「自由財産」と「処分財産」:自己破産でも手元に残せる財産の一覧と上限

💡 この記事のポイント(一問一答まとめ)

Q. 自己破産すると財産はすべて没収されますか?全部持っていかれますか?
A. いいえ。「自由財産」として手元に残せるものがあります。現金は99万円まで、生活必需品(家具・家電等)、退職金見込額の1/8以下のほか、裁判所の裁量で追加保持できる場合もあります。

1. 自己破産=「すべてを失う」は大きな誤解

「自己破産をすると、家の中の家具や家電もすべて差し押さえられ、身ぐるみ剥がされてしまうのではないか」と恐れている方は多くいらっしゃいます。しかし、これは大きな誤解です。

自己破産は借金をリセットして「生活を立て直すため」の制度です。そのため、今後の生活に必要不可欠な財産まで没収してしまうと、本来の目的である生活再建ができなくなってしまいます。そこで法律では、破産者の手元に残すことが許される財産を「自由財産(じゆうざいさん)」として定めています。

2. 手元に残せる「自由財産」の具体的な基準

自己破産の手続きをしても、原則として以下のものは手元に残すことができます。

  • 99万円以下の現金:当面の生活費として、99万円までの現金は手元に残すことが認められています(※預貯金ではなく「現金」であることがポイントです)。

  • 生活に欠かせない家財道具:テレビ、冷蔵庫、洗濯機、ベッドなどの一般的な家具・家電類は、余程の高級品でない限り没収されません。

  • 残高が20万円以下の預貯金:口座に入っている残高が20万円以下であれば、そのまま残すことができます。

  • 評価額が20万円以下の自動車や生命保険(解約返戻金):中古車などで現在の価値(査定額)が20万円以下であれば、車を手放す必要はありません。

3. 裁判所の裁量による「自由財産の拡張」

さらに、上記の基準を少し超えていたとしても、ご本人の年齢や病気の有無、仕事の状況などを考慮し、裁判所が特別に「これも手元に残してよい」と認めてくれる場合があります(これを「自由財産の拡張」と呼びます)。例えば、「通勤にどうしても車が必要である」「高齢で再就職が難しいため、もう少し多くの現金を残したい」といった事情を弁護士が裁判所に丁寧に説明することで、より多くの財産を残せる可能性があります。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人 (いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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