昭和47年以前に大工をしていました。建設アスベスト給付金はもらえますか?

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、建設アスベスト給付金法、泉南アスベスト国賠訴訟判例、労災保険・石綿救済法および厚生労働省の最新認定基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 昭和47年以前に大工として働いていてアスベストを吸い込んだ場合、建設アスベスト給付金はもらえないのでしょうか?
A 【昭和47年以前の作業と補償の可能性】国の建設アスベスト給付金制度の対象期間は昭和47年10月1日以降ですが、それ以前の期間であっても労災保険の受給資格を満たしていれば、最大1,300万円の給付金や石綿健康被害救済法の対象となるほか、アスベスト製品を製造していた建材メーカーに対する損害賠償請求を行うことで補償を受けられる可能性が十分にあります。
【早期の弁護士相談と証拠確保の重要性】古い時代の作業歴やカルテの調査、メーカー訴訟の提起には専門的な法知識と迅速な証拠収集が不可欠です。死亡後20年の除斥期間という時効の壁もあるため、まずは建設アスベスト問題に精通した法律事務所の無料診断を利用し、ご自身のケースでどのような救済ルートが最適か確認することをおすすめします。

昭和47年以前の大工仕事とアスベスト被害

建築現場で長年大工として働いてこられた方にとって、アスベスト(石綿)は切っても切れない問題です。断熱材や耐火材、天井や壁の成形板など、かつての建築現場では多くの石綿含有建材が使用されていました。

のこぎりでの切断や、釘打ち、内装の解体作業などの際、周囲に舞い散る粉じんを日常的に吸い込んでしまった方は少なくありません。

しかし、ニュースや広告などで「建設アスベスト給付金」という言葉を耳にした際、「私は昭和47年以前から大工をしていたけれど、対象になるのだろうか」と不安に感じている方が多くいらっしゃいます。

結論からお伝えすると、国の給付金制度の要件に合致しない時期があったとしても、別の法的手続きや補償制度を利用して金銭的救済を受けられる可能性があります。本記事では、昭和47年以前に大工として働いていた方が活用できる救済の仕組みについて、法律の専門家の視点から詳しく解説します。

国の建設アスベスト給付金制度の仕組みと対象期間

まずは、国が責任を認めて支給している「建設アスベスト給付金」のルールについて正確に把握しておきましょう。

国に対する給付金は、最高法院(最高裁判所)の判決を受けて制定された「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」に基づいて支払われます。この法律で定められた給付金の対象要件は以下の通りです。

  • 昭和42年(1967年)10月1日から昭和56年(1981年)9月30日までの間に、一定の屋内作業場でアスベストにさらされる作業に従事したこと
  • 石綿肺、肺がん、中皮腫などの指定された健康被害を発症していること
  • 国に対する損害賠償請求権の時効(原則として発症から20年など)が完成していないこと

ここで重要となるのが、国が責任を負う期間の始点です。法律上、国が規制権限を行使すべきであったとされる時期は昭和47年(1972年)10月1日以降とされています。

そのため、もしあなたが「昭和47年9月30日以前」のみ大工として働いており、それ以降は全く建築作業に関わっていないという場合、厳密には国の建設アスベスト給付金の直接の受給対象からは外れてしまうことになります。

昭和47年以前の作業でも諦めなくてよい理由

「それでは、昭和47年以前に大工として被った健康被害への補償は一切もらえないのか」というと、決してそんなことはありません。ここが最も誤解されやすいポイントです。

昭和47年以前の作業歴がある方であっても、以下の制度を活用することで、補償や給付金を受け取れる道が残されています。

1. 昭和47年以降の作業歴との通算

多くの大工職人の方は、昭和47年よりも前から働き始め、その後も平成に入ってからや現代に至るまで長く現場に立ち続けています。

もしご自身の作業キャリアの中に、昭和47年10月1日以降の期間が含まれているのであれば、その期間を根拠として国の建設アスベスト給付金を請求できる可能性があります。昭和47年以前の古い時代の作業も、全体的な就労歴の一部として評価されるためです。

2. 労災保険の給付(時効の特例)

労災保険は、アスベストによる病気(中皮腫や肺がんなど)が業務上の理由で発症したと認められた場合に支給されます。

労働基準監督署への労災申請において、いつから働き始めたかという点は問題になりますが、「アスベストによる病気の発症」や「医師の診断」から一定期間内であれば、過去のどの時期に吸い込んだものであっても労災補償の対象となります。

