【生活再建と弁護士相談のメリット】賃貸契約を守りながら借金問題を解決するためには、どの保証会社が債権者になっているかを正確に把握し、任意整理の対象から外す債務の取捨選択を慎重に行う必要があります。弁護士に依頼すれば、受任通知の送付により借金の督促や返済を一時的にストップさせた上で、家賃保証会社との関係を維持しながら安全に借金減額の手続きを進めることができます。
賃貸マンションに居住している方が借金の返済に行き詰まり、任意整理を検討する際、多くの方が不安に感じるのが「家賃保証会社への影響」です。毎月の家賃を滞納していなければ問題ないと考えてしまいがちですが、保証会社の属性によっては手続きの選択や将来の住まいに大きな影響を及ぼします。
ここでは、家賃保証会社の種類ごとの特徴と、任意整理を行う際に知っておくべき実務上の注意点を詳しく解説します。
家賃保証会社の種類と任意整理における違い
家賃保証会社は、大きく分けて「信販系保証会社」、「LICC(全国賃貸保証業協会)加盟などの協会系保証会社」、そして「独立系保証会社」の3つに分類されます。任意整理を行う際、どの系統の保証会社を利用しているかによって影響の度合いが大きく異なります。
- 信販系保証会社(エポスカード、ジャックス、オリエントコーポレーションなど):クレジットカード機能や信用情報機関(CIC・JICC)のデータを利用して審査を行います。このため、これら系列の保証会社に対して任意整理を行うと、信用情報に事故情報(いわゆるブラックリスト)が登録されます。
- 協会系保証会社(全保連、日本セーフティーなど):独自の信用情報ネットワークを共有している場合があり、過去の滞納履歴や保証会社間での情報共有が行われることがあります。
- 独立系保証会社:個別の会社独自の審査基準を採用しており、外部の信用情報機関を参照しないケースが多いため、他社での債務整理の影響を受けにくい傾向があります。
信販系保証会社を任意整理の対象から外す(除外する)ことは可能か?
任意整理は、債務整理をする借入先を自由に選べるという特徴があります。そのため、「家賃を滞納していないので、家賃保証会社だけは任意整理の対象から外したい(除外したい)」という希望を持つ方は少なくありません。
法律上、特定の債権者のみを任意整理の対象外とすることは原則として可能です。しかし、信販系保証会社を対象外にする場合には以下の実務上のリスクが伴います。
- カード利用の停止:エポスカードなどの信販系保証会社は、賃貸保証とクレジットカード事業を一体で行っていることが多く、家賃保証の契約を残したとしても、同一会社が発行するクレジットカードは利用停止や強制解約になる可能性が極めて高いです。
- 一括請求や保証契約の解除リスク:保証会社との基本契約条約において「利用者の信用状態に著しい変化が生じた場合(債務整理の開始等)」を理由に、保証契約の解除や、別口の借入(キャッシングやショッピングリボ)の残高の一括請求が行われるリスクがあります。
家賃滞納がない場合の契約維持と今後の注意点
現在、家賃の滞納が一切なく、毎月きちんと支払っている状態であれば、直ちに部屋を追い出されるわけではありません。賃貸借契約の当事者はあくまで「貸主(大家または管理会社)」と「借受人(入居者)」であり、家賃保証会社は保証人の立場にすぎないためです。
しかし、今後の更新時において以下の点に注意する必要があります。
- 更新時の再審査:信販系保証会社を利用している場合、数年ごとの契約更新時に改めて信用情報の確認(審査)が行われることがあります。このタイミングで過去の任意整理による信用情報の記録が残っていると、保証会社の審査に通らず、保証人や別の保証会社への切り替えを求められる可能性があります。
- 将来の引っ越しへの影響:任意整理によって信用情報に事故情報が登録されている期間(原則として完済後から5年前後)は、信販系や大手協会系の保証会社を利用する賃貸物件の審査に通りにくくなります。
まとめ
任意整理を行う際、家賃保証会社が信販系であるか、あるいは家賃滞納があるかないかによって、取るべき対策や想定されるリスクは異なります。
家賃保証会社に影響を出したくない場合や、将来の住居確保に不安がある場合は、事前にどの保証会社と契約しているかを確認し、個別の事情に応じた慎重な判断が求められます。