【認定と請求に向けたポイント】 対象となるには、当時の就労履歴を示す資料やアスベストによる疾病発症を証明する医療カルテが必要不可欠です。また、亡くなられてから20年という出訴期限の壁や時効が存在するため、少しでも心当たりがある場合は、複雑な証拠収集をご自身で抱え込まず、建設アスベスト問題に精通した弁護士による無料診断や相談を活用して迅速に救済手続きを進めることが極めて重要です。
建設現場において、自らは工具を持って直接作業をすることはなく、現場全体を管理する「現場監督」や「施工管理技士」として働いてこられた方は少なくありません。
複数の現場を車などで移動巡回する立場だった方から、「自分は職人として石綿を扱っていないから、アスベスト給付金や損害賠償の対象外ではないか」というご質問をよくいただきます。
結論から申し上げますと、直接の作業員でなくても、アスベストを吸い込む環境に身を置いていたのであれば、法律上の受給要件を満たすケースが多数存在します。
ここでは、現場監督や施工管理として移動巡回をされていた方が、なぜアスベスト給付金の対象になり得るのか、その理由や実務上のポイントを夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。
なぜ現場監督・移動巡回でもアスベスト給付金の対象になるのか
国の建設アスベスト給付金制度や、元請け企業に対する損害賠償請求は、「石綿にさらされる現場で作業に従事したこと」が基本的な要件となっています。
ここでいう「作業」には、大工や左官のように自分で建材を加工する作業だけが含まれるわけではありません。現場監督や施工管理として現場に立ち入っていた場合でも、以下のような理由から対象として認められます。
- 建材の切断や吹付作業が周囲で行われていたため、大量の粉塵を吸い込むリスクがあったこと
- 足場や建物内部を巡回する中で、空気中に浮遊した石綿粉塵を日常的に吸入していたこと
- 法的な保護具(防じんマスクなど)が十分に支給されず、あるいは着用が義務付けられていなかったこと
裁判例や国の基準においても、「石綿粉塵が飛散する屋内作業場等において、労務に従事した者」であれば、職種を問わず保護の対象となることが示されています。したがって、現場監督として巡回していた方も制度の適用範囲に含まれます。
現場監督特有の勤務形態とアスベスト吸引のリスク
現場監督や施工管理技士の働き方は、職人の方々とは少し異なる特徴があります。この働き方こそが、アスベストへの曝露(ばくろ)リスクを高める要因となっていました。
1. 複数の現場を掛け持ち・移動する巡回業務
多くの現場監督は、1つの現場に留まるだけでなく、複数の建設現場を車や公共交通機関で移動し、掛け持ちで巡回管理を行っていました。 この場合、1つの現場だけでなく、複数の現場で同時に(あるいは次々に)アスベストを吸い込んでいた可能性があります。昭和から平成初期にかけての建築現場では、至る所で断熱材や耐火材としての石綿が使用されており、どこを巡回しても粉塵を避けることが難しい環境でした。2. 密閉された空間や仕上げ段階での立ち会い
建物の内装工事や改修工事の仕上げ段階では、窓が閉め切られた空間の中でボードの切断や吹き付け作業が行われることがよくあります。 現場の進捗状況を確認するため、そのような密閉空間や粉塵が立ち込める現場に頻繁に出入りし、長時間滞在していた現場監督は、職人と同等、あるいはそれ以上に高濃度の石綿を吸い込んでいたケースが珍しくありません。「図面や記録がない」場合でも諦める必要はありません
給付金や賠償金を請求するにあたっては、「実際にその現場で働いていたこと(就労履歴)」と「アスベストに曝露したこと」を証明する必要があります。
「何十年も前のことなので、自分がどの現場を巡回していたか正確な記録がない」「当時の会社はすでに倒産している」といった不安を抱えている方も多いでしょう。
しかし、現場監督や施工管理として働いていた方の場合、以下のような資料や方法で証明ができる場合があります。
- 雇用主や建設会社が発行していた在籍証明書、源泉徴収票、賃金台帳
- 当時の名刺、手帳、業務日誌、スケジュール表、写真
- 同僚や元部下、職人仲間からの陳述書(証言)
- 組合の加入記録や健康診断の記録
当事務所では、依頼者ご本人の記憶をたどりながら、残されたわずかな手がかりから当時の勤務実態を復元し、確実な立証資料を組み立てるサポートを行っています。記録が完璧に揃っていなくても、まずは一度ご相談ください。
アスベスト被害で現れる主な症状と注意点
アスベストを吸い込んでから数十年(一般的に10年〜40年以上)の潜伏期間を経て、以下のような深刻な健康被害を発症することがあります。
- 中皮腫(胸膜、腹膜、心膜などに発生する悪性腫瘍)
- 肺がん(アスベスト曝露が原因で発症するもの)
- 良性アスベスト胸水(胸水が溜まる病気)
- びまん性胸膜肥厚(胸膜が全体的に厚くなる病気)
- 石綿肺(肺が線維化する職業病)
もし、ご本人や亡くなられたご家族が上記のような診断を受けており、かつ過去に建設現場で現場監督や施工管理として働いていた経歴があるならば、それは個人の責任ではなく、国の責任や企業側の安全配慮義務違反に起因する可能性があります。
建設アスベスト給付金請求の期限にご注意ください
国に対する建設アスベスト給付金の支給申請には、法律で定められた期限(消滅時効)が存在します。
- 提訴や請求の期限:損害賠償請求権の除斥期間や、給付金法の施行日からの期間制限に注意が必要です。
時間が経過すれば経過するほど、当時の関係者の記憶が薄れたり、企業の資料が散逸してしまったりして、立証のハードルが高くなってしまいます。「自分も対象になるかもしれない」と思われた今この瞬間が、最もスムーズに手続きを進められるタイミングです。
現場監督の経験がある方は、夕陽ヶ丘法律事務所へご相談ください
夕陽ヶ丘法律事務所では、これまで数多くの建設アスベストに関するご相談・ご依頼を承ってまいりました。「職人ではなく現場監督だった」という理由で他事務所で断られてしまった方や、本当に自分も対象になるのか半信半疑だった方からも、「相談して本当によかった」というお声をいただいております。
当事務所では、複雑な資料収集の代行から、国との交渉、裁判手続きまで、弁護士が一貫して親身にサポートいたします。
初回のご相談は無料となっておりますので、ご本人様はもちろん、ご家族の方もお気軽にお問い合わせください。あなたのこれまでの歩みに寄り添い、適正な救済を実現するために全力を尽くします。
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