「給与所得者等再生」と「小規模個人再生」の2コース:個人再生の選択実務

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、利息制限法、破産法、民事再生法、および多数の債務整理(任意整理・過払い金回収・個人再生・自己破産)の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2つのコースがありますが、サラリーマンの自分はどちらを選ぶべきですか?
A 【コースの選択基準】会社員や公務員など定期的な収入がある方でも、原則として借金圧縮効果が大きい「小規模個人再生」を選択するのが一般的です。ただし、借入先からの反対多数が予想される場合や、過去に住宅ローン特則等でトラブルがある場合は、債権者の同意が不要な「給与所得者等再生」を検討します。
【弁護士への相談メリット】どちらのコースが適しているかは借入先の内訳や財産状況によって判断が大きく変わるため、弁護士に受任通知を送ってもらい、督促を止めた上で最適な手続きの選択と将来利息カット・マイホーム死守に向けた具体的な再生計画の策定を依頼することが重要です。

1. 個人再生における「2つのコース」とは

借金を大幅に減額し、マイホームを残すことも可能な「個人再生」には、大きく分けて「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2つのコース(手続きの種類)が用意されています。

どちらのコースを選ぶべきかは、ご本人の職業や収入の安定性、そして「借金の総額とご自身の財産額」のバランスなど、様々な要素を考慮して決定されます。最適なコースを選ぶことが、手続きを成功させるための重要なカギとなります。

2. 原則となる「小規模個人再生」

個人再生を申し立てる方の約9割が利用しているのが「小規模個人再生」です。もともとは自営業者向けに作られた制度ですが、サラリーマンやパート・アルバイトの方でも、「将来において継続して収入を得る見込み」があれば利用可能です。

このコースの最大の特徴は、減額幅が大きく設定されやすい点です。借金の総額などに応じて計算された「最低弁済額」か、ご自身が持っている財産の合計額(清算価値)のどちらか高い方の金額まで、借金を減額することができます。ただし、手続きを進めるには「債権者(お金を貸している側)の過半数からの反対がないこと」という条件(消極的同意)をクリアする必要があります。

3. 反対されても進められる「給与所得者等再生」

一方「給与所得者等再生」は、主にサラリーマンや公務員など「収入の変動の幅が小さく、極めて安定している方」のみが利用できるコースです。

このコースの最大のメリットは、「債権者の反対があっても、裁判所が認めれば強制的に手続きを進められる」点にあります。そのため、特定の債権者が強硬に反対してくることが予想される場合に非常に有効です。しかし、小規模個人再生の減額条件に加えて、「可処分所得(手取り収入から最低限の生活費を引いた金額)の2年分」を支払わなければならないというルールがあるため、結果的に返済額が高額になりやすいというデメリットがあります。

夕陽ヶ丘法律事務所では、借金問題に関する無料相談を受け付けています。一人で悩まず、まずは弁護士にご相談ください。

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