【証拠収集と弁護士相談の重要性】当時の作業実態を示す雇用証明やカルテの確保が重要となります。損害賠償請求には時効(除斥期間)があるため、早めに専門の弁護士へご相談し、速やかに救済手続きを進めることを強くおすすめします。
昭和期の大規模輸送を支えた名車とアスベスト被害
高度経済成長期から昭和の終わりにかけて、日本の物流や建設現場の主役として日本全国を駆け抜けたのが、日野自動車の「KB」「KF」シリーズや、いすゞ自動車の「ニューパワー」といった旧型大型トラックです。
これらの商用車は、当時の過酷な長距離輸送や重荷重に耐えるため、極めて高い耐久性が求められました。そして、その制動装置であるブレーキシステムには、耐熱性と摩擦性能に優れたアスベスト(石綿)含有部品が標準的に使用されていたのです。
当時の整備工場や運送会社の修理工場では、これら大型トラックのメンテナンスが日常的に行われていました。しかし、当時はアスベストの有害性に対する認識が十分に浸透しておらず、防じんマスクを着用せずに作業を行うことが一般的でした。そのため、多くの整備士や関係者が知らず知らずのうちに高濃度のアスベスト粉じんにさらされてきました。
日野KB/KF・いすゞニューパワー等のブレーキ整備とばく露実態
旧型大型トラックのブレーキシステムは、その車体の重さと積載量の大きさから、乗用車とは比較にならないほど巨大なドラムブレーキを採用していました。このブレーキ内部の「ブレーキライニング」や「クラッチフェーシング」には、その大部分にアスベストが含有されていました。
整備現場において、アスベストを大量に吸い込む原因となった代表的な作業には、以下のようなものがあります。
- ライニングの交換時における、シュー表面の削り出しや面取り加工
- 摩耗した粉じんが蓄積したブレーキドラム内部の清掃作業
- コンプレッサーを用いたエアブロー(圧縮空気による粉じんの吹き飛ばし)作業
- 古くなったライニングをリベットから取り外す際の打刻・剥離作業
特に、エアブローによる清掃作業は最も危険でした。肉眼では見えない微細なアスベスト粉じんが空気中に舞い上がり、工場内全体に拡散したため、作業者本人だけでなく、周囲で別の作業を行っていた同僚や管理者までもが間接的に粉じんにさらされる結果となりました。
対象となる車種と当時の整備環境
日野自動車のKB型やKF型、いすゞ自動車のニューパワーシリーズのほかにも、三菱ふそうのTシリーズやUDトラックス(旧日産ディーゼル)の大型トラックなど、昭和の時代に製造・稼働していた多くの商用車で同様の構造が採用されていました。
当時、トラックの整備を行っていた場所は、自動車整備工場、運送会社の自社整備部門、バス・トラックのディーラー、さらには建設会社の車両維持部門など多岐にわたります。
なお、自動車整備士におけるアスベスト被害は、建設アスベスト給付金法や泉南型等の工場労働者を対象とした国家賠償請求訴訟の直接的な対象とはなりません。これらは通常の労災保険給付や石綿健康被害救済法の対象となるほか、アスベスト製品を製造・販売していたメーカー等に対する個別損害賠償請求の検討が必要となります。
労災補償・救済法およびメーカーへの損害賠償請求
旧型大型トラックの整備作業などが原因で、中皮腫や肺がん、石綿肺などのアスベスト関連疾患を発症された場合、法律に基づく正当な補償を受け取る権利があります。
手続きの大きな柱として、労働基準監督署に対する労災保険給付の申請や、環境大臣認定を受ける石綿健康被害救済法に基づく給付、さらにはブレーキ等のアスベスト含有部品を製造していたメーカーに対する損害賠償請求が存在します。
法的な請求や給付申請を行うためには、以下のような客観的な証拠や経歴の証明が重要となります。
- 当時の作業従事歴を証明する雇用契約書、源泉徴収票、健康保険証
- 整備工場での勤務実態や、日野KB、いすゞニューパワー等の具体的な車種名に関する記憶・記録
- 病院での正確な診断書および病理診断結果
- 労災認定の有無(※労災認定を受けていない場合でも石綿救済法の申請等は可能です)
これらの立証資料を個人ですべて収集し、複雑な法的書類を作成することは、ご本人やご家族にとって大きな負担となります。
夕陽ヶ丘法律事務所にご相談ください
夕陽ヶ丘法律事務所では、アスベストによる健康被害に苦しむ方々やそのご遺族をサポートするため、専門的な法的手続きの代行を行っております。
「自分が乗っていた、あるいは整備していたトラックが該当するか分からない」「当時の資料がほとんど残っていないけれど請求できるだろうか」といった疑問や不安をお持ちの方も、どうぞご安心ください。豊富な受任実績を持つ弁護士が、丁寧にお話を伺い、最適な解決への道筋をご提案いたします。
相談者様のご負担を軽減するため、初回相談は無料で承っております。時効や除斥期間によって請求権利が失われてしまう前に、まずはお気軽に当事務所までお問い合わせください。
⚠️ 【新規ご相談受付一時停止のお知らせとお詫び】
現在、相談枠の上限に達しているため、当事務所におけるアスベスト(石綿)健康被害給付金・賠償金請求に関する新規個別相談の受付を一時停止しております。ご不便をおかけし誠に申し訳ございません。
- 独立行政法人 環境再生保全機構(石綿健康被害救済制度):
0120-389-931(平日 10:00〜17:00 / 通話料無料) - 厚生労働省 労災保険相談ダイヤル(建設アスベスト給付金等):
0570-006031(月〜金 8:30〜17:15 / ※申請はお近くの労働基準監督署へ) - 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
- 全国の弁護士会 法律相談センター: 全国の弁護士会にて各種法律相談が開設されています。
