【注意点と弁護士相談の重要性】死亡後20年の除斥期間(時効)が迫っている場合や、故人の古い就労履歴・カルテの収集が必要な場合、手続きが複雑化します。請求漏れを防ぎ、両方の制度から確実に最大限の給付金を受け取るためには、アスベスト訴訟や労災申請に精通した弁護士への無料相談をおすすめします。
アスベスト(石綿)被害によってご家族を亡くされたご遺族にとって、残された負担や手続きは非常に大きな心的・経済的負担となります。労災保険の手続きを進める中で、「すでに受け取った給付があるけれど、別の制度でお金をもらうと減額されてしまうのではないか」といった疑問や不安を抱える方は少なくありません。
特に、労災保険から支給される「葬祭料(葬祭給付)」と、国から支払われる建設アスベスト給付金の「死亡時給付」について、併給(二重取り)ができるのかどうかは、多くの方が気になるところです。
本記事では、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が、労災の葬祭料と建設給付金の関係性や、併給にあたって注意すべきポイントについて詳しく解説します。
アスベスト被害における給付金制度の全体像
アスベスト関連疾患(中皮腫、肺がん、アスベスト肺、良性石綿胸水など)を発症し、不幸にも亡くなられた場合、ご遺族はいくつかの補償や給付金を受け取ることができます。
主な制度としては、以下のようなものが挙げられます。
- 労働者災害補償保険(労災保険)に基づく遺族補償給付や葬祭料
- 国に対する国家賠償請求訴訟、または和解に基づく給付金(建設アスベスト給付金)
- 建材メーカーに対する損害賠償請求(和解金等)
- 石綿健康被害救済法に基づく遺族救済給付
これらの制度は、それぞれ異なる法律や目的によって成り立っています。そのため、「一つの窓口でもらったから、別の制度ではもらえない」というわけではなく、要件を満たしていれば複数の制度からそれぞれの給付金を受け取ることが原則として認められています。
労災の「葬祭料(葬祭給付)」とは
労災保険における「葬祭料」(労働者災害補償保険法における保険給付の場合は「葬祭給付」と呼ばれます)は、労働者が業務上の事由または通勤により亡くなった場合に、その葬祭(お葬式)を行う人に対して支給されるものです。
葬祭料の支給額
葬祭料の額は、原則として以下のいずれか高い方の金額が支給されます。
- 給付基礎日額の30日分に、給付基礎日額の60日分を加えた額
- 給付基礎日額の最高限度額(年齢等による制限あり)の30日分に相当する額、または給付基礎日額の60日分
具体的には、お葬式を執り行った費用の一部を補填し、ご遺族の経済的負担を和らげる目的で支給される性質を持っています。
建設アスベスト給付金の「死亡時給付」とは
一方、建設アスベスト給付金は、「特定アスベスト被害建設業務労働者等に対する給付金の支給に関する法律」に基づき、国から支給されるものです。
建設現場でアスベストにさらされ、中皮腫や肺がんなどの対象疾病を発症して亡くなった方(またはその遺族)に対し、病状や就労状況に応じた金額が支給されます。
死亡時給付金の性質
建設アスベスト給付金における「死亡時給付」は、アスベスト粉じんに曝露した責任が国にあるとして、国に対して損害賠償請求を行う代わりに、裁判を経ずに迅速な救済を行うための制度です。
金額は、病名や死亡時期、就労状況などによって異なりますが、最高額で数千万円規模(和解の場合は賠償金として別途算定されることもあります)にのぼることもあります。
「葬祭料」と「死亡時給付」の二重取りが認められる理由
冒頭でもお伝えした通り、労災の葬祭料と建設アスベスト給付金の死亡時給付は、どちらも受給することが可能です。その理由は以下の通りです。
1. 支給の目的と根拠法が異なるため
労災保険の葬祭料は、労働者の死亡に伴う葬祭費用を補填するための社会保険給付です。これに対し、建設アスベスト給付金は、国の規制権限不行使等の責任に基づく損害賠償的な性質(救済目的)を持っています。制度の趣旨や根拠となる法律が全く異なるため、法律上、一方が他方を当然に排除する関係にはありません。2. 法律上の調整規定がないため
法律や通達において、労災の葬祭料を受け取っていることを理由として、建設アスベスト給付金の死亡時給付が減額されるといった相殺規定は存在しません。したがって、両方の受給資格を満たしている場合は、それぞれの支給機関(労働基準監督署および独立行政法人医薬品医療機器総合機構など)に対して申請を行うことで、全額を受け取ることができます。他の給付金との調整(控除)に関する注意点
葬祭料と死亡時給付の二重取りは問題ありませんが、アスベスト関連の法的手続きにおいては、他の給付金との間で「調整(控除)」が必要になるケースが存在するため注意が必要です。
損害賠償金や和解金との関係
例えば、国や建材メーカーに対して損害賠償請求訴訟を起こし、和解金や賠償金を受け取る場合、すでに受け取った労災保険の給付(遺族補償一時金・年金など)の一部が控除されることがあります。これは、同じ損害に対して二重に賠償を受け取ることによる「二重利得」を防ぐための法律上の調整です。しかし、葬祭料については、実費的な性質や慰謝料・逸失利益とは異なる費目であることなどから、全体の賠償金計算において細かい扱いになることがあります。個別の事案ごとの計算方法については、法律の専門家である弁護士の確認が不可欠です。
スムーズに両方の給付金を受け取るためのポイント
労災の葬祭料と建設アスベスト給付金を漏れなく、かつスムーズに受け取るためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 早めに労災申請を行う:建設アスベスト給付金の申請には、労災の認定を受けていることや、労災と同等の認定基準を満たしていることが証明資料として大いに役立ちます。
- 証拠書類を保管しておく:葬儀の領収書や会葬礼状などは、労災の葬祭料請求だけでなく、その後の手続きでも必要になる場合があるため、大切に保管しておきましょう。
- 専門の弁護士に相談する:アスベスト被害の救済手続きは、労災、国への給付金請求、メーカーへの賠償請求など多岐にわたります。全体を見据えた最適な順番で手続きを進めるためにも、早い段階で弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所などの専門家にご相談ください。
まとめ
労災保険の「葬祭料」と建設アスベスト給付金の「死亡時給付」は、それぞれ目的や根拠が異なるため、二重取り(両方の受給)が可能です。
ご家族を亡くされたご遺族にとって、正当な補償や給付金を受け取ることは、これからの生活を支える上で非常に重要な権利です。「この給付金をもらうと、あちらの給付金が出なくなるのではないか」とご自身で判断せず、まずは専門的な知識を持つ弁護士にお気軽にご相談ください。
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、アスベスト被害に関するご相談を幅広く受け付けております。ご遺族の負担を少しでも軽減できるよう、親身になってサポートいたします。
🏗️ アスベスト(石綿)給付金・賠償金のお悩みは夕陽ヶ丘法律事務所へ
建設現場や工場で働いていた方・ご遺族へ。最大1,300万円の給付金対象か無料で試算いたします。
「昔大工や左官だった」「カルテや職歴証明が集まるか不安」という方も、弁護士が資料収集から手続きまで徹底サポートいたします。
- 費用負担なし: 相談料・着手金0円(完全成功報酬制・持ち出しゼロ)
- ご遺族からの請求対応: ご本人が亡くなられている場合でも受任可能
- 資料収集サポート: カルテや年金記録・職歴の集め方も丁寧に伴走