【弁護士による財産隠し対策と解決手法】相手の「海外勤務だから無駄だ」という主張は財産逃れの常とう手段です。財産隠しを防ぐための仮差押えを迅速に実行するためには、弁護士へ早期に相談し、国内の勤務先や口座情報を法的に割り出して慰謝料回収への道筋を確実なものにすることが不可欠です。
不倫・浮気の慰謝料を請求しようとした際、相手の男性から「自分は現在海外勤務だから、日本国内には資産も給与口座もない。連絡も取りにくいので請求しても無駄だ」などと言われて泣き寝入りを強要されるトラブルが後を絶ちません。
海外赴任や海外駐在という特殊なステータスを盾に、慰謝料の支払いを免れようとする悪質な手口ですが、法律上の仕組みを正しく理解し、適切なアプローチをとることで十分に解決への道筋は見えてきます。
夕陽ヶ丘法律事務所には、このような複雑な属性やシチュエーションが絡む不倫慰謝料請求のご相談が数多く寄せられています。本記事では、相手が「海外勤務」を主張した際の法的真実と、日本国内の給与や口座を特定して確実に差し押さえるための実務的な手法について詳しく解説します。
海外勤務を主張する既婚男性の心理とよくある手口
不倫が発覚し、配偶者やあなたから慰謝料を請求された途端に態度を急変させる男性は少なくありません。「海外にいるから日本の法律は及ばない」「裁判をしても海外まで書類は届かない」といった根拠のない言い訳をして、請求から逃れようとします。
よく見られる手口としては、以下のようなものがあります。
- 日本の連絡先をブロックし、海外の連絡ツールやフリーメールでのみやり取りを強要する
- 「給与はすべて現地の外貨口座で受け取っており、日本の銀行口座は解約した」と嘘をつく
- 国内の自宅や実家に住民票を残したまま、実際には海外を拠点にしていると主張して居場所をくらます
しかし、これらは多くの場合、慰謝料の支払いを免れたいための巧妙な口実(財産隠しのカモフラージュ)にすぎません。冷静に対処すれば、相手の言い分を法的に打ち破ることは十分に可能です。
「海外勤務=国内に資産がない」とは限らない法的根拠
相手の男性がどれほど「海外で働いている」と主張したとしても、その雇用形態や法的な契約関係を精査すれば、日本国内に確実な接点が見つかることがほとんどです。
日本法人が雇用主であるケース
外資系企業や日系グローバル企業であっても、その多くは日本の法人と雇用契約を結んだ上で海外へ出向・派遣されています。この場合、形式的には海外で勤務していても、給与の源泉は日本の本社であり、国内の給与口座に毎月報酬が振り込まれているケースが非常に多いのです。
また、海外赴任手当や国内の留守宅手当などが、日本の銀行口座に直接振り込まれていることも珍しくありません。
日本国内に残された不動産や金融資産
海外に単身赴任している場合であっても、日本国内に持ち家や分譲マンション、あるいは投資用の不動産を所有している場合があります。さらに、独身時代から利用しているメガバンクや地方銀行の口座がそのまま放置されており、一定の預貯金残高が存在することも少なくありません。
不動産や国内の預貯金口座は、慰謝料請求における強力な差押えのターゲットとなります。
日本国内の給与・口座を特定するための実務アプローチ
相手が居場所をくらまし、財産情報を開示しない場合、どのようにして国内の給与や口座を特定すればよいのでしょうか。個人で調査するには限界がありますが、弁護士が介入することで以下のような法的手続きを駆使することが可能になります。
1. 弁護士会照会(民事訴訟法第23条に基づく照会)
弁護士が受任している場合、所属する弁護士会を通じて、関係する企業や金融機関に対して必要な情報の開示を求めることができます。
例えば、相手が勤務していると推測される日本法人に対し、給与の支払い状況や国内口座の有無について照会を行います。また、過去の給与振込履歴や勤務実態から、国内の資産隠しを防ぐための手がかりを掴むことができます。
