【弁護士対応のメリット】行方不明や居場所不明であっても戸籍や住民票の調査により法的追及は可能であり、示談や訴訟を見据えた早期の証拠収集と弁護士による適切な法的手続きが、確実な慰謝料回収と問題解決の最大の近道となります。
不倫・浮気問題の解決に向けて動き出す際、多くのご依頼者様が直面する壁の一つが、「内容証明郵便で弁護士の受任通知を送ったものの、相手が連絡してこない、あるいは無視しているようだ」という状況です。
「手紙を破棄してしまったかもしれない」「このまま逃げ切れると思っているのだろうか」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。また、逆に当事者として受任通知を受け取ったものの、どう対応していい分からず恐怖から封を開けずに放置してしまう方も少なくありません。
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所の男女トラブル解決チームが、法律事務所からの受任通知を放置した場合に待ち受けている法的リスク、そしてそこからどのように解決へと向かうのかについて、実務の現場に基づき徹底解説します。
1. 受任通知を無視・破棄しても「なかったこと」にはならない
法律事務所から送達される「受任通知(兼 慰謝料請求書)」は、単なる威嚇の手紙ではありません。代理人弁護士が依頼者(被害者)から正式に代理権を授かったこと、そして法的手段を見据えて正式に損害賠償を請求する意思表示を法的な形式でまとめたものです。
これを「無視すれば請求が消滅する」「見なかったことにすれば時効になる」と考えて破棄する人がいますが、それは法的に全く意味のない自己防衛にすぎません。
消滅時効や法的責任は消えない
受任通知を放置したところで、不貞行為(不倫)によって生じた不法行為に基づく損害賠償請求権が消えるわけではありません。相手がどれだけ連絡を拒絶し、書面を破棄しようとも、法律上の債務は厳然として残り続けます。むしろ、話し合いによる解決の可能性を自ら潰しているため、状況はより深刻な方向へ悪化していきます。
2. 放置された場合、弁護士と被害者が取る次のステップ
公的な相談窓口や弁護士会等では、受任通知に設定した回答期限(通常は通知書到達後2週間程度)を過ぎても不倫相手からの連絡がない場合、あるいは「支払わない」「無視する」という態度が明白である場合、速やかに次の法的ステップへ移行します。
- 任意交渉の打ち切り宣言:これ以上の話し合い(示談交渉)の余地はないと判断し、交渉ルートを完全に閉ざします。
- 裁判所への提訴準備:直ちに管轄の地方裁判所(または簡易裁判所)へ、不貞行為に基づく損害賠償請求訴訟(民事訴訟)の訴状を提出します。
- 証拠の精査と固め:LINEのやり取り、写真、ホテル・自宅の出入りを示す客観的証拠を整理し、裁判官が「不貞の事実」を容易に認定できる状態に仕上げます。
裁判を起こす段階になると、請求金額には慰謝料の本体だけでなく、裁判を提起せざるを得なかったことに対する弁護士費用の一部、および年3%の遅延損害金が上乗せされるのが一般的です。つまり、放置すればするほど、結果的に支払う総額が膨れ上がっていくことになります。
3. 裁判を放置した場合の恐ろしい結末(欠席判決と強制執行)
不倫相手が受任通知だけでなく、裁判所から特別送達で届く「訴状」や「期日呼出状」までも無視して放置し続けた場合、法的なペナルティとして取り返しのつかない事態が発生します。
答弁書の未提出と裁判の欠席
民事裁判では、訴えられた側(被告)が自身の主張や反論を記載した「答弁書」を提出せず、指定された第1回口頭弁論期日にも正当な理由なく出頭しなかった場合、法律上極めて重大なルールが適用されます。
それは、「原告(被害者側)の主張した事実をすべて自白(同意)したものとみなす」という規定です。
欠席判決による完全敗訴
裁判官は、被告が反論しなかったため、原告側の提出した証拠と訴状の内容をそのまま真実と認め、原告の請求通りの金額の支払いを命じる「欠席判決」を下します。 これにより、相手は一切弁明の機会を得られないまま、完全敗訴という結果を突きつけられることになります。
財産の差し押さえ(強制執行)
判決が確定すると、被害者側は「債務名義」を手に入れたことになります。これにより、不倫相手の以下の財産に対して強制執行(差し押さえ)を申し立てることが可能になります。
- 給与の差し押さえ:勤務先の会社に対し、毎月の給料やボーナスの一部を直接差し押さえるよう通知します。これにより、勤務先に不倫の事実や金銭トラブルを抱えていることが確実に知れ渡ることになります。
- 預貯金口座の差し押さえ:利用している銀行口座を特定し、残高から強制的に慰謝料を回収します。
- 動産・不動産の差し押さえ:自宅にある価値のある家財道具や、所有する不動産を差し押さえて競売にかけます。
このように、受任通知を破棄して現実逃避をしても、法的強制力の前には何の意味も持たず、最終的に社会的信用や財産を大きく失う結果を招くのです。
4. もし受任通知を受け取ってしまった当事者の方へ
もし、あなたがこのコラムをご覧になっている方で、法律事務所から受任通知を受け取り、「怖くて破棄したい」「どうせ嘘だろうと放置しようとしている」という状況であれば、それは極めて危険な選択であることを強くお伝えいたします。
受任通知が届いた段階であれば、まだ「裁判を回避し、一括ではなく分割払いの相談をする」「第三者に知られないように示談で穏便に解決する」という話し合いの余地が残されています。
放置すればするほど弁護士は法的措置を淡々と進め、会社に知られるリスクや、財産を差し押さえられるリスクが跳ね上がります。通知書に記載されている期限内に、誠実な姿勢で弁護士へ連絡を入れることが、結果的にダメージを最小限に抑える唯一の道です。
5. まとめ:泣き寝入りしないために、プロの法律家にお任せください
不倫相手が受任通知を破棄して放置するという行為は、被害者であるあなたに対する不誠実な態度の現れにほかなりません。しかし、法律は泣き寝入りを強いることはありません。相手が話し合いに応じない場合であっても、裁判手続きや強制執行を通じて、正当な権利と慰謝料を回収する道はしっかりと用意されています。
公的な相談窓口や弁護士会等では、相手が居直って連絡を絶ったケースや、受任通知を無視して逃げようとする事案においても、数多くの解決実績を有しています。相手の財産調査や迅速な訴訟提起、そして確実な回収まで、ご依頼者様の負担を最小限に抑えながら全力でサポートいたします。
不倫相手の対応にお困りの方、あるいは受任通知の対応でお悩みの方は、一人で抱え込まず、まずは法テラスや弁護士会の無料法律相談窓口のご利用をご検討ください。