【プロ同士の交渉による解決】ダブル不倫では双方に慰謝料の支払い義務と求償権が発生するため、弁護士同士による「四者間相殺試算」や、お互いの支払い義務をゼロにする「ゼロ和解」の交渉が極めて有効です。法的な根拠に基づき減額や早期円満解決を有利に進めるためにも、不倫問題に強い弁護士への依頼を強く推奨します。
ダブル不倫(W不倫)において、突然相手の配偶者から内容証明郵便が届き、その差出人として弁護士の名前が記載されていたとき、多くの方は強い動揺と不安を感じられることでしょう。「裁判を起こされるのではないか」「会社や家族に知られてしまうのではないか」と、パニックに陥ってしまう方も少なくありません。
相手が弁護士を立ててきたということは、法的手段を視野に入れた本格的な請求が始まったことを意味します。この状況でご本人が直接相手と交渉しようとすると、感情的な対立が先鋭化し、かえって状況を悪化させるリスクが高まります。
本記事では、ダブル不倫において相手の配偶者に弁護士がついた場合の「弁護士対弁護士交渉」の仕組みや、プロ同士だからこそ実現できる具体的な解決手法について、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。
ダブル不倫における「弁護士対弁護士交渉」の重要性
相手の配偶者が弁護士を代理人として選任した場合、相手側は法的な妥当性や裁判リスクを計算に入れた上で請求を行っています。このような状況に対して、法律の専門知識がないご本人が直接対応するのは非常に困難です。
連絡の窓口が一本化され精神的負担が軽減される
弁護士を代理人に立てることで、相手方からの直接の連絡(自宅への電話や手紙、職場への連絡など)を止めることができます。交渉の窓口がすべて弁護士に一本化されるため、日々の生活や仕事に集中できるようになり、精神的なプレッシャーを大幅に軽減することが可能です。
感情を排した法的な議論が可能になる
不倫問題は当事者間では感情的になりやすく、「謝罪の態度が気に入らない」「お金の問題ではなく許せない」といった感情のぶつかり合いから、話し合いが平行線をたどりがちです。プロの弁護士同士であれば、お互いに感情を交えず、過去の裁判例や実際の慰謝料相場に基づいた冷静な協議を進めることができます。
ダブル不倫特有の複雑さと「求償権」の存在
ダブル不倫が通常の不倫(独身者と既婚者の不倫)と大きく異なる点は、お互いに家庭(配偶者)があるという点、そして法律上の「求償権(きゅうしょうけん)」が絡んでくるという点です。
求償権とは何か
求償権とは、不倫という共同不法行為によって相手に損害を与えた人が、自分の負担部分を超えて損害賠償金を支払った場合に、もう一人の責任者(今回の不倫相手)に対して「自分が払いすぎた分を返してほしい」と請求できる権利のことです。
ダブル不倫では、理論上は以下のような複雑な金の動きが発生します。
- Aの配偶者が、B(あなた)に対して慰謝料を請求する
- Bの配偶者が、Aに対して慰謝料を請求する
- それぞれが支払った後、求償権を行使し合うことで、最終的な金銭のやり取りが複雑化する
この求償権の存在を無視して片方だけが全額を支払ってしまうと、後から別のトラブルに発展する火種を残すことになります。だからこそ、専門的な法的知識に基づく整理が必要不可欠なのです。
プロの弁護士同士による冷静な四者間相殺試算
ダブル不倫の解決において、双方の代理人弁護士がもっとも得意とするのが「四者間相殺試算(お互いの請求と求償権をトータルで計算し、差額を整理する手法)」です。
四者間相殺試算の具体的なメリット
- 複雑な金銭の行き来を一本化する: AからBへの請求、BからAへの請求、それぞれの求償権をすべてテーブルに並べ、トータルでいくらの支払い(あるいは受領)が妥当かを算出します。