2. 財産開示手続および第三者からの情報取得手続
裁判で勝訴判決を得たものの、相手が任意に慰謝料を支払わない場合、民事執行法に基づく「財産開示手続」や「第三者からの情報取得手続」を利用することができます。
特に「第三者からの情報取得手続」は非常に強力で、裁判所を通じて以下のような機関から直接情報を得ることが可能です。
- 金融機関(銀行等)への照会:全国の銀行本店等に対し、債務者の預貯金口座の有無や残高を照会する
- 市区町村・年金事務所・官公署への照会:勤務先や給与支払者の情報を特定する
これにより、本人が「海外にいる」「国内に口座はない」とシラを切ったとしても、日本国内の金融機関に眠っている口座や給与差し押え先を強制的に暴くことができます。
差し押えを成功させるための「仮差押え」の重要性
海外勤務を主張する相手に対して慰謝料請求を進める際、最も警戒しなければならないのは「財産の持ち逃げや隠匿」です。
弁護士から内容証明郵便が届いた段階や、訴訟を起こされた段階で、相手が慌てて日本国内の口座にある預貯金を海外送金したり、給与の振込先を外国の口座に変更したりする危険性があります。
こうしたリスクを防ぐために極めて有効なのが、訴訟提起の前、あるいは並行して行う「仮差押え(かりささえ)」という保全処分です。
仮差押えのメリット
仮差押えは、裁判で判決が出る前に、相手の日本国内にある給与債権や預貯金口座、不動産などの処分を法律的に凍結する手続きです。
- 財産の隠匿を防ぐ:相手が事前に国内口座からお金を引き出したり海外送金したりすることを法的に禁止できます。
- 心理的なプレッシャーを与える:国内の給与や口座が差し押さえられることで、相手は会社や日常生活に重大な支障が生じるため、早期の任意示談・和解に応じざるを得なくなります。
相手が海外にいるからこそ、日本国内に残された数少ない資産(給与や預貯金)を素早く仮差押えすることが、確実にお金回収するための最大のカギとなります。
海外勤務の既婚男へ慰謝料請求を進める際の流れと注意点
実際に海外勤務を主張する既婚男性に対して慰謝料を請求する場合、通常の国内での請求とは異なるステップや注意点が存在します。
相手の送達先の確保
日本国内に住民票がある場合は、その住所宛てに裁判所からの書類(訴状など)を特別送達することが可能です。仮に住民票を抜いて海外に完全移住している場合であっても、勤務先(日本国内の本社)を就業場所として訴訟書類を送り届けるなど、法的に有効な送達方法を選択する必要があります。
これらを独力で行おうとすると、海外との通信の壁や複雑な民事訴訟法の規定に阻まれ、途中で断念せざるを得ない状況に追い込まれがちです。
弁護士に依頼するメリット
公的な相談窓口や弁護士会等では、海外勤務や海外赴任といった特殊な事情を持つ相手に対する不倫慰謝料請求の解決実績を豊富に有しています。
- 相手の国内勤務先や給与体系の調査・特定をスムーズに行います
- 財産隠しを阻止するための「仮差押え」を迅速に申し立てます
- 時差や言語の壁を気にせず、代理人として相手との交渉をすべて一任できます
「海外にいるから無理だ」と諦める必要は一切ありません。法律のプロフェッショナルが、日本国内にあるあらゆる手段を尽くして、あなたの大切な権利を守り抜きます。
まとめ:海外勤務を口実にした不倫の泣き寝入りは不要です
既婚男性が「自分は海外勤務だ」と主張するのは、多くの場合、あなたを怯えさせ、責任逃れをするための常套句にすぎません。日本国内に本社や給与支払い元が存在する以上、法的な手続きを踏めば、給与や預貯金の特定および差し押えは十分に可能です。
もし、相手の身勝手な言い分に悩まされているのであれば、一人で抱え込まずに、まずは夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士までご相談ください。あなたの状況に合わせた最適な解決プランをご提案いたします。