昭和47年以前にのみ従事していた方であっても、カルタ(労災の認定基準)に適合する作業環境であれば、療養補償給付や休業補償給付、遺族補償給付などの支給を受ける権利があります。

3. 建材メーカーに対する損害賠償請求(メーカー訴訟)

ここが最も重要なポイントです。国の給付金制度とは異なり、アスベスト含有建材を製造・販売していたメーカーに対する損害賠償請求には、昭和47年以前という制限がありません。

最高裁判所の判決では、石綿を製造していたメーカーに対しても、危険性を警告表示する義務を怠ったとして共同不法責任が認められています。

昭和47年以前であっても、「どのようなメーカーの、どの製品を取り扱っていたか」が特定できる場合、あるいは当時の作業状況や建材の流通状況から責任追及が可能な場合、建材メーカーに対して損害賠償金を請求できる権利があります。

国からの給付金が出ないケースであっても、メーカーからの賠償金によって十分な救済が受けられるケースは数多く存在します。

大工特有の作業環境とカルテ・証拠の集め方

昭和47年以前の大工仕事は、現代ほど防塵マスクや保護具の着用が徹底されておらず、非常に濃い石綿粉じんにさらされていたケースが多く見受けられます。

しかし、古い時代のことであり、「当時の会社の記録が残っていない」「自分が使っていた建材のメーカーなんて覚えていない」と不安に思われる方も少なくありません。

法律事務所を通じて請求手続きを進める場合、以下のような材料をもとに証明を行っていきます。

  • 年金事務所から取得する「厚生年金被保険者記録」(当時の勤務先や在籍期間の証明)
  • 確定申告書や源泉徴収票などの税務関係書類
  • 当時の同僚や元請け業者、親方からの証言(陳述書)
  • お持ちであれば当時の作業日報、手帳、写真など
  • 病院の診断書や病理結果(カルテ)

「証拠が十分に揃っているか分からない」という段階であっても、専門の弁護士がヒアリングを行うことで、見落とされていた証拠を発見できることが多々あります。ご自身で諦めてしまう前に、まずはご相談いただくことをお勧めいたします。

アスベスト被害で診断を受けたらすぐに行うべきこと

もし、ご本人またはご家族が、肺がん、中皮腫、石綿肺などの診断を受けられた場合、時間との戦いになるケースがあります。

アスベストに関連する病気は進行が早いものも多く、また、国やメーカーに対する請求には法律上の期限(除斥期間や消滅時効)が定められているためです。

  1. まずは主治医に「アスベスト(石綿)によるものか」を確認し、診断書を発行してもらう
  2. 過去の職歴(いつ、どこで、どのような作業をしたか)をノートなどにメモしておく
  3. アスベスト被害の救済実績が豊富な弁護士法人に相談する

夕陽ヶ丘法律事務所では、昭和47年以前の古い大工仕事に関するご相談や、どの制度が利用できるかの調査を無料で行っております。

昭和47年以前の大工経験がある方は夕陽ヶ丘法律事務所にご相談ください

「昭和47年以前に大工をしていたから給付金はもらえないだろう」と、請求を諦めてしまうのは大変もったいないことです。

前述の通り、昭和47年以前の作業であっても、その後の作業歴との通算、労災保険の適用、そして何よりも建材メーカーに対する損害賠償請求という強力な法的手続きによって、正当な補償を受けられる可能性が残されています。

夕陽ヶ丘法律事務所には、建設アスベスト問題やメーカー訴訟に精通した弁護士が多数在籍しております。ご相談者様一人ひとりの職歴や健康状態を丁寧にヒアリングし、最も適した救済の道をご提案いたします。

初回のご相談は無料となっております。お電話やメール、オンラインにてお気軽にお問い合わせください。あなたの権利と生活を守るため、私たちが全力でサポートいたします。

⚠️ 【新規ご相談受付一時停止のお知らせとお詫び】

現在、相談枠の上限に達しているため、当事務所におけるアスベスト(石綿)健康被害給付金・賠償金請求に関する新規個別相談の受付を一時停止しております。ご不便をおかけし誠に申し訳ございません。

【主な公的相談窓口・専門機関】
  • 独立行政法人 環境再生保全機構(石綿健康被害救済制度):
    0120-389-931(平日 10:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 厚生労働省 労災保険相談ダイヤル(建設アスベスト給付金等):
    0570-006031(月〜金 8:30〜17:15 / ※申請はお近くの労働基準監督署へ)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 全国の弁護士会 法律相談センター: 全国の弁護士会にて各種法律相談が開設されています。
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