【安全な解決手順】安全に問題を解決するためには、弁護士を代理人として立て、求償権の放棄を含めた合意内容を明確に記した示談書(公正証書)を必ず作成し、金銭の授受は必ず銀行振込で行うことが不可欠です。適切な証拠と法的な裏付けをもって示談を成立させるためにも、まずは不倫問題に強い弁護士へご相談ください。
ダブル不倫(双方に配偶者がいる状態での不倫関係)が発覚した際、お互いに慰謝料を請求し合うケースや、いわゆる「チャラ(相殺)」にしようとする話し合いが行われることがあります。
このとき、周囲の目を気にして「早く終わらせたいから」「手数料を節約したいから」という理由で、現金を直接手渡しでやり取りしてしまう当事者後を絶ちません。しかし、法律実務の現場において、この直接手渡しは後々深刻な法的トラブルを引き起こす最大の火種となります。
本記事では、ダブル不倫の示談金を直接手渡しすることの具体的な危険性と、安全に問題を解決するための正しい手順について、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。
1. 直接手渡しが「極めて危険」である3つの理由
金銭の授受を証拠に残さない形で行うことには、法的リスクが山積しています。特に個人間で現金を直接手渡す場合、以下のようなトラブルが頻発しています。
① 「支払った・もらっていない」の証明ができない
一番多いトラブルが、領収書を交わさなかったり、受け取りのサインを残さなかったりしたケースです。 現金をそのまま手渡ししてしまうと、後日、受け取った側が「そんなお金はもらっていない」「一部しか受け取っていない」と主張したとき、それを覆す客観的な証拠がなくなってしまいます。ATMの振込履歴や銀行口座の明細といった確実な足跡が残らないため、言った言わないの泥沼の争いに発展します。
② 「脅されて無理やり払わされた」と後から主張される
感情的になりやすい男女トラブルにおいて、当事者同士が直接対面して金銭をやり取りすると、脅迫や恐喝のトラブルに発展しやすくなります。 仮に納得の上で現金を支払ったとしても、後になって相手が「あのときは怖くて脅された」「脅されて無理やり現金を渡させられた」と主張し、恐喝罪での刑事告訴や、支払った金の返還を求める民事訴訟を起こすリスクがあります。
③ 不完全な合意により「追加請求」のターゲットにされる
口頭や簡単なメモ書きだけで金銭のやり取りを済ませてしまうと、法的拘束力のある示談書(合意書)が欠落している状態になります。 これにより、「今回はその場しのぎで払っただけで、慰謝料の全額免除(清算条項)には合意していない」と主張され、後日さらに高額な慰謝料を追加で請求される危険性が残ります。
2. 互いに請求し合う場合の正しい「相殺」と「精算」の仕組み
ダブル不倫では、夫側・妻側の双方に不貞行為の責任があるため、お互いが相手に対して慰謝料請求権を持つことになります。このとき、金額の差額だけを支払う「相殺」という処理が行われることがありますが、これも素人判断で行うと大きな誤りが生じます。
- お互いの責任割合や慰謝料の適正額を正確に算出する
- 双方の合意内容を明確にした正式な「示談書(和解契約書)」を作成する
- 金銭の移動が必要な場合は、必ず銀行振込を利用して記録を残す
特に、それぞれの配偶者が相手に対して同額を請求し合うようなケースでも、「お互い様だから手渡しで終わりにしよう」とするのは禁物です。たとえ金銭のやり取りがゼロ円(相殺によってチャラ)になる場合であっても、「今後一切の金銭的・精神的請求を行わない(清算条項)」を盛り込んだ書面を必ず交わさなければ意味がありません。
3. 安全かつ確実に示談を成立させるための鉄則
トラブルを完全に防ぎ、後日の蒸し返しを一切許さない形で解決するためには、以下の手順を必ず踏む必要があります。
示談書は法的効力のある「公正証書」または専門家作成の書面にする
口約束や個人の手作り文書ではなく、法的要件を満たした示談書を作成します。さらに、確実性を高めるために公証役場で「公正証書」として作成しておけば、万が一約束が破られた際に裁判をせずとも強制執行(差し押さえ)の手続きに移ることが可能です。
金銭の授受は必ず「銀行口座への振込」で行う
現金の手渡しは絶対に避け、必ずお互いの銀行口座(または弁護士の預り口座)を介した振込で行いましょう。通帳やネットバンクの明細に履歴を残すことが、最も強力な「支払った・受け取った」の動かぬ証拠となります。
第三者(弁護士)を間に入れて直接接触を断絶する
当事者同士が直接連絡を取り合ったり、対面して示談金の交渉や手渡しを行ったりすることは、精神的負担が大きいだけでなく、前述のような二次トラブルの温床になります。弁護士を代理人に立てることで、相手との直接の接触を完全に断ち、安全かつスムーズに合意形成を進めることができます。
4. まとめ:トラブルを回避するために弁護士への相談を
ダブル不倫の解決において、目先の面倒臭さや手数料を惜しんで「直接手渡しで終わらせよう」とすることは、将来の大きな法的リスクを買うようなものです。
- 現金の手渡しは「言った言わない」「脅された」のトラブルの元になる
- 金銭のやり取りは必ず銀行振込で行い、客観的な証拠を残す
- 清算条項を含んだ正式な示談書を必ず作成する
- 当事者間での直接交渉を避け、専門家に依頼して安全に解決する
公的な相談窓口や弁護士会等では、ダブル不倫・浮気慰謝料の請求および減額交渉において、数多くの解決実績を有しております。安全かつ確実な示談書の作成や、トラブルのない金銭授受のサポートについて、どうぞ安心してご相談ください。