【保証人を守るための対策と弁護士相談】連帯保証人への突然の一括請求やトラブルを防ぐためには、該当する借金を任意整理の対象から外して他の借金だけを整理する方法や、主債務者と連帯保証人が同時に債務整理を行う「同時受任」などの適切な実務対策が必要となります。大切な家族や知人に迷惑をかけずに借金を解決するためにも、まずは弁護士などの法務のプロに早めに無料相談を行い、個別の状況に応じた最適な解決プランを提案してもらうことが極めて重要です。
債務整理の手続きの一つである任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、将来利息のカットや分割払いの合意を取り付ける有効な借金解決手段です。しかし、借金に連帯保証人がついている場合、どの借金を整理の対象にするかによって、保証人に大きな影響を及ぼすことがあります。
本記事では、連帯保証人がいる借金を任意整理の対象に含めた場合(外さずに整理した場合)に生じる影響と、保証人を守るための実務上の対策について詳しく解説します。
任意整理における連帯保証人の法的立場
借金をする際につけられる「連帯保証人」は、主債務者(実際に借金をした本人)と同等の強い返済責任を負います。
債権者は、主債務者が借金を返済できなくなった場合、主債務者の財産状況に関わらず、いつでも直接連帯保証人に対して全額の支払いを請求することができます。これが「連帯保証人の一括請求リスク」の本質です。
連帯保証人がいる借金を外さずに整理した場合の影響
連帯保証人のついている借金を任意整理の対象に含めると、債権者との間で「分割返済の和解交渉」がスタートします。この交渉が行われている最中、および和解が成立した後の法的な影響について見ていきます。
1. 債権者から連帯保証人へ残債務の一括請求がいく
任意整理の手続きを開始すると、債権者に対して受任通知が発送され、一時的に返済がストップします。この時点で、債権者は主債務者からの通常の分割回収ができなくなると判断します。
その結果、法律上の当然の権利として、債権者は連帯保証人に対して残債務の全額を一括で支払うよう請求します。任意整理は裁判所を利用しない私的な和解交渉ですが、保証人に対する請求を止める効力はありません。
2. 連帯保証人が一括返済を求められる
一括請求を受けた連帯保証人は、原則として残債務の全額を一括で支払わなければなりません。
もし連帯保証人に十分な資力があれば、代わりに全額を支払うことで解決しますが、現実には保証人も同様に経済的な余裕がないケースが少なくありません。保証人が一括払いに応じられない場合、保証人自身も給与差押えなどの強制執行を受けるリスクが生じるほか、最悪の場合は保証人も自己破産などの法的整理を検討せざるを得ない事態に陥ります。
連帯保証人に迷惑をかけないための対策
連帯保証人がいる借金を整理する場合、何も対策を講じずに手続きを進めると、保証人に多大な経済的・精神的負担を与えてしまいます。実務上、以下のような方法でリスクをコントロールします。
- 対象から外す(除外する)
- 保証人同時受任を利用する
- 事前に保証人と十分に話し合う
対象から外す(除外する)
任意整理は、すべての借金を対象に含めなければならない自己破産とは異なり、整理する債権者を自由に選ぶことができる(特定債務者の除外)という特徴があります。
連帯保証人がついている借金を任意整理の対象から外し、これまで通り主債務者が自己資金で返済を継続すれば、保証人に一括請求がいくことはありません。ただし、他の借金を減額・免除したとしても、外した借金の返済負担はそのまま残るため、家計の収支バランスを慎重に見極める必要があります。
保証人同時受任を利用する
主債務者が任意整理を行いつつ、連帯保証人もすでに返済が困難な状態である場合、主債務者と連帯保証人が同時に債務整理(任意整理や自己破産など)を進める「同時受任」という手法が採られることがあります。
これにより、保証人に一括請求がなされたとしても、保証人自身も法的な債務整理手続きに入ることで、一括請求の支払い義務を免れるか、あるいは分割での解決を図ることができます。
事前に保証人と十分に話し合う
どのような選択をするにしても、最も重要なのは事前のコミュニケーションです。
- どの借金を整理の対象にするのか
- 保証人に請求がいく可能性があるのか
- 保証人自身に影響が及んだ場合の対応策
これらを隠したまま任意整理を進めてしまうと、後から突然債権者から連絡がいった際に深刻なトラブルに発展するおそれがあります。
まとめ
連帯保証人がいる借金を外さずに任意整理を行った場合、連帯保証人に対して残債務の一括請求がなされるという深刻な影響が生じます。
保証人の生活や信用を守るためには、当該の借金を任意整理の対象から外して自力で返済を継続するか、あるいは保証人と同時に法的な手続きを進めるなどの慎重な判断が不可欠です。ご自身の経済状況や保証人との関係性を考慮し、無理のない解決策を選択することが求められます。