一問一答・よくある質問Q&A

性感染症を移した不倫相手へ医療費+治療期間休業損害+慰謝料250万受領モデル

大阪弁護士会所属 弁護士 井上正人 監修

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、民法第709条(不法行為)、第719条(共同不法行為)、第770条(離婚原因)の規定および多数の不倫・浮気慰謝料請求・減額交渉の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 不倫相手から性感染症(STD)をうつされた場合、慰謝料のほかに治療費や休業損害も請求できますか?総額250万円を獲得した事例のポイントを知りたい
A 【請求できる損害賠償と法的根拠】不貞行為によって性感染症(STD)に感染させられた場合、民法709条に基づく不法行為として、精神的苦痛に対する慰謝料の増額請求に加え、検査費用・治療費などの医療費実費、および治療のために仕事を休んだ分の休業損害を請求することが可能です。医師の診断書やカルテ、領収書を客観的な証拠として確保し、不貞行為と感染との因果関係を明確に主張・立証することが総額250万円の高額解決に向けた極めて重要なポイントとなります。
【弁護士による交渉のメリット】性感染症の感染被害を伴う事案は、肉体的・精神的苦痛が著しく大きいため、通常の不貞慰謝料(相場100万円〜300万円)に上乗せした適正な賠償額を引き出す必要があります。個人間での交渉では不倫相手が責任逃れをしたり証拠隠滅を図るリスクが高いため、弁護士を代理人として立てることで、医学的証拠に基づいた法的プレッシャーを与え、迅速かつ有利な条件での示談成立を実現させることができます。

配偶者の不倫だけでも精神的なショックは計り知れませんが、それに加えて不倫相手から性感染症(STD)をうつされたという場合、その苦痛と怒りはさらに深刻なものとなります。肉体的な被害を受けることは、精神的苦痛を増大させる重大な要素です。

公的な相談窓口や弁護士会等では、単なる不貞行為の慰謝料請求にとどまらず、性感染症の感染被害を伴う複雑な事案についても多数の解決実績を有しています。今回は、性感染症の感染をきっかけに、治療費や休業損害を含めて総額250万円の慰謝料等を受領した具体的なモデルケースをもとに、法的な請求のポイントを詳しく解説します。

不貞行為に伴う性感染症(STD)感染と法的責任

不倫・浮気における不貞行為は、婚姻関係の平和を乱す不法行為(民法709条)に該当します。これに加え、感染症を有する状態でありながら配偶者等と性交渉を行い、感染させた行為は、相手の身体的健康を害する新たな独立した不法行為を構成します。

裁判実務においても、不貞行為そのものの慰謝料に加え、性感染症にり患させられたことによる精神的苦痛や肉体的苦痛は、別個の損害として評価され、慰謝料額を増額させる強力な事由となります。

請求できる具体的な損害賠償項目

性感染症の被害に遭った場合、請求できる項目は慰謝料だけではありません。主に以下の3つを相手方に請求することが可能です。

  • 医療費(治療実費): 検査費用、診察代、処方された薬剤の費用など、完治までに要した実費全般。
  • 休業損害: 通院や症状悪化による療養のために仕事を休み、収入が減少した場合の給与補償。
  • 慰謝料(精神的損害): 不貞行為そのものの精神的損害に加え、病に感染させられたことに対する著しい精神的苦痛への賠償。

総額250万円受領モデルの具体的事例

ここで、当事務所が実際に関与した事案をベースにした「総額250万円受領モデル」の概要をご紹介します。

相談者のAさんは、夫の度重なる様子のおかしさから不倫を疑い調査したところ、夫が職場の同僚Bさんと長期間にわたって不倫関係にあることが発覚しました。さらに、Aさんは体調の異変を感じて婦人科を受診したところ、Bさんを感染源とする特定の性感染症(クラミジアおよびHPV等)に感染していることが判明したのです。