- 無駄なコストと時間の削減: 別々に裁判を起こし、お互いに判決を取ってから求償権の回収を行おうとすると、多大な弁護士費用と数カ月〜数年の時間がかかります。弁護士同士の交渉であれば、これらを一括して合意にまとめることができます。
- 現実的な解決金の導出: 双方の経済力や不倫の期間、婚姻関係への影響度などを総合的に勘案し、双方が納得できる着地点をスピーディーに見つけ出します。
即時ゼロ和解(チャラ解決)の成立を目指す
ダブル不倫のケースにおいて、双方の配偶者がそれぞれ弁護士を立てた場合、最も理想的かつ現実的な着地点の一つが「ゼロ和解(お互いに金銭の支払いをせず、一切の請求権を放棄して解決とする手法)」、いわゆる「チャラ解決」です。
なぜゼロ和解が成立するのか
- お互いの被害が同等程度である場合: 双方の婚姻関係へのダメージや、不倫の状況証拠、お互いの収入や資産状況が拮抗している場合、お互いに裁判を起こして得られる実利よりも、弁護士費用や精神的負担のデメリットの方が大きくなります。
- 求償権の相殺による実質的な無価値化: 片方が相手に100万円を支払ったとしても、その後の求償権の行使によって50万円が戻ってくる(あるいはその逆の循環が起きる)場合、最初からお互いに「金銭のやり取りはなし(ゼロ)」とする方が、双方にとって合理的であると判断されるためです。
夕陽ヶ丘法律事務所でも、ダブル不倫の事案において、双方の代理人同士が緻密な交渉を行い、結果的に「お互いに請求を放棄し、二度と接触しないことを条件にゼロ和解とする」合意書を締結して円満に解決した事例が多数ございます。
相手に弁護士がついたときにやってはいけない注意点
相手の配偶者から弁護士を通じて通知が届いた際、焦るあまりご自身で対応してしまうと、取り返しのつかない不利な状況を招くことがあります。以下の点には十分ご注意ください。
1. 感情的な返信や謝罪文の自己作成・送付
相手の弁護士からの連絡に対して、焦って自己判断で長文の謝罪文を送ったり、電話で言い訳をしたりするのは非常に危険です。そこで発言した内容が「不倫の決定的な証拠」として書面に残され、のちの交渉で圧倒的に不利に働くだけでなく、高額な慰謝料請求を正当化する材料に使われてしまいます。
2. 相手方本人への直接連絡
「直接話し合えば分かってもらえるはずだ」と考えて、相手の配偶者本人に連絡を取ろうとするのは厳禁です。弁護士がついた後に当事者間で直接連絡を取る行為は、相手方に「誠意がない」「嫌がらせをされている」と受け取られ、法的措置(裁判の提起や職場への通知など)を加速させる原因になります。
3. 連絡を無視して放置する
内容証明郵便や弁護士からの通知を「見なかったことにする」「無視すればそのうち諦めるだろう」と放置することは絶対に避けてください。期限内に回答がない場合、相手の弁護士は即座に裁判所への訴訟提起(裁判を起こす手続き)へと移行します。裁判になると、職場に訴状が届くリスクが高まり、周囲に知られる可能性が現実味を帯びてきます。
・公的窓口へのご相談
ダブル不倫において相手の配偶者に弁護士がついたときは、ご自身も速やかに不倫問題の解決実績が豊富な弁護士を代理人に立てることが、最も安全で確実な解決への近道です。
公的な相談窓口や弁護士会等では、数多くのダブル不倫・求償権トラブルを解決に導いてきた実績がございます。相手方弁護士との冷静な四者間相殺試算や、早期のゼロ和解(チャラ解決)の交渉を通じて、依頼者様の精神的ご負担を最小限に抑え、プライバシーに配慮したスムーズな解決を実現いたします。
「相手の弁護士から連絡が来てどうしていいか分からない」「高額な請求をされているが減額したい、相殺したい」とお悩みの方は、ぜひ一度、夕陽ヶ丘法律事務所の初回相談をご利用ください。専門の弁護士があなたの状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。