【代替救済ルート】しかし、諦める必要はありません。通常の労災保険給付や、造船所を運営していた企業に対する損害賠償請求を活用することで、補償を受けられる可能性があります。被災時期や就歴、カルテの確保状況により最適なルートが異なるため、まずはアスベスト問題に精通した弁護士の無料診断をご活用ください。
造船所での内装作業とアスベスト問題の全体像
日本国内の造船所では、かつて船舶の防火や断熱、防音を目的として大量のアスベスト(石綿)が使用されていました。特に船体居住区の壁や天井の張り付け、エンジンルーム周辺の配管保温や耐火被覆などの内装工事に従事していた労働者は、狭く密閉された船内で高濃度のアスベスト粉じんにさらされていました。
近年、建設現場で働いていた方々を対象とした国の給付金制度(建設アスベスト給付金)が広く知られるようになり、造船所で同様の内装作業を行っていた方からも「自分も建設給付金の対象になるのではないか」というご相談が多く寄せられています。
しかし、法律上の制度設計において、造船所での作業は「建設作業」ではなく「造船・船舶修理作業」として扱われるため、建設給付金の支給対象外となります。このルールを知らずに手続きを進めてしまうと、思わぬ時間ロスが生じてしまうため注意が必要です。
なぜ造船所の内装工事は「建設給付金」の対象外となるのか
国が定める建設アスベスト給付金は、特定の屋内建設作業等に従事して石綿にばく露し、中皮腫や肺がんなどの健康被害を被った方を救済するための制度です。ここで重要なのは、対象となる作業が「建築基準法上の建築物」に関するものであるという点です。
船舶は、法律上「動産」および「船舶法」の適用を受けるものであり、固定された「建築物」には該当しません。そのため、造船所のドックや岸壁に係留された船内で行われた以下のような作業は、どれほど内容が大工仕事や内装工事に似ていたとしても、法的な枠組みでは建設工事から除外されてしまいます。
- 船体居住区(クルーの寝室、食堂、操舵室など)の内装木工・ボード貼り作業
- エンジンルーム内における防音材・断熱材の取り付けおよび撤去作業
- 各種パイプ周りの保温材巻き付けや吹き付け作業
- 船内区画の改装に伴う解体・ハツリ作業
このように、建設給付金の要件を満たさないことから、「自分は救済されないのではないか」と落胆される方が少なくありません。しかし、建設給付金がもらえないイコール救済ゼロというわけではありません。適切なルートへ切り替えることで、正当な補償を受け取る道が開けています。
不適用となった場合に検討すべき「労災保険」への移行とメリット
建設給付金の要件に該当しない場合、最も確実で手厚い救済の受け皿となるのが「労働者災害補償保険(労災保険)」の給付請求です。
造船所での内装工事は、造船会社(造船所を経営する企業)や、下請け・孫請けの専門工事業者の雇用労働者として行われるケースがほとんどです。そのため、当時の雇用関係や業務上の石綿ばく露実績を証明できれば、通常の業務上疾病として労災認定を受けることができます。
労災保険が認められた場合、以下のような充実した給付金が支給されます。
- 療養補償給付:治療費や入院費の全額支給
- 休業補償給付:療養のために働くことができず、賃金を受けられない期間の補償
- 障害補償給付:体に障害が残った場合の年金または一時金
- 遺族補償給付:万が一亡くなられた場合、遺族に対して支給される年金や一時金
- 葬祭料:葬儀を行う際に支給される費用
建設給付金が一括金であるのに対し、労災保険は治療の長期化や給与補償、遺族の生活保障など、実態に合わせた手厚い給付を受けられるという大きなメリットがあります。
造船会社に対する損害賠償請求(民事賠償)の可能性
労災保険の給付に加えて、もう一つの重要な選択肢が「造船所を運営していた企業に対する損害賠償請求(民事訴訟・示談交渉)」です。
船舶の建造や修理を行う企業には、労働者が有害なアスベスト粉じんを吸い込まないよう、適切な換気装置を設置したり、防塵マスクを支給・着用させたりする安全配慮義務がありました。しかし、十分な安全対策を怠ったまま作業に従事させた場合、企業側には不法行為責任や債務不履行責任が発生します。
最高裁判所の判例等においても、じん肺やアスベスト被害に関する企業の責任は厳しく問われており、労災認定を受けた後に、企業に対して慰謝料や逸失利益などの損害賠償を請求することは十分に可能です。
時効の問題(損害賠償請求権は原則として損害および加害者を知ったときから5年、または不法行為時から20年)があるため、発症後は速やかに専門的な調査を行うことが重要になります。
造船所での石綿被害:泣き寝入りせずに弁護士へご相談を
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夕陽ヶ丘法律事務所では、アスベストによる健康被害に遭われた方やご遺族を対象に、無料相談を実施しております。造船所という特殊な環境での就労歴であっても、当時の作業状況の聞き取り、雇用関係の立証資料の収集、労災申請のサポートから企業への損害賠償請求まで、一貫して法的支援を行います。
制度の仕組みを知ることで、受けられるはずの補償を諦めずに手に入れることができます。まずはお気軽にお問い合わせください。
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