【弁護士に依頼するメリット】相手が財産を開示しない場合や勤務先が曖昧な場合でも、弁護士であれば弁護士会照会や裁判所の調査手続を活用して勤務先を特定し、確実に差押えを遂行できます。財産隠しを防ぎ、高額な慰謝料を確実に回収するために、早期に弁護士へご相談ください。
不倫の慰謝料は「退職金」から回収できる?
不倫の慰謝料を請求したものの、相手が「貯金がない」「支払う意思がない」と逃げ回るケースは決して少なくありません。特に高額な慰謝料が認められた場合、どうやって回収すればよいのか頭を悩ませる方が多くいらっしゃいます。
そんな中で、多くの人が見落としがちな強力な財産が「退職金」です。結論からお伝えすると、不倫の慰謝料請求権を根拠として、相手が将来受け取る退職金を差し押さえることは法的に認められています。退職金は「将来支給される賃金の後払い」という性質を持っているため、給与の差押えと同様に強制執行の対象となるのです。
退職金を差し押さえるための法的要件
退職金から慰謝料を回収するためには、ただ「退職金が出るはずだ」と主張するだけでは不十分です。法的かつ確実に差し押さえるためには、以下の厳格な要件をクリアする必要があります。
- 債務名義(判決や公正証書など)の取得:相手が任意の支払いに応じない場合、まずは裁判を起こして勝訴判決を得るか、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しておく必要があります。
- 勤務先の特定:差し押さえの相手方は、退職金を支払う「勤務先企業(第三債務者)」となります。正確な会社名、所在地、代表者名を把握していなければなりません。
- 退職金の支給確実性:すでに退職が間近に迫っている場合や、定年退職の時期が明確であるなど、退職金が実際に支給される高度の蓋然性が求められます。
どのくらいの金額を差し押さえることができるのか?
給与や退職金などの継続的収入に対する強制執行では、生活保護受給者や労働者の生活を守るために法律で差押えの上限が定められています。
原則として、退職金の受給権に対して差し押さえができるのは「最大4分の1まで」とされています。たとえば、相手が受け取る退職金が400万円である場合、差し押さえることができる上限は原則として100万円となります。残りの4分の3は、相手のその後の生活費として保護される仕組みになっています。
ただし、裁判所に対する申立てや事案の状況によっては、例外的な判断が下されるケースもあるため、正確な回収見込み額を知りたい場合は早い段階で専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
退職金差押えの具体的なステップ
実際に相手の退職金から慰謝料を回収するための具体的な手続きの流れは、概ね以下のようになります。
- 慰謝料請求と合意・法的措置:内容証明郵便による請求や示談交渉、あるいは裁判を通じて債務名義を獲得します。
- 財産調査の実施:相手の勤務先や退職時期に関する情報を集めます。任意での開示が難しい場合は、弁護士会照会や裁判所の財産開示手続を活用します。
- 債権差押命令の申立て:相手の勤務先(第三債務者)を宛先として、管轄の裁判所に「債権差押命令」の申立てを行います。
- 会社からの取り立て:裁判所から勤務先へ差押命令が送達されます。退職金が支給される時期になれば、勤務先から直接、差押え額に相当する金銭を受け取ることができます。
退職金差押えを成功させるための注意点
退職金の差押えを検討する際には、いくつかの重大なリスクや注意点が存在します。
最も大きなリスクは、「相手が自己破産を選択してしまう可能性」です。慰謝料請求を受けて退職金の差押えに直面した相手が、それを免れるために自己破産を申し立てるケースがあります。自己破産が認められると、慰謝料の支払い義務が免責(免除)されてしまい、結果として退職金からの回収もできなくなってしまう恐れがあります。
また、相手がいつ退職するか分からない状態のまま長期間放置していると、会社をすでに辞めてしまっていて差押えが間に合わなかったという事態も起こり得ます。そのため、相手の退職予定日や勤務状況を正確にキャッチし、適切なタイミングで迅速に法的手続きを申し立てることが極めて重要です。
まとめ:退職金からの回収を検討するなら弁護士にご相談を
不倫の慰謝料を相手の退職金から差し押さえることは十分に可能ですが、法的な知識がなければ手続きを進めることは困難です。相手との交渉や裁判所の書類作成、的確なタイミングでの強制執行の申立てなど、個人で対応するには大きな負担が伴います。
公的な相談窓口や弁護士会等では、不倫・浮気トラブルにおける豊富な慰謝料請求の実績がございます。「相手が支払いに応じない」「退職金を狙って確実に回収したい」とお悩みの方は、ぜひ一度、当事務所の初回無料相談をご利用ください。あなたの権利を守り、最大限の解決へと導きます。