エーアンドエーマテリアル(旧アスク・浅野スラリット)の「アスクボード」特定

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、建設アスベスト給付金法、泉南アスベスト国賠訴訟判例、労災保険・石綿救済法および厚生労働省の最新認定基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q エーアンドエーマテリアル(旧アスク)のアスクボード等でアスベスト被害に遭った場合、建材の特定や給付金・賠償金はどうすれば請求できますか?
A 【給付金制度とメーカー賠償の要点】旧アスクや浅野スラリットが製造した「アスクボード」などの不燃天井材等によるアスベスト被害では、建築物の建設業務に従事して一定の要件を満たした場合、国から最大1,300万円の建設アスベスト給付金が支給されるほか、建材メーカーに対して損害賠償を請求できる可能性があります。支給要件は、1975年(昭和50年)10月1日〜2004年(平成16年)9月30日の間に屋内作業等の対象業務に従事し、中皮腫や肺がんなどの指定疾病を発症していることです。なお、給付金の請求期限は「労災認定または石綿救済法認定から5年以内」、死亡した場合は「死亡から20年以内」となっているため、早期の対応が不可欠です。
【証拠収集と弁護士無料相談のメリット】アスクボード等の建材特定には、当時の施工図面、納品書、現存する製品の刻印、あるいは建設キャリアアップシステムの記録などが有効ですが、ご自身ですべて集める必要はありません。専門の弁護士がカルテ調査や作業歴のヒアリングを代行し、迅速に証拠を固めることができます。多くの法律事務所で無料相談を実施しているため、泣き寝入りせず、まずは弁護士へご相談ください。

建築現場や内装工事において、過去に多くの石綿(アスベスト)含有建材が使用されてきました。その中でも、株式会社エーアンドエーマテリアル(旧株式会社アスクおよび浅野スラリット株式会社)が製造した不燃天井材である「アスクボード」などは、多くの建物で採用されてきた歴史があります。

これらの建材を取り扱う作業に従事した方や、その周辺で働いていた方々の中には、長年の時を経て中皮腫や肺がんなどの深刻な健康被害を発症される方が少なくありません。

本記事では、旧アスク製品である「アスクボード」や珪カル板などの特徴、アスベスト被害における建材メーカーの責任、そして損害賠償請求や国の給付金制度を利用するための重要なポイントについて、法律事務所の視点から詳しく解説します。

旧アスク・浅野スラリットとアスベスト問題の経緯

エーアンドエーマテリアルは、アスベストを混入させた建築用ボードや保温材などを長年にわたり製造・販売していました。前身である「アスク」や「浅野スラリット」の時代を含め、工場やビル、商業施設などの内装工事において、同社の製品は広く流通していました。

アスベストは「安価で、耐火性、断熱性、絶縁性に優れている」という理由から、広く使用され、昭和の高度経済成長期から平成の初期に至るまで、日本の建築現場に大量に投入されました。しかし、その粉じんを吸入することによって、数十年後に悪性中皮腫や肺がん、アスベスト肺などの致命的な疾患を引き起こすことが明らかになりました。

国や建材メーカーに対して責任を追及する裁判(建設アスベスト訴訟)において、最高裁判所の判決をはじめとする司法判断により、一定の条件を満たす建材メーカーについては損害賠償責任が認められています。旧アスク製品に関しても、適正な調査を行うことで、メーカー責任を問う道が開かれています。

「アスクボード」をはじめとする主な対象建材

エーアンドエーマテリアル(旧アスク・浅野スラリット)が製造した製品群の中で、アスベストを含有していた代表的なものとして以下のような建材が挙げられます。

  • アスクボード:主としてビルや店舗、事務所などの天井や壁に使用された不燃性の吸音・化粧天井板です。切断や釘打ちの際に多量の粉じんを飛散させました。
  • 浅野スラリット等のケイ酸カルシウム板(ケイカル板):耐火被覆や下地材として幅広く用いられ、加工時に粉じんを発生しやすい特徴があります。
  • 各種保温材・断熱材:プラントや配管の保温などに用いられた石綿含有保温材です。

これらの建材は、電動工具による切断、穴あけ、削り取りなどの作業を伴うことが多く、作業者だけでなく、同じ現場にいた他の職人(内装工、電気工、設備工など)や、解体工事に関わった作業員も高濃度のアスベスト粉じんに曝露するリスクに晒されていました。

被害救済に向けた二つの柱:国の給付金とメーカー賠償

アスベスト被害に遭われた方やご遺族が受け取ることのできる救済金には、大きく分けて「国に対する給付金支給(建設アスベスト給付金)」と「建材メーカーに対する損害賠償請求」の二つが存在します。

