【請求における注意点と無料診断の活用】給付金を受け取るためには、昭和40年代から平成期にかけての建設業務従事歴(労働者・一人親方等)や、カルテなどの医学的証拠に基づく正確な病態の立証が不可欠です。また、請求期限は「労災認定または石綿救済法認定から5年以内」、死亡した場合は「死亡から20年以内」と法律で定められているため注意が必要です。弁護士による無料相談を活用することで、受給要件の満たし方や必要書類の収集、スムーズな請求手続きについて的確なサポートを受けることができます。
建設現場で石綿(アスベスト)にさらされ、健康被害を被った方やそのご遺族を救済するため、国による「特定石綿被害建設業務労働者等給付金法(建設アスベスト給付金法)」が設けられています。この制度において、受け取れる給付金の額は、発症した病気の重さ(病態)や喫煙歴等の要件によって異なります。
本記事では、病態別の具体的な給付金相場や、最高額である1,300万円を受け取るための基準について、詳しく解説します。
建設アスベスト給付金の仕組みと基本方針
建設アスベスト給付金は、過去に特定の建築物の建設業務に従事し、アスベストを吸い込んだことによって健康被害を受けた労働者や一人親方等に対して、国が給付金を支給する制度です。工場労働や造船・港湾作業などは建設アスベスト給付金の対象外となります(工場・造船・港湾作業等の場合は泉南型アスベスト国家賠償請求訴訟や労災保険・石綿救済法の対象となります)。
対象となるのは、昭和40年代から平成の終わり頃にかけて、建築物の建設作業に従事していた方々です。大工、左官、ボード工、電気工など、職種は多岐にわたります。
給付金の額は、法律で定められた被害の深刻度(病態)に基づいて一律に決められています。そのため、ご自身の病態を正確に把握することが、適正な給付金を受け取るための第一歩となります。
病態別の給付金相場一覧
建設アスベスト給付金は、国が認定する病態に応じて金額が異なります。ここではそれぞれの病態と、支給される金額の相場について解説します。
- 中皮腫:1,150万円(一定の要件を満たす場合は1,300万円)
- 肺がん:900万円〜1,150万円
- 著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺(管理区分4):1,300万円
- 著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺(管理区分3):700万円
- 石綿肺(管理区分2):550万円
- 著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚:1,000万円
- びまん性胸膜肥厚(著しい呼吸機能障害を伴わないもの):700万円
上記のように、病態が重く、日常生活に大きな支障をきたすものほど、高額な給付金が支給される仕組みになっています。なお、石綿肺等以外の胸膜プラーク等(無症状)のみの場合は、建設アスベスト給付金の対象外となります。
最高額1,300万円が支給されるケースとは
給付金の最高額である1,300万円を受け取ることができるのは、主に以下の基準を満たした場合です。
- 中皮腫を発症し、一定の要件を満たしている場合
- じん肺法に基づく管理区分が「管理4」であり、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺と診断された場合
- 著しい呼吸機能障害を伴う肺がんまたはびまん性胸膜肥厚で一定の要件を満たす場合
特に中皮腫は、アスベスト曝露との因果関係が非常に高い病気として知られており、喫煙歴の有無に関わらず支給対象となりやすい特徴があります。また、石綿肺についても、肺の線維化が進行し、酸素吸入が必要になるほどの重度な障害がある場合には、最高額の対象となります。
肺がん・びまん性胸膜肥厚の給付金額
アスベストが原因で発生する肺がんや、胸膜が厚くなるびまん性胸膜肥厚についても、高額な給付金が設定されています。
肺がんの場合、喫煙習慣などの要因によって金額が変動することがありますが、基本的には900万円から1,150万円の範囲で支給されます。びまん性胸膜肥厚についても、呼吸機能への影響度合いに応じて700万円から1,000万円が支給されます。
これらの病気は、アスベストを吸い込んでから何十年も経過した後に発症することが多いため、過去の作業歴を丁寧に証明することが重要になります。
石綿肺(管理2・3)の給付金額
石綿肺の管理区分に応じた給付金額は以下の通りです。
- 石綿肺(管理区分3):700万円
- 石綿肺(管理区分2):550万円
重篤な病態と比較すると金額は異なりますが、健康被害を受けた事実に対してしっかりと給付金を受け取ることができます。
給付金請求の手続きと注意点
給付金を受け取るためには、国に対して必要書類を揃えて請求手続きを行う必要があります。請求期限については、法律で「労災認定または石綿救済法認定から5年以内」、死亡した場合は「死亡から20年以内」と定められているため、早めの準備が肝心です。
主な必要書類
- 診断書:厚生労働省が指定する要件を満たした医師による診断書
- 就労履歴の証明:源泉徴収票、雇用保険の被保険者記録、確定申告書、事業主からの証明書など
- 戸籍謄本や住民票:請求者や被災者の身分関係を証明する書類
特に、過去にどのような現場で、いつからいつまで働いていたかを証明する「就労履歴」の収集が、手続きの中で最も時間と労力がかかる部分となります。会社がすでに倒産している場合や、一人親方として働いていた場合でも、資料を探す方法はありますので諦める必要はありません。
給付金と損害賠償請求の違いについて
建設アスベストに関してよくある質問として、「給付金と裁判による和解金(損害賠償)はどちらが得か」というものがあります。
国から支給される給付金は、裁判外の行政手続きによって受け取るものですが、国に対して正式な損害賠償請求訴訟を提起し、和解や勝訴判決を得ることでも金銭を受け取ることができます。裁判を経る場合は、国からの給付金に加えて、一部の建設資材メーカーに対する賠償金も上乗せして請求できる可能性があります。
ご自身の病状や、過去に関わった企業の状況によって、どちらを選択すべきかは異なります。専門的な判断が必要となるため、まずは法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ:正確な病態把握と早めの相談が鍵
建設アスベスト給付金の金額は、病態の重さに応じて550万円から最高1,300万円まで細かく設定されています。ご自身やご家族の病状がどの基準に該当するのかを確認し、適切な証拠書類を揃えることが重要です。
アスベスト被害に関するご相談については、複雑な就労履歴の調査や、診断書の確認、給付金請求・損害賠償請求の手続きについてトータルでサポートを受けることができます。少しでも心当たりがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
⚠️ 【新規ご相談受付一時停止のお知らせとお詫び】
現在、相談枠の上限に達しているため、当事務所におけるアスベスト(石綿)健康被害給付金・賠償金請求に関する新規個別相談の受付を一時停止しております。ご不便をおかけし誠に申し訳ございません。
- 独立行政法人 環境再生保全機構(石綿健康被害救済制度):
0120-389-931(平日 10:00〜17:00 / 通話料無料) - 厚生労働省 労災保険相談ダイヤル(建設アスベスト給付金等):
0570-006031(月〜金 8:30〜17:15 / ※申請はお近くの労働基準監督署へ) - 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
- 全国の弁護士会 法律相談センター: 全国の弁護士会にて各種法律相談が開設されています。
