【弁護士に依頼するメリットと完全な解決】法的効力を持つ示談書を確実に作成し、求償権の放棄や分割払いの担保(公正証書化など)まで見据えた交渉を行うためには、不倫問題に精通した弁護士への相談が不可欠です。
不倫・浮気問題を解決するにあたり、配偶者の不倫相手から慰謝料を支払ってもらう、あるいは話し合いによって解決を図る場合、最終的に重要となるのが「示談書(和解契約書)」の作成です。
インターネット上で見つけたテンプレートをそのまま流用したり、当事者同士の口約束や簡単なメモ書きで済ませてしまったりするケースが後を絶ちますが、これは極めて危険です。不十分な内容のまま示談を成立させてしまうと、後になって「約束が守られない」「再び連絡を取り合っていた」「追加で請求したくてもできない」といった深刻なトラブルに直面することになります。
今回は、弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所の法律ライターが、不倫相手と交わす示談書に必ず入れるべき極めて重要な条項について、実務的な観点から分かりやすく解説します。
なぜ示談書(和解契約書)の作成が絶対に必要なのか
不倫の慰謝料問題において、話し合いの合意内容を必ず書面(示談書)に残すべき理由は主に2つあります。
- 合意内容の証拠化と履行の担保:口頭の約束では、「言った・言わない」の水掛け論になった際に証明することが極めて困難です。書面に残すことで、法的な拘束力を持つ強力な証拠となります。
- 将来のトラブルの予防:一度解決したはずの問題について、後から新たな要求をされたり、逆に被害者側が追加で請求できなくなったりするリスクを防ぎます。
特に、慰謝料の支払いを分割にする場合や、今後の接触を禁じる場合には、詳細な条件を定めた書面がなければ実効性がほとんどありません。
不倫の示談書に必ず入れるべき7つの必須条項
不倫相手と交わす示談書には、最低限以下の7つの項目を網羅し、法的不備のない文言で作成する必要があります。
1. 慰謝料の金額と支払方法・支払期日
当然のことながら、合意した慰謝料の総額を明確に記載します。あわせて、一括払いに応じるのか、分割払いにするのかを明記します。
- 一括払いの場合:「いつまでに、指定の銀行口座に振り込む」という期限と振込先を記載する。
- 分割払いの場合:「毎月末日限り、金〇〇万円ずつ、全〇回で支払う」と明記する。
分割払いの場合は、「期限の利益喪失条項」(数回支払いを怠った残額が一括請求されるルール)を必ずセットで入れることが重要です。
2. 謝罪の意思表示
示談書の冒頭、あるいは条文の中で、不倫の事実を認め、被害者に対して謝罪する旨を記載します。
多くの加害者は金銭の支払いだけで解決しようとしますが、精神的な苦痛を受けた側としては、不法行為を認め謝罪する文言が書面にあることが、精神的な区切りをつける上で非常に大きな意味を持ちます。
3. 今後の接触禁止(接近禁止)条項
不倫問題で再び被害者を苦しめるのが、関係の断絶が守られず、裏で連絡を取り続けたり再会したりするケースです。これを防ぐために、今後の接触を一切禁じる条項を入れます。
- 一切の私的な連絡(電話、メール、SNSのダイレクトメッセージ、手紙など)の禁止
- 偶然の遭遇を除き、直接会うことや接近することの禁止
- 配偶者の職場や自宅周辺への接近禁止
4. 口外禁止(守秘義務)条項
不倫の事実や示談の内容が、職場や友人、SNSなどに漏洩することを防ぐための条項です。
この条項がないと、加害者が逆恨みから職場で言いふらしたり、周囲に噂を流したりするリスクがあります。お互いに「今回の件に関する一切の情報を第三者に口外しない」ことを約束させます。
5. 違約金条項
「接触禁止」や「口外禁止」のルールを作っても、それに違反した際の罰則(ペナルティ)がなければ実効性が薄れてしまいます。そこで、約束に違反した場合の「違約金」をあらかじめ設定しておきます。
- 「接触禁止条項に違反した場合、違反1回につき金〇〇万円を支払う」
- 「口外禁止条項に違反し、名誉毀損や損害を与えた場合、金〇〇万円を支払う」
このように明確な金額を定めておくことで、相手に対する強力な抑止力となります。
6. 清算条項(精算条項)
示談書において、実務上最も重要な条項の一つがこの「清算条項」です。
「本合意に定めるもののほか、甲および乙の間には、本件に関して債権債務が存在しないことを確認し、以後、互いに何らの請求も行わない」といった文言を入れます。これにより、この示談書を取り交わした後は、追加で慰謝料を請求することも、逆に相手から新たな金銭要求や異議申し立てをされることも完全に封じることができます。
7. 権利放棄条項(求償権の放棄について)
配偶者と不倫相手(第三者)が共同で不法行為を行った場合、一方が全額の慰謝料を支払ったときは、もう一方に対して「自分の負担分を返せ(求償権)」と請求できるのが原則です。
もし不倫相手があなた(被害者)に全額支払った後、あなたの配偶者に対して求償権を行使した場合、最終的にあなたの世帯の財布からお金が出ていくことになり、実質的な解決になりません。そのため、不倫相手との間で「求償権を放棄する」旨の合意を示談書に含めることが、配偶者との関係再構築や完全な解決において極めて重要となります。
示談書をより強固にするための実務的アドバイス
作成した示談書を単なる紙切れにせず、万が一の未払い時に裁判所の強制執行(給料や預貯金の差し押さえ)をすぐに行えるようにするためには、「公正証書(執行認諾文言付公正証書)」の形で作成することが最も確実です。
公証役場で公正証書を作成しておけば、相手が約束の慰謝料を支払わなくなった際、裁判を起こして判決を得る手間を省き、すぐに強制執行の手続きに移ることができます。
まとめ:示談書の作成は弁護士へのご相談を
不倫・浮気問題における示談書の作成は、法的な知識と厳密な文言の調整が必要不可欠です。インターネット上の雛形をそのまま使用したり、当事者間だけで話し合って曖昧な書面で済ませたりしてしまうと、後になって取り返しのつかない不利益を被る恐れがあります。
弁護士法人公的な相談窓口や弁護士会等では、被害者の方が精神的・経済的により多くの平穏を取り戻せるよう、法的効力が高く、将来の不安を残さない示談書の作成・交渉を全面的にサポートしております。不倫相手との示談交渉や書面作成でお悩みの方は、ぜひ一度法テラスや弁護士会等の公的相談窓口へご相談ください。