【判決後の強制執行と弁護士相談のメリット】欠席判決が確定した後は、不倫相手の給与や預貯金口座などの財産に対する即時の差し押さえ(強制執行)が可能となります。相手が裁判を無視して連絡を断ってきた場合でも、弁護士に依頼することで、迅速な訴訟遂行から財産調査、強制執行手続きまでをワンストップで代理し、確実な慰謝料回収を実現することが可能です。
不倫の慰謝料を請求するため、裁判所に訴訟を提起したものの、相手(被告)が裁判所からの呼び出しを完全に無視して連絡すらしてこないケースがあります。「裁判を無視すれば、そのうち自然に終わるだろう」「話し合いに応じなければ支払わずに済む」と考えている不倫相手は少なくありません。
しかし、日本の民事訴訟法において、裁判の無視はご自身の首を絞める最大の悪手です。相手が不出頭を貫いた場合、裁判所は原告の主張を全面的に認める欠席判決を下します。
本記事では、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が、不倫相手が裁判を完全無視した際に下される欠席判決の仕組みと、その後に待ち受ける即時差押えの手続きについて詳しく解説します。
不倫相手が裁判を無視するとどうなるのか
裁判所から自宅へ「訴状」と「口頭弁論期日呼出状」が特別送達で届いたとき、それを放置することは重大な法的リスクを伴います。
答弁書未提出と期日欠席の法的効果
訴訟を起こされた側(被告)は、指定された期日までに自分の主張や反論を記載した「答弁書」を裁判所に提出し、第1回口頭弁論期日に出頭しなければなりません。
もし被告が答弁書を提出せず、かつ第1回期日にも正当な理由なく欠席した場合、民事訴訟法第159条第3項の規定により、原告が訴状に記載した請求原因の事実をすべて自白したとみなされます。
民事裁判では通常、原告側が不倫の事実や損害を証明する証拠を提出し、裁判所がそれを審理するプロセスを経ますが、相手が「自白した」とみなされると、この審理プロセスが大幅に省略されます。
原告の主張が100%認められる仕組み
相手が反論せず、事実を自白したとみなされる結果、裁判所は原告側の主張(不倫関係にあったこと、精神的苦痛を受けたこと、請求額の妥当性など)をそのまま真実として受け入れます。
証拠の細かな精査や相手からの反論がないため、裁判官は原告の請求を丸ごと認容する判決を下します。これが実務上いわゆる欠席判決と呼ばれるものです。
「裁判に出なければ、慰謝料を払わなくてよくなる」という不倫相手の目論見は完全に外れ、むしろ弁護士費用や遅延損害金を含めた満額の支払義務を、最も早いスピードで背負うことになります。
欠席判決が下されるまでの具体的な流れ
裁判を起こしてから欠席判決が確定し、強制執行に至るまでの具体的なステップは以下の通りです。
- 訴訟提起と特別送達の実施: 弁護士を通じて裁判所に訴状を提出し、裁判所から被告の住所へ特別送達で書類が郵送されます。
- 第1回口頭弁論期日の設定: 通常、訴訟提起から約1か月〜1か月半後に第1回期日が設定されます。被告はこの日までに答弁書を出さなければなりません。
- 被告の不出頭と擬制自白: 被告が答弁書を出さず、当日も出廷しない場合、裁判所は「擬制自白」を適用します。
- 判決の言い渡し: 第1回期日において、即日または数日後に欠席判決が言い渡されます。
- 判決書の送達と確定: 判決書が被告に送達され、2週間の上訴期間内に控訴がなければ判決が確定します。
通常、通常の裁判では数か月から半年以上の審理期間がかかりますが、相手が完全無視を決め込んだ場合、第1回期日が終わった段階ですでに勝敗が決するため、極めてスピーディーに手続きが進行します。
欠席判決を獲得した後の「即時差押え」
欠席判決が確定すると、それは強い法的効力を持つ「債務名義」となります。不倫相手が判決に従って慰謝料を自主的に支払わない場合、弁護士は直ちに強制執行(差押え)の手続きに移行します。
差し押さえることができる財産
裁判で勝訴したにもかかわらず支払いを拒む相手に対しては、以下の財産を強制的に差し押さえます。
- 給与・賞与: 勤務先の会社を特定できれば、毎月の給与から一定額(通常は手取り額の4分の1まで)を直接差し押さえて回収できます。相手の社会的な信用に関わるため、心理的なプレッシャーも非常に大きくなります。
- 預貯金口座: 利用している銀行の支店名などが判明していれば、口座内の残金を一括して差し押さえることができます。
- 動産・不動産: 自宅にある高価な家電や貴金属、所有している不動産などを差し押さえ、競売にかけて現金化します。
「裁判に出なければ、財産を調べられないだろう」と高をくくっている方がいますが、弁護士会照会や財産開示手続を活用することで、勤務先や銀行口座を法的に特定する手段が用意されています。
裁判を無視する相手に対する弁護士の対応戦略
不倫相手が連絡を絶ち、裁判すら無視するような悪質なケースでは、被害者ご本人だけで対応しようとすると多大なストレスがかかります。
公的な相談窓口や弁護士会等では、こうした相手に対して以下のような徹底した戦略で早期解決を図ります。
- 確実な証拠に基づく訴状の作成: 相手が欠席することを前提としつつも、万全の証拠を揃えて訴状を構成し、一発で裁判所に認められる万全の体制を整えます。
- 迅速な強制執行の申し立て: 欠席判決確定後、一刻も早く給与や預貯金の差押え手続きに着手し、相手が逃げ出す隙を与えません。
- 財産調査の徹底活用: 相手の勤務先や口座が不明な場合でも、法的な調査手法を駆使してターゲットを絞り込みます。
不倫相手が裁判を無視している状況は、一見すると絶望的に思えるかもしれませんが、法律の仕組みを正しく利用すれば、相手の反論なしで満額の慰謝料を回収できる最大のチャンスでもあります。
一人で悩まず、まずは夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士までご相談ください。豊富な実績を持つ専門チームが、あなたの権利を守り、確実な解決へと導きます。