旧型ブルドーザー(コマツD80・D155等)の湿式クラッチ・パッキン

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、建設アスベスト給付金法、泉南アスベスト国賠訴訟判例、労災保険・石綿救済法および厚生労働省の最新認定基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q コマツの旧型ブルドーザー(D80・D155等)の整備や解体でアスベストを吸った場合、給付金の対象になりますか?
A 【対象となる主な石綿関連疾患と給付金】昭和期にコマツのD80やD155などの大型ブルドーザーの湿式クラッチ板やパッキン、エンジン排気管の整備・オーバーホール作業に従事し、中皮腫や肺がんなどを発症された方は、国から最大1,300万円の建設アスベスト給付金や、製造メーカー等に対する損害賠償請求ができる可能性があります。日常的な部品交換や粉じんを伴う作業でも救済の対象となり得ます。
【受給に向けた重要なポイントと相談窓口】給付金の請求には、当時の作業就歴を示す雇用証明や、医療機関の診断書・カルテ等の客観的な証拠が必要です。また、提訴期限(原則として発症後や死亡後一定期間)や複雑な法的要件があるため、まずはアスベスト被害に精通した弁護士の無料診断を受け、カルテ調査や資料収集のサポートを早期に依頼することが確実な解決への近道となります。

昭和の土木・建設現場を支えたコマツ製大型ブルドーザーとアスベスト

高度経済成長期から昭和の終わりにかけて、日本全国の道路建設、ダム開発、森林伐採、鉱山などの現場では、数多くの大型重機が稼働していました。その中でもコマツ(小松製作所)が製造した「D80」や「D155」といった大型ブルドーザーは、圧倒的なパワーを誇る主力機種として広く普及しました。

当時の重機には、過酷な高熱や摩擦に耐えるため、多くの箇所に石綿(アスベスト)が使用されていました。石綿は「安価で、熱に強く、摩耗に強い」という優れた特性を持っていたため、クラッチやブレーキ、各種パッキン、エンジン周りの断熱材として不可欠な素材だったのです。

しかし、アスベストの微細な繊維を吸い込むことで、数十年の潜伏期間を経て、中皮腫や肺がん、石綿肺などの深刻な健康被害を引き起こすことが後に判明しました。ブルドーザーの運転士だけでなく、現場で整備や修理、解体を行っていた方々も、多くの粉じんにさらされていた実態があります。

D80やD155型におけるアスベスト使用箇所

コマツの旧型大型ブルドーザーであるD80、D155シリーズにおいて、特にアスベストが使用されていた代表的な箇所は以下の通りです。

  • 湿式クラッチおよび乾式クラッチのフェーシング材:高トルクの動力伝達を受け止めるクラッチディスクには、摩擦熱に耐えるためにアスベストが含有されていました。
  • 各種パッキン・ガスケット:エンジンやトランスミッション、油圧システムの接合部に使われるパッキン類は、耐油性と耐熱性を持つ石綿製品でした。
  • エンジン排気管(マフラー)の断熱被覆・サーモバンテージ:高熱を発する排気管の周囲には、熱害を防ぐためにアスベスト製の保温材やテープが巻かれていました。
  • ブレーキライニング:重い車体を制動させるためのブレーキシューにも、摩擦材としてアスベストが多用されていました。

これらの部品は、定期的なメンテナンスや部品交換、あるいは経年劣化による摩耗の際に、削りかすや粉じんとなって空気中に飛散しました。

整備士・運転士が直面した「見えない粉じん」の脅威

ブルドーザーの運転や整備に携わっていた方々から、夕陽ヶ丘法律事務所には多くのご相談が寄せられます。よくある作業状況として、以下のような場面があげられます。

  • 摩耗したクラッチ板を交換する際、こびりついた粉をエアブロー(圧縮空気)で吹き飛ばして清掃していた。
  • 古くなった排気管の断熱材やガスケットをスクレーパーで剥ぎ取る際、周囲に白い粉じんが舞い散っていた。
  • 狭い整備工場や現場のテント内で、換気も十分にできないまま重機のオーバーホール作業を長年行っていた。

