【弁護士によるサポートの重要性】慰謝料や養育費の金額、分割払いの条件など、将来の未払いリスクを防ぐ法的に有効な合意書面にするためには、弁護士による事前の条件交渉や文案チェックの依頼が確実です。
離婚協議書を公正証書にする最大のメリットとは
不倫・浮気が原因で離婚を決意した方や、夫婦間で慰謝料や養育費の支払いに合意した際、口約束や通常の私家版の離婚協議書だけで済ませてしまうケースが後を絶ちません。しかし、これでは「最初は払っていたけれど半年後に連絡が取れなくなった」「仕事を辞めたと言われて支払いが止まった」というトラブルを防ぐことができません。
そこで重要になるのが、公証役場で作成する公正証書です。特に強制執行認諾文言付公正証書(きょうせいしっこうにんだくもんごうつきこうせいしょうしょ)にしておくことで、約束が破られた際に裁判を起こす時間と費用をかけず、すぐに相手の給与や財産を差し押さえる強制執行の手続きに移ることができます。
公正証書作成に必要な手順
公正証書は、全国にある「公証役場」において、法律の専門家である「公証人」に作成してもらう公文書です。実際に作成を完了させるまでの具体的な流れは、以下のステップで進行します。
- ステップ1:夫婦間での離婚条件の合意 慰謝料の金額、支払い方法(一括か分割か)、養育費の金額と期間、財産分与、面会交流のルールなどについて、夫婦間でしっかりと話し合い、合意形成を行います。
- ステップ2:必要書類の収集 夫婦双方の戸籍謄本、印鑑登録証明書、実印、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類、財産分与の対象となる不動産の登記簿謄本や固定資産税評価証明書などを準備します。
- ステップ3:公証役場への申し込みと文案のすり合わせ 管轄の公証役場(原則として全国どこでも可能ですが、自宅や職場の近くが便利です)に連絡し、合意内容を伝えて公正証書の原案を作成してもらいます。弁護士に代理作成や文案チェックを依頼している場合は、弁護士を通じてスムーズに進めることができます。
- ステップ4:公証役場への出頭と署名押印 予約した日時に夫婦双方が公証役場に出向き、公証人から内容の読み上げ(または確認)を受けます。内容に間違いがなければ、実印で署名押印を行い、手数料を支払って完成となります。
なお、仕事が忙しい場合や、元配偶者と顔を合わせたくない場合、あるいは遠方に居住しているような場合は、弁護士を代理人として立てることで、夫婦が直接公証役場に出向くことなく作成手続きを完了させることも可能です。
公正証書作成にかかる費用(手数料)の目安
公正証書の作成には、国に納める手数料(公証人手数料政令で定められています)が必要となります。この費用は、目的の価額(慰謝料や財産分与などの金銭の総額)に応じて段階的に変動します。
- 目的の価額が100万円までの場合:5,000円
- 目的の価額が200万円までの場合:7,000円
- 目的の価額が500万円までの場合:11,000円
- 目的の価額が1,000万円までの場合:17,000円
- 目的の価額が3,000万円までの場合:23,000円
さらに、養育費のように「定期金(毎月分割払い)」で支払う取り決めが含まれる場合、全体の総額計算方法が特殊になるほか、正本・謄本の交付手数料(数千円程度)、紙の枚数に応じた加算などが生じます。実際のトータル費用としては、内容にもよりますが、おおむね2万円から5万円程度が公証役場への実費の目安となります。
これに加えて、弁護士に離婚協議書の作成や公証人との交渉、代理出頭を依頼する場合には、別途弁護士費用が発生しますが、法的に不備のない完璧な文面になり、将来の未払いリスクを完全にシャットアウトできるという大きなメリットがあります。
「強制執行認諾文言」が絶対に欠かせない理由
公正証書を作成する際、最も重要なポイントが強制執行認諾文言(強制執行認諾異議無文言)の記載です。
この文言とは、具体的に以下のような表現を指します。 「債務者は、本契約に基づく金銭債務を履行しないときは、直ちに強制執行に服する旨を承諾した。」
この一文が公正証書の中に含まれていないと、たとえ公証役場で作成した正式な文書であっても、相手が慰謝料や養育費を支払わなくなったときに、いきなり差し押さえ(強制執行)の手続きに入ることができません。強制執行認諾文言がない普通の契約書や公正証書では、まず裁判を起こして「お金を払いなさい」という判決(またはそれに代わる債務名義)を得る必要があり、時間も費用も余分にかかってしまいます。
不倫をした側が「きちんと毎月払うから」と言葉だけで約束しても、その場しのぎであるケースは少なくありません。確実に慰謝料を回収するためにも、この文言を入れた公正証書の作成を強く推奨します。
離婚協議書の公正証書化に関するよくある疑問
ここでは、当事務所に寄せられるご相談の中から、特に多い疑問についてお答えします。
Q: 離婚後に公正証書を作ることはできますか?
A: 離婚がすでに成立している場合でも、離婚協議書の内容や慰謝料・養育費の合意事項について公正証書にすることは可能です。ただし、離婚から時間が経つと相手が連絡を絶ったり、約束に応じなくなったりするリスクが高まります。できる限り、離婚届を提出する前、あるいは離婚と同時に作成できるよう準備を進めるのが理想的です。
Q: 相手が公証役場への出頭を拒否する場合はどうすればよいですか?
A: 相手が「仕事が忙しい」「面倒くさい」「顔を合わせたくない」という理由で公証役場への出頭を渋るケースはよくあります。このような場合、弁護士が間に入って説得を行うか、夫婦それぞれが代理人(弁護士)を立てることで、当事者同士が顔を合わせることなく、また相手の負担を最小限に抑えながら公正証書を完成させることができます。
まとめ:確実な慰謝料回収のために弁護士へご相談を
不倫・浮気の慰謝料請求や離婚に伴う財産分与は、精神的な負担が大きいだけでなく、法的な知識が不足していると、後々「お金が支払われない」という取り返しのつかない事態を招きかねません。
公的な相談窓口や弁護士会等では、不倫トラブルや離婚協議書の作成、公正証書化の手続きに関する豊富な実績を持つ弁護士が、依頼者の皆様の代理人として迅速かつ確実にサポートいたします。「適正な慰謝料の金額が知りたい」「確実に相手からお金を回収できる仕組みで離婚したい」とお考えの方は、ぜひ当事務所の初回無料相談をご利用ください。