【実務上の注意点と弁護士相談の重要性】勤務先会社への民事提訴では、当時の就歴を示す証拠や医療カルテの徹底的な調査が必要であり、個人で対応するのは極めて困難です。国への給付金請求と企業への民事賠償をスムーズに両立させ、正当な賠償金を最大限に獲得するためにも、建設アスベスト問題に精通した弁護士による無料診断を早めに受けることを強くおすすめします。
アスベスト(石綿)の粉じんを吸い込んでしまい、中皮腫や肺がんなどの健康被害に遭われた方、そしてご遺族の方にとって、適正な賠償金や給付金を受け取ることは生活の基盤を守るために極めて重要です。
国に対する「建設アスベスト給付金」の仕組みが広く知られるようになりましたが、被害を受けた労働者が直面する選択肢として、「国からの給付金を受け取るだけでなく、当時の勤務先会社(雇用主)を相手取って民事訴訟を起こすことができるのか」という疑問があります。
結論から申し上げますと、国に対する給付金申請と、元勤務先会社に対する民事損害賠償請求は、並行して進めることが可能です。しかし、そこには法律上の緻密な調整や、労働者側が把握しておくべき重要な注意点が存在します。
今回は、夕陽ヶ丘法律事務所の法律ライターが、国への給付金と元勤務先への民事提訴を並行するメリット、注意点、そして実務上のポイントについて分かりやすく解説します。
1. 建設アスベスト給付金と勤務先会社への民事請求の基本関係
建設現場におけるアスベスト被害をめぐっては、長年にわたり国が規制権限を行使しなかったことの責任を問う国家賠償請求訴訟が相次ぎました。これを受け、2021年に「特定アスベスト被害者等の救済に関する法律(建設アスベスト給付金法)」が施行され、一定の要件を満たす建設作業員やその遺族に対して、国から最大1300万円の給付金が支給される仕組みが整えられました。
一方で、労働者が日々作業を行っていた現場において、防塵マスクの支給を怠ったり、危険な環境を放置したりしていた「元勤務先会社(雇用主)」に対しても、民法上の安全配慮義務違反を理由として損害賠償を請求する権利は失われていません。
国に対する給付金は「国が定めた基準に基づく一律の救済」ですが、勤務先会社に対する民事請求は「個別の雇用関係における安全配慮義務違反に基づいた損害賠償」であるため、法的な性質が異なります。そのため、両者を同時に、あるいは段階的に並行して進めることが認められているのです。
2. 並行して進める大きなメリット
国からの給付金申請と、元勤務先会社への民事提訴を並行(または連続して)行うことには、被害者・ご遺族にとって以下のような大きなメリットがあります。
- 早期の資金確保と十分な賠償金の獲得: 国の給付金制度は、裁判上の和解等と比較して比較的スムーズに支給まで至るケースが多く、治療費や生活費の確保に役立ちます。その上で、勤務先会社の規模や経営状況、過失の程度に応じたさらなる損害賠償金を民事訴訟で追及できます。
- 責任の所在を明確にする: 国の責任だけでなく、実際に劣悪な環境で働かせた直接の元勤務先会社に対して責任を追及することは、被害者としての精神的な救済や納得感につながります。
- 消滅時効への確実な対策: 民事上の損害賠償請求権には時効(原則として損害および加害者を知った時から5年など)が存在するため、給付金の手続きだけに気を取られていると、勤務先への請求権が時効消滅してしまうリスクを回避できます。
3. 勤務先会社を提訴する際の重要な注意点
国への給付金受給と元勤務先への民事提訴を並行する際には、法律実務上、いくつかの複雑な調整が必要となります。ご自身だけで判断して進めると、受け取れるはずの金額が減額されてしまうなどの不利益を被る恐れがあります。
二重取りの調整と損益相殺
損害賠償の法理において、同一の損害に対して二重に補償を受けることは原則として認められません。そのため、元勤務先会社に対する民事裁判の中で、すでに国から受給した給付金の金額がどのように扱われるか、裁判所における法的な議論が必要になります。ただし、国から受け取った給付金と、会社から支払われる賠償金では性質や金額の算定方法が異なるため、単純に全額が相殺されるわけではありません。専門的な法律知識に基づく主張が不可欠です。
会社の存続状況と資力問題
事故や発症から長期間が経過している場合、当時の元勤務先会社がすでに廃業・倒産しているケースも少なくありません。会社が存在しない場合や資力がない場合は、会社名義での民事提訴が困難になることがあります。このような場合は、建材メーカーに対する損害賠償請求など、別の選択肢を視野に入れる必要があります。
証拠の収集と立証の負担
元勤務先会社に対して安全配慮義務違反を問うためには、「その会社でいつからいつまで、どのような作業に従事し、どのようなアスベストに暴露したか」「会社側がどのような安全対策を怠っていたか」を労働者側が立証する必要があります。勤務時代の雇用契約書、給与明細、健康診断結果、同僚の陳述書など、客観的な証拠を集める作業が求められます。
4. 弁護士に相談・依頼するメリット
アスベスト被害に関する給付金申請と民事損害賠償請求を並行して行う手続きは、専門的な法律知識と膨大な資料の読み込みが必要となります。特に、病状が進行している被害者ご本人や、悲しみの中にあるご遺族にとって、これらの複雑な手続きをご自身だけで遂行することは大きな負担となります。
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、アスベスト被害救済に特化したチーム体制を整えております。以下のようなサポートをワンストップで提供しています。
- 最適な請求戦略の立案: 国への給付金申請と、勤務先会社や建材メーカーへの民事請求をどのタイミングでどのように進めるべきか、個別の状況に応じて最適なロードマップをご提案します。
- 面倒な証拠集め・書類作成の代行: 労働基準監督署の記録、カルテ、会社の聴取など、請求に必要な証拠の収集や裁判所・国への提出書類の作成を全面的に代行します。
- 最大限の賠償金獲得に向けた交渉: 勤務先会社やその保険会社との示談交渉、あるいは裁判上の和解において、被害者の方が受け取るべき正当な金額を妥協なく追求します。
まとめ
建設アスベスト給付金を受給しながら、安全配慮義務違反を問うて元勤務先会社を民事提訴することは、法律上認められた正当な権利です。しかし、時効の管理や法的な調整、相手企業との交渉など、実務の壁は決して低くありません。
夕陽ヶ丘法律事務所では、初回のご相談を無料でお受けしております。「自分のケースでも会社を訴えられるのか」「給付金と並行して進めるとどうなるのか」といった疑問や不安をお持ちの方は、一人で悩まずに、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの権利を守り、平穏な生活を取り戻すために、私たちが全力でサポートいたします。
⚠️ 【新規ご相談受付一時停止のお知らせとお詫び】
現在、相談枠の上限に達しているため、当事務所におけるアスベスト(石綿)健康被害給付金・賠償金請求に関する新規個別相談の受付を一時停止しております。ご不便をおかけし誠に申し訳ございません。
- 独立行政法人 環境再生保全機構(石綿健康被害救済制度):
0120-389-931(平日 10:00〜17:00 / 通話料無料) - 厚生労働省 労災保険相談ダイヤル(建設アスベスト給付金等):
0570-006031(月〜金 8:30〜17:15 / ※申請はお近くの労働基準監督署へ) - 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
- 全国の弁護士会 法律相談センター: 全国の弁護士会にて各種法律相談が開設されています。
