【弁護士に依頼するメリット】個人間で作成した示談書では、金額が高すぎると法的に無効と判断されたり、文面の不備によって実効性を持たせられないリスクがあります。公的な相談窓口や弁護士会等では、相手が二度と裏切れないよう法的に有効かつ厳格な違約金特約を盛り込んだ示談書の作成を代理・サポートし、依頼者の平穏な生活と権利を徹底的に守り抜きます。
不倫・浮気の慰謝料請求において、慰謝料の金額交渉と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「示談書の条項作り」です。
多くの人が「お金を払ってもらって終わり」と考えがちですが、本当に怖いのは「示談が成立した後に、再びこっそり連絡を取り合っていた」「SNSや周囲に不倫の事実やプライベートを暴露された」という事態です。
こうした再発や二次被害を防ぐための防波堤となるのが、今回解説する「誓約違反時の違約金特約」です。
夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が、実務上不可欠なこの特約の仕組みと、100万〜300万円という具体的な金額設定の妥当性について詳しく解説します。
1. なぜ不倫の示談書に「違約金特約」が必要なのか
不倫の示談書には、通常、以下のようなルール(不作為義務)を盛り込みます。
- 今後一切、連絡を取らないこと(メール、電話、SNS、直接の対面などすべての接触禁止)
- お互いに近づかないこと(接近禁止)
- 今回の件について、第三者に口外しないこと(守秘義務・口外禁止)
- お互いに対する嫌がらせや誹謗中傷を行わないこと
しかし、これらはあくまで「約束」に過ぎません。法律の知識がない相手や、反省の色が見られない相手の場合、「バレなければ大丈夫だろう」と軽く考えて再び連絡を取ってしまうケースが後を絶ちません。
もし、この約束を破られたとき、違約金特約がないとどうなるでしょうか。 被害を受けた側は、「約束を破られたから精神的苦痛を受けた」として、改めて新しい慰謝料を請求するための裁判を起こさなければならなくなります。裁判には時間も費用もかかり、精神的な負担も再び重くのしかかります。
ここで「ルールを1回破るごとに、〇〇万円を支払う」という違約金特約をあらかじめ示談書に定めておけば、裁判を経ることなく、約束違反が発覚した時点でその金額を請求できる強力な権利を手に入れることができます。
2. 実務でよく使われる「1回につき100万〜300万円」という金額の妥当性
違約金特約を定める際、気になるのが「いくらに設定すべきか」という点です。実務上は、1回につき100万円から300万円程度に設定されることが最も多く、法的にも妥当性が認められやすいラインとされています。
金額設定における重要なポイントは以下の通りです。
- 低すぎる金額では抑止力にならない:例えば「違反金1万円」などでは、相手が「それくらい払えばまた連絡してもいいか」と軽く考えてしまい、抑止としての意味をなしません。
- 高すぎると無効になるリスクがある:逆に「違反したら1億円」といった法外な金額を設定した場合、公序良俗(民法90条)に反するとして、裁判所から「無効」と判断されるリスクがあります。
- 主たる慰謝料額とのバランス:一般的に、解決金の総額(慰謝料の金額)が100万円〜300万円程度であるケースが多いため、違反時のペナルティとしても「100万〜300万円」が最もバランスが良く、裁判所でも認められやすい相場観となっています。
なお、相手の経済力や不倫の悪質性(婚姻関係を長期間にわたって破壊した、妊娠・中絶トラブルがあったなど)によっては、弁護士が交渉のうえでさらに高額な設定を勝ち取ることができるケースもあります。
3. 「どんな行為」を違反対象にするべきか
違約金特約の効果を最大限に高めるためには、「どのような行為があったときに違約金が発生するのか」を具体的に定義しておく必要があります。
曖昧な表現にしておくと、「これは連絡に入らない」「挨拶しただけだ」と言い逃れをされてしまうためです。実務上は、以下のように明確に規定します。
- 連絡行為の禁止:手紙、電話、電子メール、LINE、SNSのダイレクトメッセージなど、媒体を問わず一切の通信を行うこと。
- 接触行為の禁止:待ち伏せする、後をつける、自宅や勤務先の周辺をうろつく、偶然を装って近づくこと。
- 情報の口外・SNS投稿の禁止:本件不倫に関する事実、相手方のプライバシー、解決金に関する条件などを、知人、親族、勤務先、SNS(X、Instagram、Facebookなど)やインターネット上に一切公開・漏洩しないこと。
- 嫌がらせ等の禁止:相手方に対する無言電話、つきまとい、悪口の拡散など、精神的苦痛を与える一切の行為。
これらの禁止事項のいずれか一つにでも違反した場合に、「違反事実が判明したときは、相手方は請求者に対し、違約金として金〇〇万円を直ちに支払うものとする」という条項を組み込みます。
4. 違約金特約を「本当に機能させる」ための重要テクニック
ただ紙の示談書に「違反したら200万円」と書くだけでは、相手が支払いを拒否した際に結局裁判を起こす必要が生じてしまいます。
違約金特約の効果を100%発揮させ、相手に言い逃れや踏み倒しをさせないためには、以下の2つの実務対策が絶対に必要です。
1. 公正証書(執行文付与つき)にする
示談書を通常の私文書のままで作成すると、相手が違約金の支払いを拒んだ際に、裁判を起こして勝訴判決を得なければ強制執行(給与や預貯金の差押え)ができません。 しかし、示談書の内容を「強制執行認諾文言付き公正証書」の形で公証役場で作成しておけば、相手が違約金の支払いを怠った際、裁判を経ずに即座に相手の給与や銀行口座を差し押さえること(強制執行)が可能になります。このプレッシャーがあるからこそ、相手は二度と連絡を取ろうと張らなくなるのです。
2. 「証拠」を残せる仕組みを作っておく
違約金を請求するためには、当然ながら「相手がルールを破ったという客観的な証拠」が必要です。 「連絡をとっているらしい」という噂だけでは請求できません。示談書には、「違反が疑われる場合、通信履歴の開示請求に応じる義務」や「位置情報の提供義務」などを付帯させることも、実務上非常に効果的なテクニックです。
5. 示談書の作成・チェックは必ず弁護士にご相談ください
不倫・浮気の慰謝料請求において、示談書は「終わった問題に再び悩まされないための、将来の安全を買う契約書」です。
インターネット上に出回っている無料のテンプレートや、自分たちだけで作成した簡易的な示談書では、以下のような致命的なリスクが潜んでいます。
- 違約金の金額が高すぎて無効になってしまう
- 禁止事項の定義が曖昧で、言い逃れを許してしまう
- 強制執行ができる公正証書にしておらず、踏み倒されてしまう
公的な相談窓口や弁護士会等では、数多くの不倫・浮気問題の解決実績を持つ弁護士が、相手の心理や今後のリスクを徹底的に想定し、「絶対に裏切らせない、法的に完璧な示談書・公正証書」の作成をサポートいたします。
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