【弁護士による財産特定と強制執行サポート】現金がないと主張する不倫相手であっても、株式や投資信託などの金融資産隠しを見破り、法的な強制執行を確実に遂行するためには専門的なアプローチが不可欠です。財産開示手続や第三者からの情報取得手続を活用した証券会社の特定から、裁判所への申し立て手続きまでを弁護士に一任することで、泣き寝入りを防ぎ、適正な慰謝料を確実に回収できる可能性が飛躍的に高まります。
不倫の慰謝料を請求した際、相手が支払いに応じない、あるいは「お金がない」と嘘をつくケースは少なくありません。しかし、話し合いの最中や財産開示手続の過程で、相手が「自分は特定口座で投資信託を運用している」と口にすることがあります。
現金がないと言われても、株式や投資信託などの資産を保有しているのであれば、それらを強制執行(差押え)の対象にすることができます。特に「特定口座」は、税金の源泉徴収などの管理が明確であるため、差し押さえる際の手続きにおいても重要な手がかりとなります。
本記事では、不倫相手が特定口座で投資信託を保有している場合の差押え手順や、実務上のポイントについて詳しく解説します。
投資信託の差押えに必要な前提条件
不倫相手の投資信託を差し押さえるためには、まず法的な「債務名義」を取得している必要があります。
債務名義とは、公的に債権の存在と範囲を証明する文書のことです。具体的には以下のいずれかが必要となります。
- 裁判所での判決(勝訴判決)
- 和解調書、調停調書
- 強制執行認諾文言付きの公正証書(慰謝料の合意書を公証役場で作成した場合など)
話し合いの段階(示談交渉中)で「投資信託を持っているから差し押さえる」ということは原則としてできません。まずは法的な有効性を持つ合意書や判決を確保することが第一歩となります。
特定口座とは何か?差押えにおけるメリット
証券会社で口座を開設する際、「特定口座」を選ぶ人が大半です。特定口座には、証券会社が年間通算の損益を計算し、源泉徴収を行ってくれる「源泉徴収あり」のタイプと、自分で確定申告を行う「源泉徴収なし」のタイプがあります。
差押えを行う債権者にとって、特定口座の存在は以下のメリットがあります。
- 口座が存在する証券会社と支店名を特定しやすい(取引報告書や年間取引報告書などに記載されているため)。
- 保有している銘柄や数量、評価額の把握が比較的スムーズに行える場合がある。
- 売却時の手続きが通常の預貯金とは異なり、株式や投資信託特有の換金プロセスを経る必要があるものの、資産としての価値が明確である。
投資信託を差し押さえる具体的な手順
不倫相手の特定口座にある投資信託を差し押さえるには、以下のステップを踏むことになります。
1. 証券会社と支店の特定
預貯金であれば「〇〇銀行の〇〇支店」を特定する必要がありますが、投資信託の場合も同様に「〇〇証券の〇〇支店」または本社を特定しなければなりません。
相手が任意の交渉段階で「〇〇証券で特定口座を持っている」と自白している場合はその情報が使えますが、隠そうとする場合は財産開示手続や、弁護士会照会(23条照会)などの法的手続を通じて正確な口座情報を割り出す必要があります。
2. 債権差押命令の申し立て
相手の住所地を管轄する地方裁判所に対し、債権差押命令の申し立てを行います。
この際、申し立て書には「第三債務者(ここでは証券会社)」の正確な商号や本店所在地、代表者名を記載し、差し押さえる財産として「相手が保有する投資信託の売却代金請求権」や「還付請求権」を特定して記載します。
3. 証券会社による強制換金と取立て
裁判所から証券会社に対して債権差押命令が送達されると、証券会社はその口座での取引(買い付けや解約など)を原則として停止します。
差押命令が確定した後、債権者は証券会社に対して、差し押さえた投資信託を市場で売却(強制換金)させ、その売却代金から未払いの慰謝料を回収(取立て)することになります。
投資信託差押えにおける注意点とリスク
投資信託の差押えは有効な回収手段ですが、実務上いくつかの注意点が存在します。
価格変動リスク(値動き)
投資信託は株式や債券などを組み入れて運用されているため、日々の価格変動(基準価額の変動)があります。
差押えの手続きを進めている最中に市場が暴落した場合、当初想定していただけの回収額に届かないリスクがあります。逆に、価格が上昇していれば有利になることもありますが、価格のボラティリティ(変動性)を考慮に入れておく必要があります。
売却に伴う諸経費や税金
投資信託を強制的に売却する際、信託財産留保額や売却手数料、あるいは譲渡益に対する税金が発生する場合があります。これらは実務上の計算に影響するため、専門的な知識を持って手続きを進めることが不可欠です。
他の債権者との競合
もし不倫相手があなた以外の相手(他の借金など)からも強制執行を受けている場合、先に差押えの申し立てをした者、あるいは同時に配当を受けることになります。複数の債権者がいる場合は、早急に法的手続を進めるスピードが勝負となります。
弁護士に依頼するメリット
不倫相手が「投資信託を持っている」と発言したとしても、それを実際に差し押さえるまでのプロセスは非常に専門的で複雑です。
- 正確な証券会社や支店の特定(弁護士会照会や財産開示手続の活用)
- 複雑な裁判所提出書類(債権差押命令申立書)の正確な作成
- 証券会社や裁判所とのやり取り、強制換金・取立て手続きのスムーズな進行
公的な相談窓口や弁護士会等では、不倫・浮気トラブルにおける慰謝料請求から、相手の財産調査、強制執行に至るまでを一貫してサポートしております。「相手が資産を隠しているかもしれない」「投資信託をどう差し押さえればいいか分からない」とお悩みの方は、ぜひ一度法テラスや弁護士会等の公的相談窓口へご相談ください。確実な証拠と適切な法的アプローチで、あなたの正当な権利を守り抜きます。