解決に向けた3つのステップ

この事案において、最終的に総額250万円の支払いを受ける合意(示談)に至った背景には、弁護士による綿密な証拠収集と戦略的な交渉がありました。

  1. 客観的な医学的証拠の確保: 医療機関で「性感染症に感染している旨の診断書」を取得し、さらに夫がBさん以外の性的パートナーを持っていなかったこと(あるいはBさんとの接触時期と発症時期が完全に一致していること)を示すカルテや問診票の写しを保全しました。
  2. 治療費と休業損害の正確な算定: 通院にかかったすべての領収書をファイリングし、治療期間中に仕事を休んだ日数分の給与明細や源泉徴収票をベースに、休業損害を正確に計算しました。
  3. 不貞の証拠と感染の因果関係を突きつけた交渉: 弁護士名での内容証明郵便により、不貞行為の事実と性感染症をうつされた因果関係を指摘。裁判に移行した場合、感染拡大の悪質性が考慮されてさらに高額な判決が出るリスクを相手方代理人に冷静に説明し、裁判外の示談交渉において総額250万円(慰謝料・治療費・休業損害の合計)を一括で支払わせることで合意に至りました。

性感染症の慰謝料請求で絶対に欠かせない証拠

相手方に性感染症による損害を認めさせ、高額な賠償金を獲得するためには、感情論ではなく「客観的な証拠」が不可欠です。ご自身で準備すべき重要な証拠には、以下のようなものがあります。

1. 医療機関の診断書およびカルテ

単に「感染した」と口頭で主張するだけでは、相手方に否定されるおそれがあります。必ず医師による正式な診断書を取得してください。また、可能であれば医師に依頼して「いつ頃感染したと推認されるか」「どのような経路が想定されるか」についての意見をカルテ等に残してもらうことが極めて有効です。

2. 治療費の領収書と明細書

通院に要した交通費も含め、かかった費用はすべて証明できるように領収書やレシートを保管してください。健康保険適用外の治療を受けた場合や、自費での検査を行った場合も、その明細が重要な証拠となります。

3. 休業損害を証明する書類

病気の治療や検査、精神的ショックによる体調不良のために仕事を休んだ場合、会社の給与担当者に「休業証明書」を作成してもらうか、タイムカードのコピー、有給休暇取得の記録などを残しておきましょう。自営業者の場合は、売上減少の根拠となる帳簿や確定申告書が必要となります。

4. 不貞行為および感染に関するやり取りの記録

夫(または妻)や不倫相手との間で、病気の発覚や不貞の事実についてLINEやメールでやり取りした履歴があれば、削除せずに必ずスクリーンショットなどで保存しておいてください。「うつしてしまったかもしれない」といった相手の発言は、決定的な証拠となります。

示談交渉か裁判か:弁護士に依頼するメリット

性感染症を伴う不倫問題は、プライバシーに関わるデリケートな問題であると同時に、医学的因果関係の証明という専門的な判断が求められます。ご自身だけで相手方と交渉しようとすると、精神的な負担が非常に大きいだけでなく、相手が不当に責任逃れをしたり、適切な金額よりも大幅に低い金額で示談を迫られたりする危険性があります。

弁護士を代理人に立てることで、以下のような大きなメリットを得ることができます。

  • 精神的負担の軽減: 相手方本人や相手方の代理人との連絡・交渉窓口をすべて弁護士が引き受けるため、直接顔を合わせたり連絡を取ったりする必要がなくなります。
  • 適正な賠償額の算定: 過去の裁判例や実務基準に基づき、不貞慰謝料だけでなく、医療費や休業損害、さらには慰謝料増額事由を適切に評価した請求額を算出できます。
  • 迅速かつ確実な合意形成: 弁護士が法的根拠をもとに書面を作成し交渉することで、相手方が早期の解決を余儀なくされ、裁判を回避して高額な和解金・示談金の回収につながりやすくなります。

まとめ:一人で悩まず、まずは専門家にご相談ください

不倫相手から性感染症をうつされるという被害は、身体の健康だけでなく、尊厳までも深く傷つけられる許しがたい行為です。「恥ずかしいから誰にも言えない」「泣き寝入りするしかない」と諦めてしまう前に、まずは法律の専門家である弁護士にご相談ください。

公的な相談窓口や弁護士会等では、依頼者様のプライバシーに最大限配慮し、心身の傷に寄り添いながら、適正な慰謝料および医療費・休業損害の回収に向けて全力でサポートいたします。まずは一度、法テラスや弁護士会の無料法律相談窓口のご利用をご検討ください。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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