【弁護士への相談メリット】ただし、長期間の別居など例外的に離婚が認められる条件もあります。安易に合意せず弁護士に相談することで、不貞の証拠を押さえつつ、納得のいく条件での示談交渉や離婚拒絶の法的防衛を有利に進めることができます。
自分が不倫をして家庭を壊した張本人であるにもかかわらず、配偶者に対して「性格の不一致だ」「すでに愛情がないから離婚してほしい」と平然と要求してくるケースは、決して少なくありません。
裏切られた側としては、怒りと絶望感で心が引き裂かれる思いがすることでしょう。
「自分から不倫しておいて、なぜそんな勝手なことが言えるのか」と憤るのは当然であり、法律上も、このような不倫をした側(有責配偶者)からの自分勝手な離婚要求は制限されています。
今回は、不倫をした配偶者からの離婚請求に対して、どのように拒絶し、自身の権利を守るべきかについて、法律の専門家の視点から詳しく解説します。
有責配偶者からの離婚請求が原則として認められない理由
法律上、自ら不倫などの婚姻共同生活を破壊する行為を行った配偶者を「有責配偶者」と呼びます。
最高裁判所の判例により、有責配偶者からの離婚請求は、信義誠実の原則に反するため、原則として認められないというルールが確立されています。
その主な理由は以下の通りです。
- 被害者保護の観点:不倫という裏切り行為によって精神的な苦痛を受けた配偶者(被害者)をさらに離婚によって路頭に迷わせたり、不当な不利益を与えたりすることを防ぐためです。
- 社会的正義:自ら悪事(不倫)を働いた者が、その状況を利用して自分の都合の良いように法的解決を得ることは、社会通念上許されないためです。
したがって、あなたが「絶対に離婚には応じない」と主張している限り、相手がどれほど強気に出てきても、簡単に離婚が成立してしまうわけではありません。
離婚を拒絶し続けるための具体的な対応策
不倫をした配偶者から離婚を切り出されたとき、感情的に言い返してしまうと、相手のペースに巻き込まれたり、不利な発言を引き出されたりする危険性があります。
毅然とした態度で離婚を拒絶するためには、以下のポイントを押さえて行動することが重要です。
- 離婚届に絶対に署名・捺印しない:相手から「話し合いの証拠として」「形式だけだから」と言われても、絶対に離婚届に署名や捺印をしてはいけません。役所に「離婚届の不受理申出」を事前に提出しておけば、勝手に離婚届を提出されるリスクを防ぐことができます。
- 感情的な争いを避け、記録を残す:相手の暴言や無責任な発言に対しては、感情的に怒鳴るのではなく、冷静に事実確認を行いましょう。やり取りは録音やLINEの画面保存など、客観的な証拠として残しておくことが後々の交渉や裁判で有利に働きます。
- 不倫の証拠を確実に集めておく:相手が「性格の不一致」を理由に離婚を正当化しようとしても、根本原因が相手の不倫にあることを証明できれば、相手の主張は通りません。探偵の調査報告書、ホテルに出入りする写真、不倫相手とのメッセージ履歴などを今のうちに確保しておきましょう。
例外的に離婚が認められてしまうケースへの注意点
原則として有責配偶者からの離婚請求は認められませんが、「例外的に離婚が認められてしまうケース」も存在します。
最高裁判所の判例では、以下の3つの条件をすべて満たしている場合、例外的に有責配偶者からの離婚請求が認められるとしています。
- 夫婦の別居期間が社会的相当期間と認められるほど長期に及んでいること:(一般的には、夫婦の同居期間よりも別居期間の方が長い、あるいはそれに匹敵するほどの長い年月が経過していること)
- 夫婦間に未成熟の子(経済的・精神的に自立していない子供)がいないこと:(子供の福祉の観点から、幼い子供がいる場合は特に厳しく制限されます)
- 相手方配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に極端な酷い状態に置かれないこと(過酷苛酷性がないこと):(離婚により生活保護受給レベルまで困窮したり、精神病が悪化したりするような事情がないこと)
これらの条件に該当しそうである場合、相手が別居を強行して長期化させると、将来的に裁判で離婚が認められてしまうリスクが出てきます。
そのため、相手が別居を言い出した段階や、すでに別居している段階であっても、早い段階で法的措置を検討する必要があります。
離婚に応じる場合の条件と慰謝料・財産分与の請求
どうしても夫婦関係の修復が不可能であり、最終的に離婚を受け入れるざるを得ないという状況になった場合でも、泣き寝入りする必要はありません。
有責配偶者に対しては、以下のような正当な金銭的補償を徹底的に請求すべきです。
- 離婚慰謝料:不倫によって精神的苦痛を受けたことに対する慰謝料を請求します。相場は数百万円規模になることもあります。
- 財産分与:婚姻期間中に築いた財産を公平に分け合います。さらに、将来得られるはずだった退職金や年金分割なども考慮に入れる必要があります。
- 婚姻費用(生活費)の請求:別居中であっても、離婚が成立するまでの間は、収入の多い配偶者に対して生活費(婚姻費用)を請求する権利があります。
これらすべての条件をまとめた「離婚協議書」を公正証書の形で作成することで、将来的な養育費や慰謝料の未払いリスクを防ぐことができます。
まとめ:一人で悩まず、弁護士に相談を
不倫をした側から「離婚したい」と迫られる理不尽な状況は、被害者であるあなたにとって計り知れないストレスとなります。
「相手の勢いに負けて離婚届にサインしてしまった」「別居を強行されてどうしていいかわからない」と一人で抱え込んでしまうことが最も危険です。
法律のプロである弁護士に相談すれば、あなたの代わりに相手との交渉の窓口となり、相手からの理不尽な要求を法的な根拠に基づいて完全にシャットアウトすることが可能です。
公的な相談機関や専門窓口では、不倫問題や有責配偶者からの離婚請求に関する豊富な解決実績がございます。
あなたの平穏な日常と正当な権利を取り戻すために、まずは一度、私たちにご相談ください。