【弁護士への相談メリット】既婚隠しの証拠を確保しつつ、妻からの減額交渉と男性への求償権行使を同時に進めることで、自身の経済的・精神的負担を最小限に抑えた示談解決が可能です。
「自分は独身だと聞いていたのに、ある日突然、不倫相手の妻から高額な慰謝料を請求された……」
このような相談が、弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所には数多く寄せられます。自分も騙されていた被害者であるにもかかわらず、妻側から見れば「夫の不倫相手」として共同不法行為者になってしまうため、精神的にも金銭的にも大きなショックを受けます。
もし妻側に慰謝料を支払った場合、支払った側は不倫相手の男性に対して、自分が払ったお金の一部を返せと請求することができます。これを求償権(きゅうしょうけん)と呼びます。
通常、不倫の求償権における負担割合は原則として「50%(折半)」ですが、男性が「既婚者であることを隠していた(独身偽装)」という悪質なケースでは、この負担割合が100%になり、支払った慰謝料の全額を男性に請求できる可能性が極めて高くなります。
本記事では、既婚隠しをされた女性がなぜ男性へ全額求償できるのか、その法律上の仕組みと実務的な解決手順について詳しく解説します。
1. 既婚隠し(独身偽装)がもたらす法律上の重大な違い
不倫の慰謝料問題において、原則として加害者は男女2人(不倫をした夫と相手の女性)です。法律上は「不真正連帯債務」という関係になり、被害者である妻は、どちらか一方に対して全額の支払いを請求することができます。
しかし、2人が負うべき最終的な責任の重さ(内部的な負担割合)は、すべてのケースで平等に50%ずつになるとは限りません。
夫婦関係を壊した主因はどちらにあるか
通常の不倫であれば、お互いに既婚者であること、あるいは相手に配偶者がいることを認識しながら関係を持ったため、責任は「お互い様」として半々(50%ずつ)に分けられるのが一般的です。
しかし、片方の女性が「相手は独身だ」と完全に信じ込まされていた場合、状況は一変します。
- 男性側が指輪を外し、独身であると嘘をつき続けた
- マッチングアプリや婚活サイトで「独身」と偽って登録していた
- 同棲や結婚をにおわせる言動で、女性に誤信を抱かせた
このような状況下では、女性には「既婚者と知っていながら家庭を壊してやろう」という悪質な意思(故意)がありません。むしろ、男性の巧妙な嘘によって騙され、結果的に不倫関係に引きずり込まれた「被害者的な側面」が強く認められます。
そのため、不法行為に至った原因を作り出した責任(帰責性)の大部分は男性に帰属することになり、内部的な負担割合が修正されるのです。
2. 求償権の負担割合が「100%」になる法的根拠
裁判実務において、既婚隠しをされた女性が支払った慰謝料の全額を男性に請求できる(=求償権の負担割合が100%になる)根拠は、主に以下の2つの要素から成り立っています。
① 故意・過失の有無と不法行為の重み
民法上の不法行為が成立するには、故意または過失が必要です。既婚隠しをされていた場合、女性側には「他人の婚姻関係を破壊する」という故意が欠如しているか、あるいは騙されたことに対する過失しか認められないケースが多くあります。
これに対し、男性は自分の家庭があることを知りながら、身分を偽って女性を欺き、不倫関係を構築・維持しました。この欺瞞行為そのものが極めて悪質であり、妻に対する慰謝料発生の最大の原因となっています。
② 損害の最終的な公平な分担
求償権の制度は、複数の加害者のうち1人が全額を支払った場合、それぞれの過失の割合に応じて最終的な負担を公平に分担させるためのものです。
裁判所や示談の場において、 「このトラブルの全責任は、身分を偽って両方の女性(妻と交際相手)を欺いた男性の嘘にある」 と判断された場合、女性の最終的な負担割合は0%、すなわち男性の負担割合が100%と評価されます。
これにより、女性が妻に支払った慰謝料の全額を、そのまま男性に請求する法的な正当性が生まれます。
3. 「騙されていた」ことを証明するための重要証拠
求償権の負担割合を100%として男性に全額請求するためには、口頭で「騙されていた」と主張するだけでは不十分です。男性が既婚者であることを隠していた客観的な証拠を揃える必要があります。
