求人サイトのデザインや情報が「コピペ」されている違法性とは
「自社の求人情報が、全く知らない聞いたこともない求人サイトにそのまま掲載されている」「大手求人サイトの文章やデザインが完全にコピーされている」。
こうした不審なサイトを発見した場合、それは単なるマナー違反ではなく、悪質な求人広告詐欺や著作権侵害に該当する可能性が極めて高いです。
悪徳業者は、実体のないダミーの求人ポータルサイトを複数立ち上げ、信頼性があるように見せかけて事業者から高額な広告掲載料を騙し取ったり、無料と称して高額なオプション契約を結ばせたりします。
コピペサイトの実態を知り、法的根拠を持って毅然と対応することが自社を守る第一歩となります。
スクリプトによる無断転載(スクレイピング)の手口
悪質な業者は、自社で求人広告を集める営業努力をせず、プログラムを使って大手求人サイトの情報を自動的に抜き取るスクレイピングという手法を日常的に行っています。
募集要項の文章だけでなく、企業のロゴマーク、サイトのデザインレイアウトまでそっくりそのままコピーして自分のサイトに貼り付けます。
このようなサイトには実際の求職者からのアクセスはほとんどなく、ただ「御社の情報も載せました」「このままでは応募が来ますよ」と営業電話をかけるための架空の実績づくりに利用されているのです。
著作権法違反および詐欺罪に該当する理由
他社のサイトから文章や画像を無断で転載する行為は、明確な著作権法違反です。
求人情報の文章表現やクリエイティブには創作性が認められる場合が多く、許可なく複製することは法律で禁じられています。
さらに悪質なのは、この「他社情報を勝手に載せただけのダミーサイト」をエサにして、自社との契約を迫る手法です。
「すでにあなたの会社を掲載しました。有料プランに切り替えると上位表示されます」といった謳い文句は、実体のないサービスを信じ込ませる典型的な詐欺的手口にあたります。
ダミーの求人ポータルサイトを見破るためのチェックポイント
自社が標的にされている、あるいはすでに契約してしまった求人サイトが本当に信頼できるものか、以下のポイントで検証してみましょう。
悪質な業者のサイトには、共通して不自然な特徴が見受けられます。
運営会社情報やドメインの不審な点
- 運営会社の所在地がレンタルオフィスやバーチャルオフィスであり、実態がない。
- 問い合わせ先がフリーメールや携帯電話番号になっており、固定電話がない。
- サイトの開設時期が極めて新しく、ドメインの登録情報がプライバシーガードで隠されている。
求人情報の質とリンク切れの確認
- 自社以外の求人情報もすべて大手サイトからのコピペであり、応募ボタンを押すと外部サイトへ飛ぶ、またはリンク切れを起こしている。
- 募集要項の企業名や連絡先が古いままで、実際の採用担当者の情報と一致しない。
- サイト内の他のページ(利用規約やプライバシーポリシーなど)に、別の会社の名前が誤って残っている。
「コピペサイトだった」と判明したときの法的対処法
もし契約した求人サイト、あるいは営業を受けている求人サイトが他社のコピペで作られたダミーであると発覚した場合、慌てて相手の言いなりになってはいけません。
法的根拠に基づいた適切な対処を行うことで、不当な支払いを免れることができます。
証拠の保全とスクショの撮り方
まずは、相手が証拠を隠滅する前にサイトの状況を記録することが重要です。
- 問題のページ全体がわかるスクリーンショットを日時入りで保存する。
- 自社の情報が無断転載されている箇所や、他社からのコピペである証拠画面をPDFなどで残す。
- 相手との電話のやり取りや、強引な勧誘メール、申込書などの書面をすべてファイリングしておく。
これらの証拠は、後日消費者庁や警察、弁護士に相談する際の強力な武器になります。
弁護士を通じた請求拒否と合意解約の交渉
悪質な求人広告業者は、事業者が素人だと分かると「契約書にサインをもらった」「クーリングオフ期間を過ぎている」などと威圧的な督促を繰り返してきます。
しかし、詐欺的な勧誘や重要事項の不実告知によって締結させられた契約は、民法上の詐欺取消や錯誤無効を主張できる余地が十分あります。
自社だけで対応してトラブルが長期化するのを防ぐためにも、求人広告トラブルや事業者間取引に強い弁護士に代理交渉を依頼することが最も確実で安全な解決策です。
不当な請求にお困りの経営者・ご担当者様は、泣き寝入りする前に、まずは専門家である弁護士へご相談ください。