のためにアカウントをブロックしたり、非公開(鍵アカ)にしたり、アカウント自体を削除したりすることは、法律実務において頻繁に見られる現象です。

相手がどのような手段をとったとしても、冷静に現状を把握し、残された情報を整理することが解決への第一歩となります。

  • 相手が使っていたアカウントのIDやプロフィールURLが残っているか
  • これまでのトーク履歴や写真、コメントのやり取りが手元にあるか
  • 共通の知人や、相手の勤務先、実家などの手がかりがないか

特に、SNSの画面上で相手のアイコンやIDが変わっていたとしても、過去のURLやログが端末に残っていれば、後の調査において重要な足がかりとなります。


2. ブロックされる前に!決定的な証拠を死守する重要性

不倫の慰謝料請求において最も重要なのは、「不貞行為(肉体関係)を推認させる、または立証できる客観的な証拠」です。

もし現在、相手があなたや配偶者のアカウントをブロックし始めていたとしても、これまでに交わしたメッセージの中に決定的な文面が含まれている可能性があります。

確実に行うべき証拠保存の手順

  • トーク画面の全体撮影(スクショ): 日時が分かるように、スクロールしながら連続してスクリーンショットを撮影します。単なる抜粋ではなく、前後の文脈が分かる状態を維持してください。
  • 動画による画面キャプチャ: スクリーンショットの枚数が膨大になる場合や、消去のリスクが高い場合は、別の端末や機能を使って画面の動きを動画で撮影するのも有効です。
  • データのバックアップ: 可能であれば、トーク履歴のエクスポート機能などを用いて、外部ファイルとしてデータを保存しておきましょう。

相手がブロックしたからといって、あなたの端末に残っている履歴が自動的に消えるわけではありません(※相手側がメッセージ送信取消機能等を使って消去していない場合に限ります)。焦ってアプリ自体をアンインストールしたりせず、そのままの状態で保存を徹底してください。


3. 本名や連絡先が分からない!相手を特定して追い詰める方法

「名前はニックネームしか知らない」「LINEやInstagramのIDしか分からない」という状態であっても、慰謝料請求を諦める必要はありません。法的な手続きを踏むことで、相手の身元を特定することが可能です。

弁護士会照会(23条照会)の活用

弁護士法に基づく「弁護士会照会」という手続を利用することで、携帯電話会社やプロバイダ、あるいはSNSの運営会社などに対し、必要な情報の開示を求めることができます。 例えば、相手のメールアドレスや電話番号の一部、あるいは通信記録などの手がかりがある場合、これをもとに契約者情報にたどり着ける可能性があります。

発信者情報開示請求

SNSやインターネット上のメッセージ機能を介してやり取りが行われていた場合、プロバイダ責任制限法に基づく「発信者情報開示請求」を行い、IPアドレスや通信記録をたどることで、相手の氏名や住所を特定できるケースがあります。

探偵・調査会社との連携

どうしても相手の勤務先や現在の居場所が判明しない場合、法的手段に入る前の段階として、信頼できる探偵事務所に依頼して素行調査や身元特定を行うことも有効な選択肢です。


4. 逃げ得は許さない!弁護士に依頼するメリット

「連絡先をブロックされた」「音信不通になった」という状況に直面したとき、ご本人だけで相手を追いかけようとすると、多大な精神的ストレスがかかるだけでなく、証拠隠滅の時間を与えてしまうリスクがあります。

弁護士に早い段階で依頼することで、以下のような強力なサポートを受けることができます。

  • 相手への心理的プレッシャー: 個人からの連絡には無視を決め込んでいた相手も、弁護士名義で通知書が届くことで、事態の重大性を認識し、連絡をせざるを得なくなります。
  • 法的な調査権限の行使: 前述の弁護士会照会などを用い、個人ではアクセスできないルートから相手の特定を進めることができます。
  • 直接交渉の回避: 感情的な対立を避け、弁護士が代理人として交渉や示談金の回収まで一貫して行います。

まとめ

不倫相手がSNSのアカウントをブロックして隠れようとする行為は、自分自身の責任から逃れようとする身勝手な防衛策にすぎません。

ブロックされたという事実だけで、慰謝料請求の権利が失われることは決してありません。むしろ、そうした不誠実な対応は、裁判等においても相手の悪質性を裏付ける要素となり得ます。

大切なのは、これまでのやり取りの証拠をしっかりと手元に残し、一刻も早く専門家である弁護士に相談することです。

公的な相談窓口や弁護士会等では、音信不通になった相手や、連絡先が分からない相手に対する慰謝料請求の実績を多数持っています。一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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