【弁護士に依頼するメリット】相手が虚偽の主張を繰り返す場合でも、弁護士が代理人として交渉や法的手続きを行うことで、相手の言い逃れを封じ込めることができます。財産の差し押え視野に入れた実効性の高いアプローチにより、泣き寝入りを防ぎ、確実な慰謝料回収へと導くことが可能です。
不倫・浮気の慰謝料請求を進める中で、相手から思いもよらない言い訳をされることがあります。中でも厄介なのが、配偶者や不倫相手が自営業や親族経営の会社に勤務しているケースです。
「自分は親の会社の名前だけの社員で、実際の手取りは月数万円しかない」 「書類上の給与は高く見えているが、会社の実態は赤字で給与は改ざんされている(実際にはそんなにもらっていない)」
このように主張して、慰謝料の減額や支払いを拒もうとする手口は、男女トラブルの法的解決の現場では少なくありません。しかし、これらは法的・実務的なアプローチを正しく行えば、相手側の巧妙な言い逃れを完全に打ち砕くことができます。
本記事では、親族経営企業での給与改ざんや資産隠しを疑うべき場面における、法的実務に基づいた具体的な調査方法と、強気な回収を実現するためのノウハウを弁護士法人の視点から詳しく解説します。
親族経営における「給与改ざん・過少申告」のカラクリ
不倫相手やその親が経営する同族会社(オーナー企業)では、会社の資金と個人のプライベートな資産の境界線が曖昧になりがちです。そのため、慰謝料請求や財産分与、養育費の算定などの法的トラブルに直面した際、意図的に個人の給与所得を操作するケースが見受けられます。
具体的には、以下のような手法が取られることがあります。
- 役員報酬や給与の額面を意図的に低く設定し、差押えや請求を免れようとする
- 実際には高額な報酬を得ているにもかかわらず、会社の経費で生活費や車両、住居の家賃などをすべて支払い、個人の手取り額を表面上低く見せかける
- 「アルバイトや平社員としての最低限の給与しか出ていない」と虚偽の雇用契約書や源泉徴収票を提示する
相手がこのような主張をしてきた場合、一般の被害者の方が見た目だけの源泉徴収票や給与明細を鵜呑みにしてしまうと、「本当にこれしか払う能力がないのか」と諦めてしまう原因になります。しかし、法律の専門家である弁護士が介入することで、これらが見せかけの偽装工作であることを見破ることができます。
実質的な支払能力を暴くための3つの強力なアプローチ
相手がどれほど巧妙に手取り金額を改ざんし、収入を低く見せかけていたとしても、法的な調査権限や証拠収集の手続きを踏むことで、真の経済状態を明るみに出すことが可能です。夕陽ヶ丘法律事務所が実務で活用している主な手法をご紹介します。
1. 課税証明書(所得証明書)の提出要求とクロスチェック
企業が独自に作成する給与明細や源泉徴収票は、会社側の都合でいくらでも数値の改ざんが可能です。しかし、市区町村役場で発行される「課税証明書(所得証明書)」や「住民税の課税台帳」は、前年の正確な所得や住民税の納税額が記載公認されている公的な証明書です。
もし会社が発行した源泉徴収票の金額と、公的な課税証明書の金額に不自然な乖離がある場合、あるいは会社からの給与収入以外の副収入や役員としての実態が隠されている場合、その矛盾を鋭く突くことができます。
2. 弁護士会照会(民事訴訟法第204条に基づく調査等)の活用
裁判手続きや交渉の段階において、相手の実際の資産や給与の支払い実態を解明するために弁護士会照会(23条照会)という強力な手段を利用します。
これにより、不倫相手が給与を受け取っているとされる銀行口座の過去の入出金履歴を取り寄せることが可能です。仮に「手取りは月数万円」と主張していたとしても、実際には毎月何十万円もの生活費やカードの引き落としがその口座で行われていれば、給与の改ざんや隠蔽は明白な嘘であることが証明されます。
3. 生活実態・資産状況の客観的証拠の積み上げ
裁判所は、単に書類上の数字だけで支払能力を判断するわけではありません。相手が「お金がない」「手取りが少ない」と主張していても、以下のような生活実態の証拠があれば、裁判官に対して「実際の支払能力は十分にある」と心証を持たせることができます。
- 高級外車を所有し、維持費を支払っている事実
- SNSや写真等で確認できる高級マンションでの一人暮らしや頻繁な海外旅行
- 親の会社からの役員貸付金や、会社名義での私的流用が疑われる支出の存在
裁判所で強気な回収を実行するための戦略
相手が給与改ざんや無資力を主張して支払いを渋る場合、こちら側が妥協して減額に応じる必要は一切ありません。むしろ、こうした不誠実な対応を行う相手に対しては、法的手段をフル活用して徹底的に追い込むことが重要です。
任意の交渉から裁判手続き(訴訟)への移行
内容証明郵便による督促や示談交渉の段階で、相手が虚偽の低収入を理由に微々たる金額での和解を迫ってきた場合、直ちに慰謝料請求訴訟を提起するのが効果的です。
裁判官の前では、相手のずさんな収入申告や親族経営企業特有の不自然な労務実態は通用しません。裁判所から「正確な給与台帳や預金通帳の全ページを提出するように」と厳格な文書提出命令や釈明処分が下されるため、相手は隠し通せなくなり、最終的には適正な金額での和解や判決を受け入れざるを得なくなります。
判決・和解調書に基づく強力な強制執行(差し押さえ)
裁判や調停で勝訴、あるいは適正な条件での和解が成立したにもかかわらず、相手が支払いに応じない場合は、直ちに強制執行(差し押さえ)を実行します。
親族経営の会社であっても、裁判所からの「債権差押命令」が会社に届いた場合、会社側は法的な義務として給与や役員報酬の差し押さえ手続きに対応しなければなりません。仮に会社がこれを無視したり、不当に給与の支払いを隠蔽したりするような工作を行った場合、会社自体や経営者に対しても法的責任が及ぶリスクが生じるため、結果として本人から確実に回収ルートを確保することができます。
まとめ:相手の言い訳に屈せず、確実な慰謝料回収を
不倫相手が「自分は親の会社の社員で手取り金額が改ざんされている」「自分には支払う能力がない」と主張してきた場合、それは多くの場合、法的追及を逃れるための巧妙なプレッシャー工作に過ぎません。
客観的な課税証明書の確認、弁護士による口座履歴の調査、そして生活実態に基づく立証を行うことで、相手の虚偽の主張を論破し、本来支払うべき適正な慰謝料を回収することは十分に可能です。
一人で悩み、相手の主張を真に受けて泣き寝入りしてしまう前に、豊富な解決実績を持つ法テラスや弁護士会等の公的相談窓口へご相談ください。あなたの権利を守り、最も確実で納得のいく解決に向けて全力でサポートいたします。