1. 国に対する給付金制度(建設アスベスト給付金)

国に対しては、過去の労働大臣や建設大臣の規制権限行使の不作為を理由として、最高裁判所の判決を契機に制定された「特定石綿被害建設業務労働者等給付金法」に基づき、要件を満たした建築作業従事者に給付金が支給されます。

  • 対象者:1975年(昭和50年)10月1日から2004年(平成16年)9月30日までの間に、建築物の建設作業に伴う屋内作業等においてアスベストに曝露する作業に従事した労働者や一人親方等。
  • 病状:中皮腫、肺がん、著しい呼吸不全を伴うアスベスト肺、良性石綿胸膜炎など。
  • 支給額:病状の重さに応じて、最高1,300万円から最低115万円までが支給されます。
  • 請求期限:「労災認定または石綿救済法認定から5年以内」、死亡した場合は「死亡から20年以内」となります。

2. 建材メーカーに対する損害賠償請求

国からの給付金だけでなく、有害なアスベスト建材を製造・販売し続けたメーカー(エーアンドエーマテリアル等)に対して直接、損害賠償を請求することも法律上認められています。

メーカー訴訟においては、対象のメーカーが製造したアスベスト製品を、自身の作業現場で実際に使用していた(取り扱っていた)という事実を証明する必要があります。個別のメーカー交渉や訴訟提起が必要となるため、専門的な知識と証拠収集が不可欠となります。

「アスクボード」の特定と証拠集めの重要性

エーアンドエーマテリアルに対する賠償請求を円滑に進めるためには、現場で「アスクボード」や同社の製品が使用されていたことを特定することが極めて重要です。しかし、数十年前の記憶や資料だけに頼ることは難しく、以下のようなアプローチで証拠を収集・特定していくことになります。

  • 当時の施工図面や仕様書の確認:建築当時の設計図、特記仕様書、仕上表などに「アスクボード」や指定メーカーの記載がないかを確認します。
  • 納品書や請求書の探索:当時の建材店や内装業者との間でやり取りされた伝票類に残っていないかを調べます。
  • 現場の状況・作業記録:どのような建物で、どのような作業(天井貼り、間仕切り工事など)をいつ頃行っていたのかの詳細な記憶をヒアリングし、同型物件の施工実績と突き合わせます。
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)や雇用保険記録:就労履歴や所属していた会社を証明する客観的資料を集めます。

建築・内装業界に精通した弁護士や法律事務所であれば、これまでの膨大な訴訟データやメーカーごとの製品流通履歴を照らし合わせることで、効率的に建材を特定することが可能です。

弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所のサポート体制

アスベスト被害の救済手続きは、医学的な診断書の準備から、過去の就労実態の立証、さらには複雑な法的書類の作成まで、多岐にわたる専門知識が要求されます。特に旧アスクのような建材メーカーを特定し、適正な賠償金を引き出すためには、個人で対応するには限界があります。

弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、これまでに数多くの建設アスベスト・メーカー賠償請求を取り扱っており、以下のような強みを持っております。

  • 無料法律相談の実施:ご本人様はもちろん、ご家族からのご相談にも丁寧に対応いたします。病状やご不安な点をまずは気軽にお聞かせください。
  • 徹底した資料調査と建材特定:施工図面や納品書の読み解き、過去の現場の状況を詳細にヒアリングし、エーアンドエーマテリアル等のメーカー責任を追及するための証拠固めをサポートします。
  • 着手金無料(原則)の料金体系:経済的なご負担を最小限に抑え、安心してご依頼いただける体制を整えています(※事案によって異なりますので詳細はご相談時にご案内いたします)。

「自分や家族の病気がアスベストによるものかもしれない」「昔の現場でアスクボードのような天井材を扱った記憶がある」といった方は、時効を迎えてしまう前に、どうか一度当事務所までご相談ください。私たちがあなたの権利回復と未来へ向けた第一歩を全力でサポートいたします。

⚠️ 【新規ご相談受付一時停止のお知らせとお詫び】

現在、相談枠の上限に達しているため、当事務所におけるアスベスト(石綿)健康被害給付金・賠償金請求に関する新規個別相談の受付を一時停止しております。ご不便をおかけし誠に申し訳ございません。

【主な公的相談窓口・専門機関】
  • 独立行政法人 環境再生保全機構(石綿健康被害救済制度):
    0120-389-931(平日 10:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 厚生労働省 労災保険相談ダイヤル(建設アスベスト給付金等):
    0570-006031(月〜金 8:30〜17:15 / ※申請はお近くの労働基準監督署へ)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 全国の弁護士会 法律相談センター: 全国の弁護士会にて各種法律相談が開設されています。
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