【弁護士に依頼するメリットと法的リスク】連絡を無視しても慰謝料の支払い義務が消えることはなく、裁判に発展することで遅延損害金や裁判費用も上乗せされ、相手の経済的・精神的負担はさらに大きくなります。個人で訴訟の手続きや特別送達の対応、裁判所での主張を行うのは時間的にも精神的にも大きな負担となります。不倫問題や慰謝料請求に精通した弁護士に代理人を依頼することで、訴状の作成から期日の出頭、強制執行の手続きまで一貫して任せることができ、確実かつ早期の慰謝料回収を実現できます。
不倫の慰謝料を請求したものの、相手が連絡を無視し続けたり、「払わない」「身に覚えがない」と不誠実な対応を続けたりするケースは決して少なくありません。話し合い(示談)での解決が見込めない場合、泣き寝入りするしかないのでしょうか。
答えは「いいえ」です。任意の交渉に応じない相手に対しては、日本の法律に基づき、裁判所を介した強制的な解決手段を取ることができます。特に請求額が140万円を超える場合や、より確実な法的解決を目指す場合は、地方裁判所への提訴(訴訟提起)が必要となります。
この記事では、弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所の実務経験をもとに、不倫相手に無視された場合の地方裁判所への提訴手順と、裁判の具体的な流れについて詳しく解説します。
不倫相手が示談を無視する理由と法的リスク
慰謝料の請求書や内容証明郵便を受け取っても、不倫相手がそれを放置・無視する背景には、主に次のような心理があります。
- 「無視していればそのうち諦めるだろう」という現実逃避
- どう対応してよいか分からないというパニック
- 金銭的な支払いを拒絶したい、あるいは資力がないという理由
しかし、連絡を無視し続けたからといって、慰謝料の支払い義務が消えることはありません。むしろ、話し合いのチャンスを自ら放棄し、裁判という強制的な手続きを招くことで、相手にとってより不利な結果(弁護士費用や遅延損害金の加算、社会的信用への影響など)をもたらすことになります。
地方裁判所への提訴に向けた準備
任意の交渉が決裂し、裁判を決意したら、まずは法的根拠となる証拠の整理と書類の作成を行います。
1. 請求額に応じた裁判所の選定
慰謝料の請求額が140万円以下の場合は簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所が管轄となります。また、管轄裁判所は原則として「被告(不倫相手)の住所地」を管轄する地方裁判所ですが、不法行為地(不貞行為が行われた場所や原告の住所地など)を管轄する裁判所に申し立てができる場合もあります。2. 訴状と証拠の準備
裁判を起こすためには、「訴状」を作成する必要があります。訴状には、いつ、誰と誰がどのような不貞行為に及んだのか、そしていくらの慰謝料を請求するのかを法的構成に従って記載します。 これと同時に、不貞行為を証明するための客観的な証拠(LINEのやり取り、写真、ホテルや宿泊施設の領収書、探偵の調査報告書など)を整理し、証拠説明書とともに裁判所に提出します。地方裁判所への提訴から第1回期日までの流れ
書類の準備が整ったら、実際の裁判手続きがスタートします。ここからの流れは以下の通りです。
- 訴状の提出: 管轄の地方裁判所の窓口、または郵送にて訴状と証拠を提出します。裁判所で形式的な審査が行われ、問題がなければ受理されます。
- 事件番号の付与と期日の指定: 受理されると「令和〇年(ワ)第〇〇号」といった事件番号が割り振られ、第1回口頭弁論期日の日程が裁判所との調整で決定します。
- 相手への「特別送達」: 裁判所から不倫相手の自宅や勤務先へ、訴状や期日呼出状が「特別送達」という厳格な郵便方法で発送されます。これにより、相手が確実に書類を受け取った(または受け取れる状態にあった)ことが法的に証明されます。
第1回期日での展開:無視し続けた相手はどうなる?
裁判所から呼び出されたにもかかわらず、不倫相手が相変わらず無視を決め込み、答弁書(反論の書面)も提出せず、第1回期日に欠席した場合、裁判はどのように進むのでしょうか。
日本の民事訴訟法には「擬制自白(ぎじせいじはく)」という重要なルールがあります。被告である不倫相手が、原告(あなた)の主張に対する反論を記した答弁書を提出せず、裁判所の期日にも出頭しなかった場合、原告が訴状に書いた主張のすべてを相手が「自白(認めた)」したものとみなされます。
これにより、複雑な尋問や証拠調べを省略し、非常にスピーディーに審理が結審へと向かいます。結果として、原告の請求をほぼそのまま認める「勝訴判決(欠席判決)」が言い渡されることになります。
判決後の強制執行(差押え)へのステップ
裁判で勝訴判決が出ても、相手が自主的に支払ってこない場合は、最終的な法的強制手段に移行します。これが強制執行(差押え)です。
勝訴判決が確定すると、「債務名義」という強力な公的文書が手に入ります。これを利用して、不倫相手の財産を特定した上で、以下のような差押え手続きを実行します。
- 給与の差押え: 相手の勤務先を特定し、毎月の給与や賞与の一部を直接差し押さえて回収します。勤務先に裁判所からの通知が届くため、不倫の事実や金銭トラブルが会社に知られることになります。
- 預貯金口座の差押え: 利用している金融機関(銀行名や支店名)が判明していれば、口座内の預貯金を一括して差し押さえることができます。
相手が無視を続けたとしても、このように法的手段を順序立てて実行していくことで、最終的に金銭を回収できる可能性を大きく高めることができます。
示談無視・裁判に関するよくある質問
Q: 相手が裁判の呼び出し状(特別送達)を受け取らずに居留守を使ったらどうなりますか?
A: 特別送達は通常の郵便とは異なり、受取人の署名や捺印が必要です。居留守などで直接受け取らない場合でも、書留郵便に準じた「付郵便送達(差置送達など)」という法的手続きを踏むことで、実際に受け取っていなくても「相手に届いたものとみなす」法的な処理が可能になります。そのため、居留守を使って裁判逃れをすることはできません。Q: 裁判を起こすにあたって、自分で裁判所に行く必要がありますか?
A: 弁護士に代理人を依頼している場合、原則として第1回期日を含めてご本人が裁判所に出頭する必要はありません(証人尋問等が行われる特別な場合を除きます)。弁護士がすべての手続き、書面作成、裁判所への出頭を代行いたしますので、精神的な負担を大幅に軽減することができます。不倫相手の無視にお悩みの場合は弁護士へご相談を
不倫相手が連絡を無視している状況で、個人が独力で地方裁判所に訴訟を起こすのは、法的な専門知識や書類作成の面で非常に大きな負担となります。不備があると手続きが遅れたり、望む結果が得られなかったりするリスクもあります。
弁護士法人公的な相談窓口や弁護士会等では、示談交渉の段階から地方裁判所への提訴、勝訴判決、その後の強制執行に至るまで、ご依頼者様の代理人としてトータルでサポートいたします。不倫相手の不誠実な対応にお悩みの方は、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。