弁護士が介入する際、以下のような証拠の有無を確認します。
- マッチングアプリやSNSのプロフィール画面: ステータスが「独身」になっていた履歴やスクリーンショット
- メッセージアプリのやり取り: 「結婚しよう」「独身だよ」といった嘘の記載があるLINEやメールの履歴
- 周囲の証言: 友人や家族に対して「彼から独身だと聞いて紹介された」という客観的な状況がわかるもの
- 男性自身が嘘を認めた発言: 後日トラブルが発覚した際に「既婚者だと隠していて申し訳なかった」と認めた音声やメッセージ
これらの証拠が集まれば、妻との示談交渉や、男性に対する求償権請求の裁判において、極めて有利に話を進めることができます。
4. 既婚隠しトラブルにおける具体的な解決の流れ
実際に既婚隠し被害に遭い、妻から慰謝料請求をされた場合、どのようなステップで解決を目指すべきでしょうか。弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所が推奨する標準的な流れを解説します。
ステップ1:妻側からの請求に対する初期対応
突然、妻やその代理人弁護士から内容証明郵便が届いた際、パニックになって自分の状況をよく考えずに支払いに応じてしまうのは避けるべきです。 まずは、自分が本当に既婚隠しに遭っていたのか、その証拠があるかを整理し、弁護士に相談して「自分が騙されていた被害者であること」を妻側に主張する準備を整えます。
ステップ2:妻との示談交渉と減額・求償の確保
妻側の代理人に対し、独身偽装の証拠を提示しつつ交渉を行います。場合によっては、 「妻側への慰謝料支払いを減額してもらう代わりに、男性側への求償権を放棄しない旨の合意をする」 あるいは、 「自分が一度支払った上で、全額を男性に求償する」 といった戦略を組み立てます。
ステップ3:男性に対する求償権の行使(全額請求)
妻への支払いが完了した(あるいは合意がまとまった)後、不倫男に対して求償権を行使します。 負担割合が100%であることを前提に、弁護士名義で内容証明郵便を送り、支払った慰謝料の全額および弁護士費用等の請求を行います。男性が支払いを拒否する場合は、求償権請求訴訟(裁判)を提起して法的強制力を伴う回収を図ります。
5. 既婚隠し・求償権問題でよくある誤解と注意点
ここで、ご相談者様からよくいただくご質問や、陥りがちな誤解について解説します。
誤解1:「騙されていたなら、慰謝料を1円も払わなくてよい?」
残念ながら、妻側(被害者)から見れば、夫が既婚者であろうとななかろうと、結果的に自分の婚姻生活の平穏を害された事実は変わりません。そのため、法律上は妻に対して慰謝料を支払う義務自体がなくなるわけではありません(※ただし、騙されていた事情が考慮され、請求自体が棄却されたり、極めて低額に抑えられる例外的なケースは存在します)。 基本的には「妻には支払い、その全額を男性に請求する(求償する)」という二段階の構図になります。
誤解2:「男性が『自分も騙された』と言い逃れしている」
不倫が発覚した途端、男性が責任逃れのために「女性側から積極的に誘ってきた」「既婚者であることを知っていたはずだ」と嘘の主張をするケースが後を絶ちません。 このような事態を防ぐためにも、交際当時のやり取りを保存したデジタルデータや、客観的な証拠の保全が不可欠となります。
既婚隠しによる不倫慰謝料問題は、精神的な苦痛が二重にも三重にも重なる非常に辛いトラブルです。「騙されていただけなのに、なぜ自分がお金を払わなければならないのか」「元カレ(不倫男)に全額払わせたい」とお考えになるのは当然のことです。
しかし、ご自身一人で男性や妻側と交渉しようとすると、感情的な対立が激化したり、法的に不利な条件で合意させられてしまったりする危険性があります。
弁護士法人公的な相談窓口や弁護士会等では、数多くの男女トラブル・不倫慰謝料請求および求償権問題を手掛けてまいりました。依頼者様の精神的なご負担を少しでも軽減し、独身偽装の証拠を的確に収集・活用した上で、不倫男に対する求償権100%の実現に向けて全力でサポートいたします。
初回相談は丁寧にお話を伺っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。あなたの権利と平穏な日常を取り戻すため、私たちが力になります。