「同時廃止」と「管財事件」:自己破産での2つのパターンとそれぞれの費用・期間

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、利息制限法、破産法、民事再生法、および多数の債務整理(任意整理・過払い金回収・個人再生・自己破産)の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 自己破産をすると、財産状況や借金の理由によって「同時廃止」と「管財事件」のどちらに振り分けられますか?費用や期間の違いを教えてください。
A 【手続きの分岐基準】処分すべき価値ある財産がなくギャンブル等の免責不許可事由もない場合は「同時廃止」となり、申立てから3〜4ヶ月程度で早期に免責がおります。一方、一定以上の財産がある場合や免責不許可事由がある場合は「管財事件」となり、破産管財人による調査や財産の換価処分が行われるため期間が延びます。
【費用と対策のポイント】同時廃止の裁判所費用(予納金)は1〜2万円程度ですが、管財事件では少額管財を利用した場合でも20万円以上の予納金が必要です。ご自身の状況がどちらに該当するか不安な場合は、財産隠しと誤認されないよう、事前に弁護士へ正確な資産状況を伝えて適切な申立て準備を進めることが重要です。

1. 自己破産の2つの種類:「同時廃止」と「管財事件」

自己破産の手続きを裁判所に申し立てると、ご本人の財産状況や借金の理由によって、大きく2つの手続き(パターン)のどちらかに振り分けられます。それが「同時廃止(どうじはいし)」と「管財事件(かんざいじけん)」です。

どちらに振り分けられるかによって、手続きにかかる期間や、裁判所に納める費用(予納金)が大きく変わってくるため、事前に違いを理解しておくことが重要です。

2. スピード解決できる「同時廃止」

「同時廃止」は、破産者に目ぼしい財産(20万円以上の価値がある財産)がなく、借金の理由にもギャンブルや浪費といった問題(免責不許可事由)がない場合に選ばれる手続きです。

財産がないため、財産をお金に換えて債権者に配当する手続きを行う必要がありません。そのため、自己破産の開始決定と同時に手続きが終了(廃止)します。裁判所に納める費用(予納金)は1〜2万円程度で済み、早ければ申立てから3〜4ヶ月程度で免責(借金ゼロ)が認められる、最も負担の軽い手続きです。

3. 調査が必要な「管財事件(少額管財)」

一方「管財事件」は、破産者に一定の財産(現金33万円以上や、評価額20万円以上の車など)がある場合、あるいは借金の原因がギャンブルや過度な浪費である場合などに選ばれます。

この場合、裁判所から選ばれた別の弁護士(破産管財人)が、財産の調査や換価処分、そして「本当に免責を認めてよいか」の調査を行います。そのため、同時廃止に比べて手続きの期間が長引く(半年〜1年程度)ほか、破産管財人に支払う報酬として、最低でも約20万円の追加費用(引継予納金)を裁判所に納める必要があります。

夕陽ヶ丘法律事務所では、借金問題に関する無料相談を受け付けています。一人で悩まず、まずは弁護士にご相談ください。

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