【海外からの手続きには宣誓供述書やサイン証明などの特殊な書類が必要】海外からの請求には、現地の公証人による宣誓供述書やサイン証明など、日本国内とは異なる特殊な証明書類の提出が不可欠となります。遠隔地からの必要書類の収集や煩雑な法的手続きを円滑に進めるためにも、建設アスベスト問題に精通した弁護士への無料相談を利用し、適切なサポートを受けることを強くおすすめします。
アスベスト(石綿)の健康被害によって亡くなられた方の遺族が、国や建設業者に対して損害賠償請求や給付金の支給を求める法的手続きにおいて、遺族がすでに海外へ移住しており、日本国籍を離脱しているケースが見受けられます。
「自分はすでに外国籍を取得し、日本国籍を持っていないから請求できないのではないか」と諦めてしまう方がいらっしゃいますが、法律上、国籍の有無自体によって受給権が消滅することはありません。
本記事では、海外在住かつ外国籍となったご遺族が、日本国内でアスベスト給付金や賠償金を円滑に請求するための法的な要件や、海外特有の必要書類(宣誓供述書やサイン証明など)の手続きについて、弁護士の視点から分かりやすく解説します。
1. 外国籍の遺族でもアスベスト給付金・賠償請求ができる法的根拠
建設アスベスト訴訟の和解制度や、特定石綿被害者等に係る給付金の支給に関する法律(国会による救済法)では、被害者本人だけでなく、その法定相続人であるご遺族に対しても請求権が認められています。
相続権と国籍の関係
- 日本の民法上、相続人となるための要件に「日本国籍を有していること」は含まれていません。
- たとえ日本国籍を離脱し、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジルなどの外国籍を取得していたとしても、被災者との間に法律上の親子関係や配偶者関係があり、日本の民法に基づく相続人としての地位を有していれば、給付金や賠償金を請求する権利はそのまま受け継がれます。
したがって、「国籍が外国に変わっているから」という理由だけで請求が法的に却下されることはありません。しかし、日本国内の行政機関や裁判所に対して手続きを行う性質上、日本に居住している遺族とは異なる厳格な証明手続きが求められます。
2. 海外からの請求における最大のハードルと対策
外国籍の遺族が日本のアスベスト給付金等を請求する場合、実務上最も大きな課題となるのが「身分関係の証明」と「署名の真実性の担保」です。
日本に住んでいれば役所で簡単に取得できる「戸籍謄本」や「印鑑登録証明書」が、海外移住者や外国籍の方の場合はそのままでは手に入らない、あるいは日本の制度と形式が異なるためです。
ここで重要となるのが、現地の公証人(ノータリー:Notary Public)や日本大使館・領事館を活用した証明書類の作成です。
主な必要書類と海外特有の手続き
- 被災者の戸籍の除籍謄本等:被災者(お亡くなりになった方)が日本国籍のまま亡くなられている場合、日本の最後の本籍地で除籍謄本や改製原戸籍を取得し、相続関係を証明する必要があります。
- 外国籍遺族の身分証明書・出生証明書・婚姻証明書等:日本の戸籍から除籍されている場合や、外国籍に変わったことで日本の戸籍に名前がない場合、現国の政府機関が発行する出生証明書や婚姻証明書を取り寄せ、親子関係や婚姻関係を証明します。これらは日本語への翻訳文が必須となります。
- サイン証明(署名証明):海外では印鑑文化がないため、日本でいう「印鑑登録証明書」の代わりに、本人の署名が本物であることを証明する「サイン証明」が必要になります。現地の日本大使館・領事館で取得するか、現地の公証人の認証を受けた上でアポスティーユ(Apostille)等の外務省・領事認証手続きを行うのが一般的です。
- 宣誓供述書(Affidavit / 宣言書):日本の役所発行の書類だけでは相続関係や現在の生存事実、他の相続人の存在などを完全に網羅できない場合、現地の公証人の前で「私が正当な相続人である」旨を誓う宣誓供述書を作成し、提出することが求められます。
3. 宣誓供述書とノータリー(公証人)の活用方法
海外在住の外国籍遺族にとって、実務上不可欠となるのが宣誓供述書(Affidavit)の作成です。これは、自身の主張や事実関係に虚偽がないことを神または良心にかけて誓う法的な文書です。
宣誓供述書を作成する際の流れ
- 文案の作成:弁護士等の専門家と相談の上、日本側の機関(裁判所や厚生労働省、基金など)が納得する内容の宣誓供述書の文案(英語または現地語、および日本語訳)を作成します。
- 公証人(ノータリー)の前での署名:現地の公証人事務所に出頭し、公証人の面前でその文書に署名(または電子署名)を行います。公証人は「本人が間違いなく本人であり、自発的に署名したこと」を確認・証明します。
- 認証と外務省等の手続き(必要な場合):国や地域によっては、公証人の署名・印章に対してハーグ条約に基づく「アポスティーユ」の付与や、外務省および在外日本公館による領事認証を受ける必要があります。
この宣誓供述書を正しく作成・認証させることで、日本国籍を離脱して海外に定住している方であっても、日本国内の遺族と同等の立証力を確保することができます。
4. 時効や除斥期間への注意点
アスベスト給付金や損害賠償請求には、法律上の時効(消滅時効)や除斥期間が存在します。
- 建設アスベスト給付金(国との和解・基本給付金):被害者が亡くなられた日から原則として20年が経過すると、請求権が消滅してしまいます。
- 損害賠償請求(建設会社に対するもの):不法行為の時から20年、あるいは損害および加害者を知った時から一定期間で時効を迎えます。
海外に居住している場合、日本の法改正情報や時効に関する情報をタイムリーにキャッチすることが難しく、「気づいた時にはすでに期限が切れていた」という最悪の事態が発生する恐れがあります。
特に外国籍の親族の場合、書類の取り寄せや翻訳、現地の公証手続きに数ヶ月単位の時間がかかることが多いため、時効の期限ギリギリではなく、十分な余裕を持って準備を始めることが極めて重要です。
5. 外国籍・海外在住のご遺族こそ弁護士への相談・依頼が不可欠
海外に移住し、日本国籍を離脱したご遺族が単独で日本のアスベスト給付金手続きを進めるのは、言語の壁、時差の壁、そして複雑な日本特有の法的手続きの壁があり、極めて困難と言わざるを得ません。
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、海外在住者や外国籍のご遺族からのアスベスト給付金・損害賠償請求の代理実績を豊富に有しています。
- オンラインによる密接なコミュニケーション:時差を考慮したメール、チャットツール、ビデオ通話(ZoomやLINEなど)を用いて、海外からでも国内にいるのと同様のきめ細やかなサポートを提供します。
- 現地書類の取得・認証トータルサポート:現地の公証人手続きやアポスティーユ、日本語翻訳の手配についても、提携ネットワークを活用してスムーズに誘導・代行いたします。
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