当時の作業者には、アスベストの危険性が十分周知されておらず、防塵マスクを着用せずに作業を行うことが日常茶飯事でした。その結果として、体内に吸い込まれたアスベスト繊維が肺の深部にまで到達し、何十年も経ってから病気を発症するケースが後を絶ちません。

国からの給付金と企業への損害賠償請求の仕組み

建設作業や関連する機械の整備作業において、アスベスト粉じんにさらされて健康被害を被った場合、法律に基づいた補償や救済を受けることができます。

1. 国に対する建設アスベスト給付金

昭和50年代から平成元年の間に、一定の屋内作業や粉じんを伴う作業に従事していた方は、国に対して建設アスベスト給付金を請求できる可能性があります。コマツ等の重機を用いた土木・建設現場における作業員や、その補佐・整備にあたった方も対象となる場合があります。給付金の額は、病気の重症度(中皮腫、肺がん、良性石綿胸水、石綿肺など)に応じて数千万円規模にのぼります。

2. 建材メーカー等に対する損害賠償請求

アスベストを含有する製品を製造・販売していたメーカーに対しては、民事上の損害賠償請求を行う道が開かれています。最高裁判所の判決においても、国の責任だけでなく、防じん措置を講じなかったメーカーの責任が認められています。

3. 労働者災害補償保険(労災保険)の活用

現役世代の方や、お仕事を引退された方で、労災保険の認定を受けていない場合でも、まずは労災認定を受けることが給付金請求や損害賠償の第一歩となります。当事務所では、労災申請の段階から全面的にサポートを行っております。

請求手続きにおける重要なポイント

アスベストに関する給付金や賠償金をスムーズに受給するためには、過去の作業実態を証明することが極めて重要となります。しかし、数十年も前の作業記録や雇用証明、診断書などを個人で集めることは容易ではありません。

  • 当時の雇用関係や従事期間の証明:確定申告書、源泉徴収票、年金記録、同僚の陳述書などが証拠となります。会社がすでに存在しない場合でも、調査によって立証できるケースが多くあります。
  • 医学的資料の確保:胸部CT画像や組織診・細胞診の結果など、アスベスト関連疾患であることを示す正確な診断書が必要です。
  • 時効への注意:損害賠償請求権には原則として時効(除斥期間)が存在するため、病気と診断されたら速やかに動くことが肝要です。

弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、アスベスト被害に特化した専門チームが、ご相談者様の負担を最小限に抑えながら、証拠の収集から法的手続きまでを一貫して代行いたします。

まずは無料相談をご利用ください

ご本人様、あるいはご家族がコマツ製のD80やD155をはじめとする旧型ブルドーザーの整備・操作に関わっており、中皮腫や肺がんなどの診断を受けられた方は、諦めずに当事務所までご相談ください。

「自分や故人の作業歴が対象になるか分からない」「どんな資料を残しているか不明である」という段階であっても全く問題ございません。経験豊富な弁護士が丁寧にお話を伺い、最適な救済への道筋をご案内いたします。初回相談は無料となっておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

⚠️ 【新規ご相談受付一時停止のお知らせとお詫び】

現在、相談枠の上限に達しているため、当事務所におけるアスベスト(石綿)健康被害給付金・賠償金請求に関する新規個別相談の受付を一時停止しております。ご不便をおかけし誠に申し訳ございません。

【主な公的相談窓口・専門機関】
  • 独立行政法人 環境再生保全機構(石綿健康被害救済制度):
    0120-389-931(平日 10:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 厚生労働省 労災保険相談ダイヤル(建設アスベスト給付金等):
    0570-006031(月〜金 8:30〜17:15 / ※申請はお近くの労働基準監督署へ)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 全国の弁護士会 法律相談センター: 全国の弁護士会にて各種法律相談が開設されています。
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