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会社がなくなっていてもアスベスト給付金は本当に受け取れる?
アスベスト(石綿)による肺がんや中皮腫といった深刻な健康被害を発症され、国に対して給付金の請求を検討される方の中には、「当時働いていた建設会社がすでに倒産している」「会社自体がなくなっているから、もう請求できないのではないか」と不安に思われる方が少なくありません。
結論からお伝えしますと、過去に在籍していた勤務先が破産、倒産、あるいは廃業してすでに存在していなかったとしても、国からの給付金を受け取る権利が失われることは一切ありません。
その理由は、建設アスベスト給付金制度の仕組みにあります。この制度は、過去に屋内での建設作業に従事し、アスベストを吸い込んで健康被害を受けた労働者に対して、「国」がその責任を認めて直接給付金を支給するというものです。個別の民間企業に対して損害賠償を請求する裁判とは異なり、会社の存続有無が受給の絶対条件になるわけではないのです。
なぜ勤務先が倒産していても問題ないのか
「会社が倒産しているのに、どうやって当時の作業証明を取ればいいのか」「責任追及先がなくて大丈夫なのか」といった疑問を持たれるのは当然のことです。ここでは、勤務先が消滅していても給付金が支給される仕組みと、その背景について詳しく解説します。
国の責任を問う制度であるため
建設アスベスト給付金は、「特定B型肝炎訴訟の国等賠償請求訴訟」と同様に、国の規制権限の不行使(適切な安全対策を講じなかったこと)を原因として被害を受けた人々を救済するために作られた制度です。
したがって、給付金を支払う主体はあくまでも「国」です。給付金の支給申請において審査されるのは、「国が定めた要件(屋内での作業歴、アスベストへの曝露、病気の発症など)」を満たしているかどうかであり、雇用主である企業の資力や存続状況ではありません。
事業主の証明が取れなくても代わりの資料で立証可能
給付金を申請する際には、過去にどのような現場で、いつからいつまで働いていたか(就労履歴)を証明する必要があります。通常は当時の勤務先(元請け企業や下請け企業)に証明書を作成してもらうことが一般的ですが、会社が倒産している場合は協力をお願いすることができません。
しかし、勤務先が倒産しているケースは国側も十分に想定しています。そのため、事業主の証明書が取得できない場合であっても、以下のような代替資料を組み合わせることで、就労履歴を十分に証明することが認められています。
- 雇用保険被保険者証や離職票などの公的記録
- 源泉徴収票や確定申告書の控え
- 給与明細や年金定期便の記録
- 健康診断の記録や労働者名簿
- 当時一緒に働いていた同僚や元上司による陳述書
- 会社の在籍が確認できる社員証や組合員証
このように、会社がなくなっていても、ご自身の保管している資料や当時の記憶を辿ることで、申請を進めるためのルートはしっかりと残されています。
倒産した会社での勤務経験がある場合の具体的な注意点
勤務先がすでに倒産している場合、資料集めにおいていくつかの注意点や、知っておくべきポイントが存在します。スムーズに手続きを進めるために、以下の点を確認しておきましょう。
年金事務所やハローワークで記録を取り寄せる
ご自宅に当時の給料明細や雇用保険の書類が残っていない場合でも、公的機関に当時の記録が保管されているケースが多くあります。
日本年金事務所で「厚生年金加入記録」を取得すれば、どの会社にどの期間在籍していたのかを正確に証明することができます。また、ハローワークに記録が残っている場合もあります。会社が倒産していると分かった段階で、まずはご自身の過去の足跡を公的記録から洗い出すことが、給付金受給への第一歩となります。
会社の「元請け企業」などへの賠償請求ができる可能性も
ここまでは国からの「給付金」について解説してきましたが、実はアスベスト被害については、国だけでなく「当時の建築現場の元請け企業(ゼネコンなど)」に対して損害賠償請求(和解協議や提訴)を行える可能性もあります。
ご自身が直接雇用されていた下請け会社が倒産していたとしても、その現場で元請け企業が適切な防塵マスクの支給や換気などの安全配慮義務を怠っていた場合、元請け企業に対して損害賠償を求めることが法的に認められています。
元請け企業の責任追及となると、法的な専門知識や複雑な事実関係の調査が必要不可欠となります。そのため、会社が倒産していて状況が複雑な案件ほど、アスベスト問題に精通した弁護士への相談が極めて重要になります。
給付金請求の期限(時効)に注意してください
勤務先が倒産しているかどうかに関わらず、アスベスト給付金や損害賠償請求には法的な期限(除斥期間・時効)が存在するため、非常に注意が必要です。
- 建設アスベスト給付金の請求期限:原則として、被害について医師から告知を受けた日(または診断された日)から起算して一定の期間(※法改正により期限の延長等が行われていますが、早めの行動が不可欠です)。
- 損害賠償請求の時効:不法行為の時から20年、または損害および加害者を知った時から3年。
「会社が倒産しているから資料集めが難しそう」「どこから手をつければいいか分からない」と悩んでいるうちに、せっかくの受給権利の期限が過ぎてしまうリスクがあります。少しでもご不安がある場合は、期限を逃さないためにも、できるだけ早い段階で専門家による無料相談を利用することをおすすめします。
まとめ:会社がなくなっていても諦めずに弁護士にご相談を
本記事でお伝えした通り、自分が働いていた建設会社がすでに破産や倒産をして消滅していたとしても、アスベスト給付金は問題なく受給することが可能です。
国からの給付金は、企業の存続に関わらず、アスベストに曝露して病気を患った方を救うために用意された正当な権利です。事業主の証明が取れない場合であっても、公的記録や代替資料の活用によって立証する道は十分に用意されています。
夕陽ヶ丘法律事務所では、過去の勤務先がすでに倒産しているケースや、資料が手元にほとんど残っていないといった複雑なご相談を数多く受任し、解決に導いてまいりました。面倒な資料集めや法的手続きの代行も含め、依頼者様のご負担を最小限に抑えながらサポートいたします。
ご自身やご家族がアスベスト被害に遭われ、会社が倒産していてお困りの方は、ぜひ一度、当事務所の無料法律相談までお気軽にお問い合わせください。
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