【弁護士による増額交渉のポイント】マッチングアプリというシステムの信認を悪用した計画性や欺瞞の悪質性を客観的な証拠とともに突きつけ、相手の社会的・経済的背景を考慮した法的アプローチを行うことで、納得のいく高額和解金の早期獲得が可能になります。
婚活アプリの普及と「独身偽装」という深刻なトラブル
近年、結婚を真剣に考える男女の間でマッチングアプリの利用は日常的なものとなっています。しかし、それに伴い既婚者であるにもかかわらず「独身」と偽り、恋人を探すふりをして交際を申し込む悪質なケースが急増しています。
特に、モデルなど社会的信用やイメージを大切にする職業の方が被害に遭うケースでは、精神的なショックは計り知れません。相手が既婚者であると知っていれば絶対に交際しなかったにもかかわらず、巧妙な嘘によって貴重な時間を奪われ、精神的・肉体的な関係を強要された場合、それは重大な権利侵害となります。
夕陽ヶ丘法律事務所には、こうした「独身偽装による不貞トラブル」に関するご相談が数多く寄せられています。今回は、婚活アプリを通じて出会った既婚男性に対し、法的手段を駆使して300万円の高額和解金を獲得した事例をもとに、解決への具体的なアプローチを解説します。
なぜ独身偽装の慰謝料は高額になりやすいのか
一般的な不貞行為(浮気・不倫)の慰謝料相場は、離婚に至るかどうかなどの諸条件により変動しますが、おおむね50万円から150万円程度とされることが多いです。しかし、本件のように「独身偽装」が絡むケースでは、請求できる金額が大きく跳ね上がる傾向にあります。その理由は主に以下の3点です。
- 貞操権の侵害という独立した不法行為の成立:既婚者であることを隠して肉体関係を持つことは、相手の性的な自己決定権や結婚する相手を選ぶ自由(貞操権)を真っ向から踏みにじる行為であり、通常の不倫とは異なる精神的苦痛を与えます。
- マッチングアプリのシステム悪用による悪質性:婚活アプリという「独身証明」や「結婚願望」が前提となるプラットフォームをあえて悪用し、最初から欺く意図を持って接近した計画性が認められやすいためです。
- 被害者の被ったライフプランへの甚大な影響:適齢期やキャリア形成の重要な時期に嘘の交際を強いられたことによる、人生設計への損害が大きく評価されるためです。
事件解決までの実録:300万円を勝ち取ったアプローチ
相談者である一般モデルのAさんは、ある大手婚活アプリで知り合った自称独身の男性と数か月にわたり交際していました。真剣な結婚を視野に入れていた矢先、自宅に残されていた郵便物などから既婚者であることが発覚。相手を問いただしたところ、既婚であることを認めつつも、「大したことではない」「慰謝料など払わない」と誠実な対応を一切見せなかったため、公的機関や専門家にご相談にいらっしゃいました。
弁護士介入後、私たちは以下のステップで戦略的に交渉を進めました。
- 証拠の徹底的な保全と整理:アプリ内のメッセージ履歴(独身と偽っていた明確な発言)、交際の経緯、デートの記録、肉体関係を裏付ける証拠、そして相手の既婚を証明する戸籍謄本や住民票などの資料を迅速に収集・固定化しました。
- 法的構成の明確化:単なる不貞行為としての慰謝料請求に加え、婚活アプリの利用規約違反や、独身偽装による「貞操権侵害の精神的損害賠償」を請求の柱として設定しました。これにより、訴訟に発展した場合に相手が受ける社会的・金銭的リスクを視覚化しました。
- 内容証明郵便による強烈なプレッシャーの付与:弁護士名義で内容証明郵便を送付し、法的責任の追及と具体的な請求金額(350万円の提示、譲歩ライン300万円)を提示。裁判外の示談交渉でありながら、即座に訴訟提起を行う準備があることを示しました。
相手男性は当初、弁護士からの通知を軽視していましたが、訴訟提起が現実味を帯び、勤務先や家族にトラブルが発覚するリスクを恐れ、最終的にこちらの提示した300万円の和解金を一括で支払う旨の合意書に署名しました。
泣き寝入りしないために被害者が取るべき行動
婚活アプリでの独身偽装や不倫トラブルに直面したとき、ショックのあまり相手と連絡を絶ってしまったり、感情的にメッセージを送り続けて不利な言質を取られてしまったりする方が少なくありません。しかし、適正な慰謝料を獲得し、自身の尊厳を取り戻すためには、冷静かつ戦略的な行動が不可欠です。
- 証拠を消去せずに保存する:アプリのプロフィール画面、メッセージのやり取り、SNSの投稿、プレゼントやホテル宿泊の領収書などは、すべてスクリーンショットや写真に残しておきましょう。アカウントが突然削除されるリスクに備えることが重要です。
- 相手と直接の口頭交渉を避ける:感情的な言い争いになると、相手から言質を歪められたり、脅迫されたと逆手に取られたりする危険があります。連絡は極力控え、弁護士に交渉の窓口を一本化するのが最も安全です。
- 早期に弁護士へ相談する:証拠が揃った段階で専門の弁護士に相談することで、相手が逃亡したり財産を隠したりする前に、迅速かつ効果的な法的アプローチを開始できます。
夕陽ヶ丘法律事務所のサポート体制と強み
不倫・浮気問題や独身偽装によるトラブルは、プライデリケートな問題であるため、周囲の友人や家族にも相談しづらいという特徴があります。公的な相談窓口や弁護士会等では、依頼者様のプライバシーを徹底的に保護し、精神的な負担を最小限に抑えながら解決へと導く体制を整えています。
公的な相談機関や専門窓口では、これまで数多くの複雑な男女トラブルを手がけており、相手が不誠実な対応に終始する場合や、高額な慰謝料請求を頑なに拒む場合であっても、豊富な交渉ノウハウと法的専門性を駆使して相手を追い詰めます。
「相手に騙された悔しさをどうしても許せない」「適正な金銭的補償を受けて新しい人生を歩み出したい」とお考えの方は、一人で悩むことなく、まずは法テラスや弁護士会の無料法律相談窓口のご利用をご検討ください。あなたの味方となり、最善の解決策を一緒に見つけ出します。