【弁護士対弁護士交渉の戦略】相手弁護士の「婚姻関係破綻の主張」や過失相殺による減額要求に対し、客観的証拠をもって法的妥当性を示し、粘り強く適正な慰謝料(一般相場100万〜300万円)の回収を目指します。
不倫の慰謝料を請求した際、突然相手から弁護士の名前が入った通知書が届いたり、示談交渉の場で相手に弁護士がついたりするケースは少なくありません。
「相手に弁護士がついたということは、もうお金は取れないのだろうか」 「相手弁護士から『すでに夫婦関係は破綻していた』と反論されたが、どう言い返せばいいのか分からない」
このように不安を感じてしまう方も多いでしょう。相手が弁護士を代理人として立てた場合、交渉のステージは一気に法律のプロ同士の攻防へとシフトします。
本記事では、不倫相手が弁護士をつけて反論してきた際、どのような法的戦略を持って対抗すべきか、夕陽ヶ丘法律事務所の実務経験を交えて詳しく解説します。
相手が弁護士をつけて反論してきたときの初期対応
不倫相手から通知書が届いたとき、あるいは示談交渉の途中で「今後の一切の連絡は弁護士を通してください」と告げられたとき、最もやってはいけないのは感情に任せて相手本人に直接連絡を取ることです。
個人間交渉から代理人交渉への移行
- 相手本人に直接電話やメッセージを送ると、脅迫やストーカー行為と捉えられるリスクが生じます。
- 相手の弁護士は、依頼人の利益を守るために法的・心理的なプレッシャーをかけてくることがあります。
- こちらが一人で対応していると、法的な知識の差から不利な条件で示談させられてしまう危険性があります。
相手が弁護士を立てたのであれば、こちらも速やかに弁護士を代理人として立てる(選任する)ことが、対等な交渉を行うための大前提となります。
相手方弁護士の代表的な反論パターンとその崩し方
相手方弁護士は、依頼人の支払額を少しでも減らすため、あるいは支払義務そのものを免れさせるために、いくつかの定型的な反論を繰り出してきます。ここでは、実務上特によく見られる3つの反論と、それを客観的証拠で粉砕するためのポイントを解説します。
反論パターン1:すでに婚姻関係は破綻していたという主張
不倫の慰謝料請求において、最も頻繁に使われるのが「不貞行為があった時点ですでに夫婦関係は冷え切っており、破綻していた」という主張です。これが認められてしまうと、法律上「保護すべき平穏な夫婦生活」が存在しなかったことになり、慰謝料請求が否定されてしまいます。- 相手の主張の意図: 婚姻関係の破綻を理由に、慰謝料の減額または請求棄却を狙う。
- 客観的証拠による粉砕: 破綻の主張を覆すには、「不貞行為の期間中も夫婦で家族旅行に行っていた」「同居しており、家計が同一だった」「日常的なメッセージのやり取りで円満な様子がうかがえる」といった客観的な事実を示します。LINEのトーク履歴や写真、公共料金の領収書などが強力な武器になります。
反論パターン2:脅されて関係を持たされたという「強要・無理強い」の主張
「自分から誘ったわけではなく、相手(あなたの配偶者やあなた自身)から強引に言い寄られて関係を持たされた」という主張です。- 相手の主張の意図: 自由な意思に基づく不貞行為(共同不法行為)ではないとして、責任を軽減しようとする。
- 客観的証拠による粉砕: これを覆すためには、相手が自発的に送信してきた愛情表現のメッセージや、ホテルに自ら進んで向かっている様子が記録された防犯カメラ・位置情報などの証拠が有効です。双方が合意の上で関係を持っていたことを論理的に立証します。
反論パターン3:支払能力がない・低額な慰謝料提示(過失相殺の誇張)
「無職である」「借金がある」「収入が非常に少ない」といった理由を挙げ、一括での支払いはもちろん、分割であってもごく少額(例:月々数千円〜1万円程度)しか支払えないと主張してくるケースです。- 相手の主張の意図: 経済的な困窮をアピールし、早期の和解や大幅な減額、あるいは実質的な踏み倒しを狙う。
- 客観的証拠による粉砕: 相手の職業や勤務先、生活水準に関する情報を整理し、本当に支払能力がないのかを精査します。必要に応じて、財産開示の手続きや、勤務先情報に基づいた給与差押えの可能性を示唆しながら、現実的かつ妥当な分割回数・金額を迫ります。
弁護士対弁護士の交渉におけるメリット
相手が弁護士を立ててきた局面において、こちら側も弁護士を代理人とすることには、非常に多くのメリットがあります。
感情的ストレスからの解放
不倫問題は当事者間で行うと激しい感情のぶつかり合いになりがちです。弁護士が窓口となることで、相手からの連絡や心ない反論に直接対応する必要が一切なくなり、精神的な負担を劇的に軽減できます。法的に正確で隙のない書面作成と駆け引き
裁判所の過去の判例(相場観)を踏まえた上で、相手方弁護士の主張の矛盾点を的確に突く書面を作成します。素人同士の交渉では言った言わないの水掛け論になりがちですが、弁護士間の交渉では法的な論点に絞った冷静な議論が展開されます。裁判手続き(訴訟)へのスムーズな移行
相手方弁護士が不誠実な対応を続けたり、法外な減額主張を曲げなかったりする場合、最終的には裁判所を通じた訴訟提起が必要になります。弁護士が代理人であれば、示談交渉から訴訟手続きへの移行もワンストップでスムーズに行うことができます。適正な解決を導くための重要ポイント
弁護士対弁護士の交渉で納得のいく結果を得るためには、以下のポイントを意識することが重要です。
- 決定的な証拠の維持と精査: LINEのやり取り、写真、音声データ、興信所の調査報告書など、不貞の事実と期間を証明できる証拠を漏れなく弁護士に共有します。
- 落とし所の見極め: 裁判まで持ち込んだ場合の費用や時間、相手の実際の資力を考慮し、どのラインまでの減額や分割になら妥協できるか、あらかじめ弁護士と方針をすり合わせておきます。
- 秘密保持条項(清算条項)の厳格化: 金額だけでなく、今後一切の接触禁止や、SNSへの書き込み禁止、第三者への口外禁止などを盛り込んだ合意書(示談書・公正証書)を確実に締結します。
まとめ:相手が弁護士を立てたら、こちらも早めの専門家相談を
不倫相手が弁護士をつけて反論してきた場合、それは相手が本気で支払いを逃れたい、あるいは減額させたいと考えている表れです。この状況で泣き寝入りしたり、個人で対抗しようとしたりするのは非常にリスクが高くなります。
相手の弁護士の巧みな反論や低額回答に対しては、客観的証拠に基づき、法的な正当性をロジカルに主張することが不可欠です。
公的な相談窓口や弁護士会等では、数多くの男女トラブル・不倫慰謝料請求における代理人交渉の実績がございます。「相手から弁護士の通知書が届いた」「相手の主張にどう反論すべきか悩んでいる」という方は、どうぞお早めに当事務所の弁護士までご相談ください。あなたの権利と正当な利益を守るため、全力でサポートいたします。