【強制執行と弁護士の対応】相手が支払いを拒む場合、弁護士を通じて勤務先や預貯金口座を特定し、裁判所を介した給与や財産の差し押さえ(強制執行)手続きを進めることで、確実な債権回収を実現することが可能です。
不倫相手の「金がない」「前科がある」という言葉の罠
不倫・浮気の慰謝料を請求した際、加害者側から様々な言い訳や脅し文句が飛び出すことがあります。その中でも厄介なのが、「自分には過去に刑事事件の前科があるから、まともな仕事に就けず金がない」「これ以上追い詰めるとどうなるか分からない」という言葉です。
このセリフを聞くと、被害者側としては「これ以上関わると怖い」「本当に支払う能力がないのかもしれない」と気圧されてしまいがちです。しかし、法律論の観点から言えば、この主張は慰謝料の支払義務を逃れるための典型的な言い訳に過ぎません。
過去にどのような経緯があったとしても、不貞行為(不倫)という不法行為によって精神的苦痛を与えた事実は消えません。法律上、加害者は被害者に対して損害賠償責任を負うため、「お金がない」という主観的な事情だけで請求が帳消しになることは絶対にないのです。
前科と支払い能力は全く別の問題である
相手が「前科があるから仕事がない」と主張していたとしても、実際にはいくつかのパターンが存在します。実務上、冷静に事実関係を見極める必要があります。
- 本当に無職であり、当面の生活費すら困窮しているケース
- 定職に就いておらずとも、親族からの援助や隠し財産があるケース
- 前科を盾にして、心理的なプレッシャーをかけ、請求自体を諦めさせようとしているだけのケース
仮に本当に経済力が乏しい状態であったとしても、将来にわたって収入を得る見込みが一切ないわけではありません。また、慰謝料請求権は原則として10年間(※不貞行為および相手を知った日から3年の消滅時効とは別に、裁判上の確定等による時効延長もあります)の時効があるため、現時点で手元にお金がないからといって権利が消滅するわけではない点をしっかり認識しておくことが重要です。
言い訳を退けるための法的ステップ
口頭での話し合いにおいて、相手が「払えない」「前科のせいで人生詰んでいる」などと主張を繰り返す場合、これ以上感情的なやり取りを続けても進展はありません。以下の実務的なステップに移行することが最善の解決策となります。
- 内容証明郵便による正式な請求書の送付
- 示談交渉が決裂した際の、裁判所を通じた法的手続き(訴訟・支払督促)の提起
- 勝訴判決や和解調書などの「債務名義」の獲得
- 法的根拠に基づく財産開示手続や強制執行(差し押さえ)の断行
相手がどれほど威圧的な態度をとろうとも、裁判所や執行官が動く法的強制力の面前では、個人的な言い訳は一切通用しません。
給与や財産を特定し、強制執行を行う実務
裁判所から支払い命じる判決や和解調書(債務名義)が手に入ったにもかかわらず、相手が支払いを拒否し続ける場合、弁護士は強制執行(差し押さえ)の手続きを実行します。
「お金がない」と主張する相手であっても、給与を得ている勤務先や、預貯金を保有している銀行口座が判明していれば、容赦なく差し押さえることが可能です。具体的な差し押さえの対象には以下のようなものがあります。
- 給与債権の差し押さえ:毎月の給与の一部(原則として手取り額の4分の1まで。ただし高額報酬の場合は上限が変わることもあります)を、勤務先から直接回収します。会社に強制執行の通知が届くため、相手が仕事をしていれば確実性の高い回収手段となります。
- 預貯金口座の差し押さえ:利用している銀行の支店が特定できれば、口座内の残資金を直接差し押さえます。
- 動産・その他の資産:自動車や高価な家財道具などを所有している場合、これらを差し押さえて換金することもあります。
もし相手の勤務先や口座が分からない場合でも、近年の法改正により導入された「第三者からの情報提供システム(財産開示手続・第三者情報取得手続)」を利用することで、裁判所や市区町村、日本年金機構などを通じて、相手の勤務先や預貯金口座の情報を法的に突き止めることが可能になっています。
相手の心理的ブラフに屈しないために
不倫相手が「前科がある」と告白してくる背景には、被害者の良心や恐怖心を刺激し、「これ以上追い詰めたら危ない人間かもしれない」と思わせることで、請求を断念させようという心理的ブラフ(ハッタリ)が隠されていることが少なくありません。
このような相手に対して、個人間で連絡を取り続けたり、直接対面して交渉を行ったりすることは、精神的な負担が大きくなるばかりか、思わぬトラブルに巻き込まれる危険性もあります。
弁護士に代理人を依頼することで、相手との直接の連絡窓口をすべて遮断し、法的な手続きのみで淡々とプレッシャーをかけることができます。相手が前科をちらつかせようとも、弁護士という法的専門家が毅然とした態度で対応するため、相手は言い逃れができなくなります。
・専門窓口へのご相談
不倫相手が「前科があるから金がない」と主張したとしても、それは支払いを免れる免罪符にはなりません。言い訳に惑わされることなく、法的な手続きを経て財産を特定し、強制執行を行うことで正当な慰謝料を回収することは十分に可能です。
公的な相談機関や専門窓口では、悪質な言い訳をする相手や、支払いを逃れようとする不倫相手に対する交渉・強制執行の実績を多数有しております。「相手がまともに取り合ってくれない」「本当に回収できるのか不安」とお悩みの方は、一人で抱え込まず、どうぞお気軽に弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所の初回相談をご利用ください。あなたの平穏な日常を取り戻すため、私たちが全力でサポートいたします。